35歳限界説
35歳限界説とは?
「35歳限界説」とは、35歳を機に転職成功率が下がるという、転職市場での定説のこと。特に未経験の職種や業種の場合、35歳を超えてから転職することは難しいと言われます。企業側が他の企業の色に染まっていない、20代の人材を求めていることが多いからです。しかし最近では、この通説を打ち破るようなデータや動向もあり、“転職の常識”に変化の兆しが見えはじめています。
人生100年時代。70、80歳まで働く時代がやってくる
もう「35歳が限界」と言っていられない
従業員の募集・採用において、企業が年齢により応募資格に制限を設けることは原則として禁止されています。しかし、転職情報サイトには「若年層の長期キャリア形成を図るため」といった注釈とともに、実質的な年齢制限が設けられているケースが多く見られます。間口は広げながらも、採用チームの中で一定の年齢以上は対象外とする暗黙のルールが存在している企業も多いようです。
転職志望者側の中でも「35歳限界説」は根強く、20代後半~30代前半になると、これからの自分のキャリアについて考えを巡らせ、「30歳を契機に転職を」と考える人も少なくありません。
しかし、ここへきて「35歳限界説」の崩壊がささやかれています。パーソルキャリアが運営する転職サービス『DODA』が、2018年に発表したエージェントサービス利用者の転職年齢の調査では、10年前と比較して平均転職年齢が3歳上昇。2007年下半期の平均年齢は29.1歳だったのに対し、2017年下半期には32.1歳となっています。年齢別の内訳を見ても、「35~39歳」の割合は5.1ポイント上がり、「40歳以上」に関しては12.6ポイントの伸びをみせるなど、ミドル層の転職が増加していることが分かります。
理由としては、人材獲得競争の激化により若年層の採用が難しくなっており、年齢によるフィルタリングが緩和傾向にあること。また、技術の発展や業界の境界が曖昧になっているため、社内にはない経験を持つ即戦力の需要が高まっていることなどが挙げられます。社会全体が大きく変化し、これまでの常識ややり方が通用しなくなっている今、中途採用にも多様性が求められているのです。
「人生100年時代」の到来により、今後は定年退職の年齢が70歳、80歳になる可能性があります。企業も個人も年齢に対する先入観を捨て、経験や能力を重視した採用へと変化していくことが求められているのかもしれません。
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