若手外国人材から見た日本企業の特徴が明らかになりました
『日本は生活の場としての魅力は高いが、働く場としての魅力がない』
~「内なる国際化」研究会で対応策を議論します~(経済産業省)
経済産業省は外国人留学生・元留学生を対象とした、日本の労働環境に関するアンケートを実施しました。
アンケートによると、日本は生活の場としての魅力は高いが、働く場としての魅力がないと評価されており、それは日本型雇用と深く関わっていることが明らかになりました。
平成28年2月8日(月)に開催する第3回「内なる国際化」研究会においてこの問題を取り上げ、対応の方向性を議論します。
1.研究会の目的
高度外国人材の受入れは、外国人材がもたらす価値観や情報、スキルの多様性によるイノベーションの創出等、日本企業の競争力強化に資すると考えられます。
将来にわたり日本の産業競争力を維持するためには、外国人材を惹きつける国内制度・生活環境や、外国人材の能力を活用する労働環境づくりが求められます。
これらについて、有識者による議論を通じて、官民がなすべきことを明らかにします。
日本への留学生・元留学生による、日本の生活及び就労の魅力度の評価
2.経過報告
(1)これまでの研究会における議論と調査で以下の課題が判明しています。
外国人留学生・元留学生に対するアンケートによると、日本は生活の場としては魅力的だが、働く場としては魅力がないと評価されています。
日本の大学学部・修士課程から就職を希望する留学生(約7割)のうち、実際に日本で就職する学生は約4割(全体の約3割)にとどまります。
その理由の一つには、外国人留学生の約8割が就職先として大企業を希望しており、グローバル人材を必要としている中堅・中小企業へあまり目が向いかないというミスマッチがあります。
また、就職活動をする留学生にとって、入社後の仕事内容が明確にされないまま短期間で行われる新卒一括採用や、入社後のキャリアパスの不透明さ、若手の昇進が遅い年功序列制度など、日本型雇用独特の要素が、就職を阻んでいる面もあります。
(2)企業へのヒアリング調査によると、外国人材を受け入れる企業には、通年採用の実施、年功制の廃止、職務範囲やキャリアパスの明確化といった変革に取り組んでいる企業があります。
また、中堅・中小企業の中には、経営者のリーダーシップで大胆な人材登用を行うなど、外国人材を有効に活用している企業もあります。
(3)他方、今回の調査では、日本に住むことの魅力が高い一方で、制度・生活環境面においては、入国管理制度や外国人子弟の教育環境、社会システムの多言語化などの改善点も指摘されています。
3.今後の予定等
上記2.(2)のような取り組みがある一方で、人事機能や抜本的な制度改革に取り組む企業は少なく、企業の更なる改革を後押しするため、第3回研究会では国が実行すべき環境整備について議論し、今後3月中に、報告書をとりまとめる予定です。
<第3回研究会>
日時:平成28年2月8日(月)10:00~12:00
場所:経済産業省本館17階第2特別会議室
※委員各位による率直かつ自由な意見交換を確保する必要があることから、研究会は非公開となります。
担当:貿易経済協力局技術協力課
発表資料:
若手外国人材から見た日本企業の特徴が明らかになりました~「内なる国際化」研究会で対応策を議論します~(PDF形式:582KB)
◆ 発表資料の詳細はこちらをご覧ください。
(経済産業省 http://www.meti.go.jp/ / 2月5日発表・報道発表より転載)