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【ヨミ】ブーカ VUCA

「VUCA」とは、Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をつなぎ合わせた造語で、これら四つの要因により、現在の社会経済環境がきわめて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表す言葉です。もともとは1990年代のアメリカで冷戦終結後の複雑化した国際情勢を意味する軍事用語として使われ始め、2010年代には経営やマネジメントの文脈においてもとりあげられるようになりました。今年1月に各国の要人を集めて開催された世界経済フォーラム(通称ダボス会議)でも、世界の現状を指す「VUCAワールド」というキーワードが盛んに使われました。想定外の事象が次々と発生するVUCAの時代を、個人と組織が生き抜くための人材論・組織論にも注目が集まっています。
(2016/12/12掲載)

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VUCAのケーススタディ

意思決定にAI導入!? スピード経営で生き残り
“想定外を想定”するマインドが人と組織を強化

日立製作所では、2、3年後の実用化をめどに、企業の経営判断などの意思決定をアシストするAI(人工知能)システムの開発を進めています。例えば「東南アジア市場に参入すべきか」といった質問を入力すると、システムが約1000万件の関連情報を自動で収集・解析し、最も成功確率の高い解とその根拠を導き出してくれます。その間、なんと約80秒。CEOや経営陣が果たす機能の多くを、人工知能が代替できるようになる時代は目前に迫っているのかもしれません。実際、先進企業ではすでに、経営判断とまではいかないまでも、現場レベルのさまざまな意思決定をAIに任せようという動きが進んでいます。その背景の一つとして注目されるのが、「VUCA」の時代の到来です。

突発的な変動(Volatility)が多く、不確実(Uncertainty)で、複雑(Complexity)かつ曖昧(Ambiguity)なVUCAの時代には、入念にシミュレーションしても、想定を超える事態が次々と発生します。環境変化は予測不能であり、企業も個人も、臨機応変に対応することしかできません。だからこそ、求められるのは“即断即決”。先入観も思い込みもないAIを使って、客観的な意思決定を自動化することができれば、VUCAなビジネス環境に適応するための有力なツールとなることは間違いないでしょう。現場レベルの判断一つひとつに、従来型の合議制で時間を費やしている余裕はないのですから。

検討に検討を重ねるのではなく、アイデアがあれば即実行。見込みがあれば突き進み、なければ朝令暮改で撤退する──。VUCAの時代を生き残れるのは、そうしたスピード経営を極めた企業だけであるとする識者は少なくありません。即断即決型の強い組織を構築するためには、自分で考えて行動する主体性や自律性、変化を恐れず、むしろ変化を楽しみ、新しい挑戦と捉えられる好奇心やチャレンジ精神の旺盛な人材が求められます。また、テロや災害、海外の政情不安など、予期せぬ事件・事故も「起こって当然」と考え、そうした環境要因を、決して失敗や対応の遅れの言い訳にしない。“想定外を想定する”心構えこそ、VUCA時代の人と組織に必須のマインドと言えるでしょう。

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