【ヨミ】デザインシコウ デザイン思考
「デザイン思考」とは、建築や服飾、広告などの分野でデザインを行うプロセスや思考方法をビジネスに転用したものです。具体的には、人々のニーズを課題に落とし込み、そこから生まれたアイデアをもとにプロトタイプを作成。顧客やユーザーにテストを行いながらブラッシュアップしていくことで、課題解決を目指します。昨今、経営やマーケティングなど、あらゆる分野で活用されている思考のフレームワークです。
デザイン思考のケーススタディ
なぜ今デザイン思考なのか?
社会構造から見る思考プロセスの変化
ビジネスシーンにおいて、なぜ今、デザイン思考が必要とされているのでしょうか。その理由が、経済環境と産業構造の変化です。「VUCA(ブーカ)」という言葉をご存じの方も多いでしょう。Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という四つのキーワードの頭文字を取った言葉で、経営や個人のキャリアを取り巻く環境を示しています。現代は、この「正解がない」環境の中で、ビジネスを行うことが求められる時代なのです。
また、近年はインターネットや流通網が大きく進化しています。インターネットが普及する以前、製品に関する情報が少ない中では、新しい製品が世に出れば多くの人がそれを買い求めました。また、目の前で売られている製品を、疑問を持たずに手に取る人が多くいました。しかし、一人一台スマートフォンを持つようになった現代、私たちは世の中にはあふれるさまざまな商品・サービスの情報を得ることができます。さらに流通が進化したことで、離れた場所で生産された製品でもすぐに手元に届くようになりました。たくさんあるモノの中から、消費者が欲しいものだけを選び取る時代になったのです。
過去のビジネスは企業にユーザーがついていくかたちだったのに対し、現在は企業がユーザーの動きに狙いを定める必要が出てきました。さらに、多くのサービス・製品が溢れる中で、企業にはすでに顕在化しているニーズだけでなく、潜在的なニーズにこたえることが求められています。消費者自身もまだ気が付いていない生活の不便さや、言語化できていないモヤモヤを先回りして探り、解決するには、これまで通りの方法では難しいでしょう。そのため、今、ユーザーの視点から考えるデザイン思考のプロセスが求められているのです。

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