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【ヨミ】クロスアポイントメントセイド クロスアポイントメント制度

「クロスアポイントメント制度」とは、研究者が大学、公的研究機関、民間企業のうち、二つ以上の組織と雇用契約を結び、一定の勤務割合の下で、それぞれの組織における役割分担や指揮命令系統に従いつつ、研究・開発および教育などの業務に従事することを可能にする制度です。各機関が研究者の給与を分担して雇用することから、「混合給与制度」とも言われます。昨年6月に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2014」や「科学技術イノベーション総合戦略2014」などにおいても、クロスアポイントメント制度の積極的な導入・活用が盛り込まれました。
(2015/11/11掲載)

クロスアポイントメント制度のケーススタディ

研究者の“兼業”は技術の橋渡しを促すか
産・官・学が勤務割合に応じて給与を分担

新たな発想や創意工夫でイノベーションを起こすためには、研究・開発人材の流動化が欠かせません。優れた研究者が、大学や公的研究機関、企業等の壁にとらわれず、複数の組織において活躍できる環境を整備できれば、大学や公的研究機関などから民間企業へ、技術シーズの円滑な“橋渡し”を促し、事業化する上できわめて大きなアドバンテージをもたらします。そのために必要な仕組みとして、近年注目を集めているのが「クロスアポイントメント制度」。大学、公的研究機関、企業のうち二つ以上の機関が、優れた人材と雇用契約を結び、一定のエフォート(勤務割合)管理の下で給与を分担しながら、研究・開発および教育などのプロジェクトにその能力を活用することが可能になる制度です。

欧米では、たとえば9ヵ月分の給与を大学から得る一方で、夏期の3ヵ月間を別の研究機関で業務に従事する研究者が珍しくなく、高額収入を得る機会にもなっています。両者が年俸制を導入すれば、勤務割合や給与分担をそういった形に設定することができるわけです。クロスアポイントメント制度そのものは、日本にも以前からありましたが、従来は二つの機関を兼ねる場合、どちらか一方とのみ雇用契約を結び、もう一方は非常勤にするのが一般的でした。しかし、2015年4月から国の制度として新しく導入された仕組みでは、研究者は両方の機関と雇用契約を締結し、両方の身分を有することになります。しかも、大学と公的研究機関との間の兼務だけではなく、民間企業や海外の組織などとも契約し、活躍と交流の場を広げることができるようになりました。

複数の機関で働く際の勤務割合は、5対5でも1対9でも、あるいは9対1でもかまいません。仮に、大学教授が5対5の従事率で企業の研究職を兼務すれば、半分は民間の人材ですから、産・学の垣根はおのずと低くなり、イノベーションにつながる技術の橋渡し機能も大幅に強化されることが期待されます。実施にあたっては、複数機関の間でクロスアポイントメントに係る身分、業務内容、給与などの取り扱いについて協定を締結。医療保険や年金など、各種法制度との関係にも留意が必要です。留意点については、所管官庁である経済産業省がそのポイントを整理した「クロスアポイントメント制度の基本的枠組と留意点」を参考にしてください。

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