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ニュース 掲載日:2016/11/01

『中国・東南アジア・インドの求人・求職者動向レポート 2016年7~9月期』:リクルートホールディングス

株式会社リクルートホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:峰岸真澄)の100%子会社であり、アジアを中心に人材紹介事業を展開するRGF Hong Kong Limited(本社:香港、President:葛原孝司)は、このたび、2016年7~9月期の中国・東南アジア・インドにおける日系企業を中心とした求人・求職者の動向をまとめました。

[参考:1各国通貨あたりの日本円(2016年9月末時点)]
中国人民元:15.44円、香港ドル:13.47円、インドルピー:1.67円、インドネシアルピア:0.90円、シンガポールドル:74.84円、タイバーツ:2.99円、アメリカドル:102.12円

 

中華人民共和国(中国大陸)

金融不安の反動増や小型車減税期限切れの駆け込み需要で復調の兆し?新たな外国人就労許可制度の動向を注視

・例年同様、7-9月期は、賞与支給(7月)前後や国慶節休暇(9月)前に現地人求職者の動きが鈍った。
・当社で取り扱う日系企業の求人動向を見ると、前年の金融不安の反動増に加え、自動車減税期限切れによる駆け込み需要やスマートフォン新機種発売を背景に、9月単月では、求人案件数が一昨年と同等の水準となった。復調の兆しであることを期待したい。
・日系企業の慎重な採用姿勢が続くなかでも、希少な中国語話者(ビジネスレベル)の日本人人材は圧倒的に転職を実現しやすい傾向にある。
・2017年4月、外国人就労許可制度が変更される予定。一部地域での試行制度を見ると、外国人就労者が新たに高度・専門・普通の3区分となる見込み。外国人就労者の受け入れ厳格化とならないか、運用後の動向を注視したい。

○転職事例:営業(日本人人材)/日系・電子部品製造/40歳代/約340,000中国人民元(年収)

 

中華人民共和国(香港)

日本の採用市場活況を背景に帰国日本人増加、日系企業の日本人採用ニーズとの間に需給ギャップ発生

・香港経済は、小売り・不動産・金融で持ち直しの兆しあり。数年来続いたインフレも止まり安定してきた様子。転職市場は過去数年と比べると動きが小さいが、転職率・離職率は引き続き高水準で、失業率も低く、特に大学卒のホワイトカラーは売り手市場が継続。
・日系企業では、現地化推進の一環として現地採用日本人の募集が増加傾向。一方、日本経済が好調で、日本国内で海外経験者の採用需要が高まっていることや、香港内での長期的なキャリア形成が難しいことなどから帰国する日本人が増加しており、需給バランスが崩れている。日本や香港以外の国・地域からの日本人採用を検討する企業が増加。
・7-9月期は例年どおり、香港の求職者の動きは活発。10月以降は冬季の賞与支給前のため鈍化する見込みだが、回復の兆しを見せる金融業界などを中心に企業・求職者ともに一定の動きがあると思われる。

○転職事例:カスタマーサービス部門マネジメント(日本人人材)/米系・アパレルメーカー/30歳代/約800万円(年収)

 

インド共和国

インド企業で日系企業向け営業職の日本人ニーズあり。シンガポールとの併願や「第二新卒」でインドを目指す求職者も

・日系企業ではチェンナイやニムラナなど既存工業団地での新規工場立ち上げや、グジャラート州合弁企業の新プロジェクトに伴う動きあり。工場長候補や生産責任者などの経営層では日本人が、生産管理、品質管理、エンジニアなどでは現地人の求人が増加傾向
・日本人採用では、マネジメント候補者を対象に、現地採用→本社雇用に切り替える動きが引き続きある。現地人対象では、継続的にエンジニアや営業の求人が多い。
・地元企業や多国籍企業では、会計事務所、法律事務所、不動産紹介会社などで、日系企業向け営業人員としての日本人採用ニーズがある。採用難で未経験者を採用するケースも増えているため、9月より当社で入社前営業研修を開始。あるインド系不動産紹介会社では、この事前研修を経て入社した方が新規開拓営業として活躍中。
・日本人求職者の動きとして、シンガポールでの転職希望者がインドも候補に入れるケースが数件あった。シンガポールの就労ビザ発給引き締めが背景。日本で新卒入社した若手が「第二新卒」の転職先としてインドを視野に入れる動きあり。スピード感が魅力のようだ。

○転職事例:営業責任者(日本人人材)/日系・四輪、二輪関連部品メーカー/50歳代前半/約600万円 (年収)

 

インドネシア共和国

外資受け入れ政策は日系企業に追い風。日系企業現地化推進に伴い、営業職・インドネシア語取得者向け求人豊富

・インドネシア労働市場は、レバラン(断食明け大祭)に伴う手当支給後に転職者が増加するため、今年もレバラン明けの7、8月は、企業・求職者ともに活発な動きが出た。
・コマース・観光・製薬といった新分野での外資受け入れや、ディストリビューター・倉庫業の外資出資上限の大幅引き上げ政策は、日系企業の新規進出や事業拡大の追い風。一方、外国人の就労ビザ取得では、取得可能なポジションの明確化や、経歴とビザの整合性を確認する動きも出ており、採用活動では注意が必要。
・日系企業の日本人対象の求人では、営業やカスタマーサービス、かつ、現地に密着した業務が増加傾向にあり、インドネシア語能力を求める求人も増えている。業界別では監査法人・会計コンサルティング業界からのニーズも増え始めている。現地人対象の求人数は、営業、人事総務職を中心に堅調に推移。高度な日本語能力、もしくは、一定の日本語能力に加えて実務スキルを持つ求職者は需要が高く希少なため「売り手市場」。
・7,8月には夏休みに転職活動をする日本在住求職者や、大学卒業時期に合わせて東南アジア就職を希望する欧米大学卒業予定者からの問い合わせが増加。上記のとおり、営業職希望者やインドネシア語取得者には求人が豊富。

○転職事例:コーディネーター(日本人人材)/日系・物流/30歳代前半/420,000,000IDR(年収)

 

シンガポール共和国

日系企業の進出・事業拡大に伴い、日系中小コンサルが採用意欲旺盛。日本のマイナス金利導入でITは採用計画先送り

・シンガポール全体の新規雇用数は4-6月期と比べ減少。求人数の多い製造・金融の引き締めが影響。一方、ヘルスケア、バイオ医療、ITなど政府が推進する新分野では特定の先進企業を中心に求人数が伸びている。例えば、東南アジアでシェアが高い配車サービス企業が外資系企業の出資を受け急成長。当社からもシンガポール人経営幹部を複数名紹介し採用いただいた。
・日系企業の動向を業界別に見ると、金融:中堅・中小規模のコンサルティング・アドバイザリー企業で即戦力となる日本人の採用意欲が旺盛。日系企業の進出・事業拡大に伴うM&Aや、地域統括機能強化が背景。IT:SIerなどの採用計画が先延ばしになっている。日本のマイナス金利導入などにより、日系メガバンクの海外大規模ITシステム導入が鈍化した影響。製造:欠員補充の採用が中心で、採用活動は抑え気味。
・日系企業の日本人現地採用においては、金融やIT分野などの専門職か、就労ビザを新たに取得する必要がない永住権保有者や配偶者ビザを持つ人を対象とするアシスタント職(一般事務職、秘書)に二極化。専門性もしくは経験と、英語力がシビアに問われる状況が継続。

○転職事例:シニアアソシエイトコンサルタント(日本人人材)/日系・ M&Aアドバイザリー/30歳代半ば/約1,000万円(年収)

 

タイ王国

経営コンサルなどのハイスキル人材需要増加。シンガポールで人材獲得 → タイ出向 などで対応する動きあり

・タイの転職市場は引き続き落ち着いているが、都市鉄道やコンドミニアム建設がけん引し、建築業の採用は積極的。
・日系企業の現地人材採用動向は、依然投資が低調な製造業で中間管理職層~経営幹部層の求人数が減少傾向。結果として若手層の求人比率が増加。サービス業では幅広い層で求人が増加傾向。日本人採用では、経営コンサルタントなどのハイスキル人材の需要が増加。現地化推進やコスト低減のための駐在員からの置き換えや事業拡大に伴う動きだが、タイでの人材獲得が難しい場合も多く、シンガポールで採用しタイへの出向で対応するケースも出てきている。
・足もと(10月)では、年末の賞与支給を前に現地人求職者の転職活動は鈍化傾向。日本語話者や、英語が話せるITエンジニア人材は引き続き「売り手市場」。一般的に転職を繰り返してキャリアアップを図るタイでは、日経企業が求める人材は特に獲得が難しいため、採用のみならず定着も課題。
・10月中旬のプミポン国王崩御によるタイ経済および日系企業への影響は不透明だが、短期的には求職者の動きが鈍化する可能性がある。

○転職事例: Global Graphic Designer and Marketing Manager (現地人材)/日系・IT/30歳代/約715,000タイバーツ(年収)

 

ベトナム社会主義共和国

進出歴の浅い日系企業でベテラン日本人採用ニーズあり。日本人シニアの転職成功事例も

・7-9月期のベトナムの転職市場は、2016年内に退職予定の欠員補充や2017年の人員計画を見据えた動きを反映して、9月以降求人数がやや増加傾向にある。業界別では、引き続きIT業界で人手不足。不動産業界は、今後の市場拡大に向けて採用を増やしている。職種別では、物流・商社・製造などさまざまな業界で営業職のニーズが高まっている。
・日系企業の日本人を対象とした採用では、物流・製造・金融で若手募集に積極的。現地人採用は、幅広い業界で営業関連職(営業、営業アシスタントなど)の求人が多い。中堅・中小を中心に、日系企業のベトナム事業は引き続き進出フェーズにあり、いずれも、事業立ち上げや今後のベトナム事業拡大に向けた増員と考えられる。
・比較的新しいベトナム郊外の工業団地でも、進出した日系企業から工場管理や縫製技術者のニーズがある。経験やスキルを重視するため、日本人シニア層の転職成功事例も出始めた。
・年明けの旧正月(テト)を前に、企業・求職者の動きは鈍る可能性がある。

○転職事例:営業(日本人人材)/日系・製造/20歳代/約26,000アメリカドル(年収)

 

※本件の詳細はこちらよりご覧ください
中国・東南アジア・インドの求人・求職者動向レポート 2016年7~9月期(1 MB)
 

 

◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(株式会社リクルートホールディングス http://www.recruit.jp/ /10月31日発表・同社プレスリリースより転載)

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