企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】オールド ボーイズ ネットワーク オールド・ボーイズ・ネットワーク

伝統的に男性中心社会であった企業コミュニティーには、それぞれの組織内で培われてきた独特の文化や雰囲気、しきたりがありますが、それらは決して明文化されることなく、マジョリティーである男性メンバーの間で暗黙のうちに築かれ、共有、伝承されているのが普通です。この排他的で非公式な人間関係や組織構造を指して「オールド・ボーイズ・ネットワーク」と呼びます。社内派閥や飲み仲間、業界の勉強会、経営者の親睦団体などネットワークの形態はさまざま。男性がこうした人脈を通じて情報交換をしたり、ときに仕事上の便宜を図ったりしているのに対し、女性はほとんどの場合ネットワークからはずれているため、組織の文化や暗黙のルールも伝わりにくいといわれます。
(2013/3/11掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

オールド・ボーイズ・ネットワークのケーススタディ

女性活用を阻害する男社会の見えない絆
女性も積極的にネットワークの構築を

働く女性向けの月刊誌『日経ウーマン』がまとめた「企業の女性活用度調査」によると、2012年は前年に続き、日本IBMが“女性が活躍する会社”NO.1に輝きました。女性活用をはじめとするダイバーシティマネジメントを、同社が経営戦略として本格的に導入しはじめたのは1998年から。当時、日本企業の中で、同社の女性管理職登用数はすでにトップでした。しかしそれでも女性社員の割合はわずか13%、入社後5年以内の女性の離職率は男性の2倍に達し、管理職比率は男性の1/8に過ぎない――こうした実態は、IBMグループ全体の基準でみると最下位だったのです。

そこで社内に女性社員の能力活用に関する諮問機関「ウイメンズ・カウンシル」を立ち上げて、調査したところ、女性のキャリアアップを阻害する次の三つの理由が浮き彫りになりました。ひとつは社内に目指すべきロールモデルがいないため、自分の将来像が見えにくいこと。二つ目はワーク・ライフ・バランスの問題。そしてもうひとつ、阻害要因に挙げられたのが「オールド・ボーイズ・ネットワーク」の存在でした。

日本IBM初の女性取締役としてウイメンズ・カウンシルを指揮し、現在は日本企業のダイバーシティ推進に尽力するNPO法人J‐Win(ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク)の内永ゆか子理事長は、かつてこんな経験をしたといいます。ミーティングに参加すると、男性社員の議論を聞いていても、何について話し合っているのかよくわからない。曖昧なまま議論が進行しているように感じて、最後に「結局、今日は何が決まったんですか」と尋ねると、そのたびに男性たちから嫌な顔をされたというのです。実はそうした会議は“顔合わせ”の意味合いが強く、何かを決定するための議論の場ではありませんでした。それが男性陣にとっては暗黙の了解であったことを、内永さんは後になって知ったのです。

いわゆるその場の“空気”や組織内の暗黙のしきたりにそぐわない言動をとった場合、男性の新入社員であれば、アフターファイブの飲み会などで上司や先輩から気軽に教えてもらえるでしょう。しかし女性にはそうした機会が少ないため、男性中心社会で培われた男性独特の組織文化についていけなくなるわけです。

女性社員がこの「オールド・ボーイズ・ネットワーク」の障壁を乗り越えるためには、企業側のダイバーシティ推進に頼るだけでなく、自らも男女を問わずネットワークを重視し、組織内のキーパーソンとの人脈を積極的につくるなど、女性自身の意識改革が必要と内永さんは述べています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

ガラスの崖
「ガラスの崖」(glass cliff)とは、2004年に英エクセター大学のミシェル・ライアン教授とアレックス・ハスラム教授が提唱した造語で、「ガラスの断崖」「ガラスの崖っぷち」とも訳されます。業績が低迷し、危機的な状況にある企業では、男性よりも女性が、リーダー的な役職や幹部に起用される傾向にある...
女性活躍推進法
「女性活躍推進法」とは、2015年8月28日に国会で可決成立した新法――「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の通称です。同法は、女性が職業生活でその希望に応じて、十分に能力を発揮し、活躍できる環境を整備するために制定されました。これにより、従業員301人以上の企業は来年の4月1日までに、...
アンコンシャス・バイアス
「アンコンシャス・バイアス」とは、日本語で「無意識の偏見」「無意識の思い込み」と訳される概念、自分自身が気づいていないものの見方や捉え方のゆがみ・偏りを表します。瞬間的かつ無意識的に生じる知的連想プロセスの一種であり、過去の経験や習慣、周囲の環境などから身につくものです。「男性は運転がうまい」「若い...

関連する記事

女性活躍推進の重要性が叫ばれる現在も、変わらず求められるのは 「トップやマネジメント層の理解」と「女性社員の意識改革」 ~「女性管理職3割以上」時代に向けて実態を調査~
昨今、女性管理職の登用を推進する企業が増えています。企業の現状はどうなっているのかを知るために、「女性管理職に期待していること」「活躍している女性管理職のタイプ」「女性管理職を増やすための取組み」の三項目について聞きました。
2014/10/01掲載編集部注目レポート
辛淑玉さん 女性を活用できない企業は潰れる
男女均等処遇の取り組みが始まって久しいのに、それが必ずしも現場に深く浸透していかないのは、どうしてなのか。女性が働きやすい職場環境をつくっていくために、企業がしなければならないことは何か。人権や男女差別の問題に詳しい人材育成コンサルタントの辛淑玉さんにうかがい...
2005/01/24掲載キーパーソンが語る“人と組織”
管理職のコミュニケーション能力を高める!ソリューション特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ


管理職のコミュニケーション能力を高める!ソリューション特集

今求められるコミュニケーション能力・マネジメント能力とは


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


いま考えるべき人事の「未来像」 <br />
~新しい時代における人事の存在意義とは~

いま考えるべき人事の「未来像」
~新しい時代における人事の存在意義とは~

グローバリゼーションやテクノロジーの急激な進化により、いま世界は大きく...