企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】シュウロウケイゾクシエンエービーガタジギョウショ 就労継続支援A・B型事業所

「就労継続支援事業所」とは、障がい者自立支援法に基づく就労継続支援のための施設。一般企業への就職が困難な障がい者に就労機会を提供するとともに、生産活動を通じて、その知識と能力の向上に必要な訓練などの障がい福祉サービスを供与することを目的としています。同事業所の形態にはA、B二種類あり、「A型」は障がい者と雇用契約を結び、原則として最低賃金を保障するしくみの“雇用型”。「B型」は契約を結ばず、利用者が比較的自由に働ける“非雇用型”です。
(2011/9/26掲載)

就労継続支援A・B型事業所のケーススタディ

一般就労が困難な障がい者の働き場所
最低賃金の保障や社会保険の加入も

厚生労働省がまとめた2010年6月1日時点の障がい者雇用状況の集計結果によると、民間企業(従業員56人以上規模)に雇用されている障がい者の数は前年比3.1%増の34万2973.5人、実雇用率は同0.05%増の1.68%で、いずれも過去最高となりました。1.8%以上の法定雇用率を達成した企業の割合は47.0%。未達成企業に対する指導の強化などの効果が表れ始めたのか、前年を1.5%上回りはしましたが、過半数の企業が未達成であるという状況に変わりはありません。東日本大震災以降の雇用悪化を考えれば、直近の数字はむしろ落ち込んでいると見るのが妥当でしょう。

そもそも雇用総数や雇用率といったデータからは、障がい者の職場への定着状況や働きぶりまでは読み取れません。自ら一般企業などでの就労を希望し、教育や訓練を受けて雇用されても、実際は仕事についていけなかったり、職場で人間関係を築けなかったりして、離職を繰り返す障がい者は少なくありません。そうした人も含め、通常の事業所の雇用に結びつきにくい障がい者を対象に就労支援サービスを実施・提供するのが「就労継続支援A・B型事業所」の設置目的です。

A型(雇用型)はおもに養護学校卒業者や離職した人を対象に、雇用契約に基づいて、働きながら一般就労も目指す事業です。指定を受ければ、事業所としての位置付けは一般企業とほぼ変わりません。賃金体系や労働法規は厳格に適用され、社会保険の加入も義務付けられます。事業者には補助金が支給され、その財源は国が1/2、都道府県と市町村が1/4ずつ負担します。指定の申請には事業計画や収支見込み、職員の配置や作業場の間取りなどの書類が必要です。

一方、B型(非雇用型)は、年齢や体力面の理由で一般就労が困難な人などを対象に、雇用契約は結ばず、就労機会の提供を提供する事業です。賃金体系や労働法規に関しては法令の適用外なので、事業者は原則として作業工賃を分配すればいいわけですが、不当な低賃金でトラブルが多発していることから、指定にあたっては工賃の目標額を事業所ごとに定め、その引き上げを図ることとしています。

06年に障害者自立支援法が施行されるまでは、社会福祉法に基づく「法定授産施設」や自治体の定めた要綱に基づく「心身障害者小規模授産施設」などが同様の役割を担っていました。同法施行後、各授産施設は利用者の働き方に応じて、就労継続支援事業所などに順次移行しています。厚労省の調査によると、09年9月時点でA型の事業所は全国に321ヵ所、B型は2,851ヵ所が指定されています。

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

特例子会社
特例子会社とは、企業が障がい者の雇用を促進する目的でつくる子会社のこと。障がい者雇用促進法は従業員56名以上の民間企業に対して、全従業員の1.8%以上は障がい者を雇うよう義務づけていますが、特例として、事業者が障がい者のために特別に配慮した子会社を設立し、一定の要件を満たした上で厚生労働大臣の認可...
障害者雇用促進法
「障害者雇用促進法」とは、正式名称を「障害者の雇用の促進等に関する法律」と言い、障がい者の雇用義務に基づく雇用の促進などのための措置、職業リハビリテーションの措置などを通じて、障がい者の職業の安定を図ることを目的とする法律です。同法では、一定規模以上の企業に対し、法定雇用率とよばれる一定比率以上の割...
エンプロイメンタビリティ
「エンプロイメンタビリティ」(employmentability)とは、「企業の雇用能力」を意味する用語です。雇用される側からみて魅力的な企業か、継続的に雇用されたいかといった価値に関する概念で、雇用主としての能力や優秀な人材をひきつける吸引力を表します。単に高報酬を保障できればいいということでは...

関連する記事

外国人を雇用している企業は過半数、「さらに増やす」「今後雇用する」企業も半数近くに
人事担当者に外国人の雇用状況について聞いたところ、現在雇用している企業は過半数で、「さらに増やす」「今後雇用する」企業も半数近くであることがわかった。
2019/08/20掲載人事白書 調査レポート
障がい者雇用率2.5%以上の企業は16.4% 今後の雇用には前向き
障がい者雇用率について聞きました。多かったのは、「0.5%未満」(23.3%)と「2%以上2.5%未満」(22.8%)の二つです。以下、「1.5%以上2%未満」(11.6%)、「2.5%以上3%未満」(9.5%)、「3%以上」(6.9%)、「1%以上1.5%未...
2020/11/24掲載人事白書 調査レポート
「障がい者雇用」をめぐる最新動向と採用&労務管理上のポイント
本記事では、社会保険労務士の松山 純子氏が、「障がい者雇用」をめぐる現在の状況や採用方法、法定雇用率引上げに対する企業の対応などについて、詳しく解説します。
2013/05/20掲載人事・労務関連コラム

関連するQ&A

障害者の雇用
障害者を雇用する際の留意点を教えて下さい。 また、助成金などについても併せて教えて下さい。 当社は、小売業です。 現在、雇用率0.6%です。
定年再雇用の勤務時間について
対象者から週5日9:00~16:00の時間帯での勤務希望が出て来たのですが、週5日9:00~17:30の時間帯であれば再雇用は出来るが、そうでなければ再雇用出来ないと言う事は可能ですか?宜しくお願い致します。
外国人労働者の雇用について
外国人の方を雇い入れる際の注意事項を教えてください。 また、正社員雇用に限らずアルバイトの雇用の際も同様となるのでしょうか?
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 雇用 ]
分類:[ 就業管理 ]

注目のキーワード解説をメールマガジンでお届け。

Withコロナ時代は社内研修をオンライン化! 「よくわかる人事労務の法改正」ガイドブック無料ダウンロード

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


いま、なぜ「ビジネスマナー」が求められるのか?<br />
~「型」を覚えることが人を成長させる

いま、なぜ「ビジネスマナー」が求められるのか?
~「型」を覚えることが人を成長させる

近年、若い人の言葉遣いや立ち振る舞いに対して、「違和感」を覚えることが...


「働き方改革」実現を目指した “知の交流”<br />
「TOKYO働き方改革宣言企業」交流会

「働き方改革」実現を目指した “知の交流”
「TOKYO働き方改革宣言企業」交流会

今や「働き方改革」は、企業にとって最も重要な課題の一つとなっている。多...