企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】シツモンカイギ 質問会議

「質問会議」とは、参加者らが意見を言い合うのではなく、問題に関する質問とその応答のみでやりとりを進め、問題の解決策を探っていく会議術のことです。実際の問題解決を通じて個人や組織の学習する力を養成する「アクションラーニング」の研究から生まれた、対話型コミュニケーションにもとづく手法で、ボトムアップ型の問題解決に向いているとされます。
(2011/1/17掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

質問会議のケーススタディ

参加者全員に気づきと納得感をもたらす
“意見”をいってはいけない会議

会議で導き出された結論がどれだけ的確でも、それが実際の問題解決に結びつかない例は意外と少なくありません。マネジャーやベテラン社員など権限の強いメンバーが結論を誘導する“一方通行”の会議になって、他の出席者が当事者意識を持てないケースです。解決策自体は正しくても、会議で蚊帳の外に置かれたメンバーにとっては、押しつけ感ややらされ感が強く腹に落ちないため、現場での実行につながりにくいのです。

そこで注目されるのが「質問会議」。質疑応答だけで進行し、問題の解決策を得るこの会議法は、NPO法人日本アクションラーニング協会(東京・港区)代表の清宮普美代氏によって提唱されました。標準的な会議の進め方やルールは以下のとおりです。

 参加者の適正人数は4~8人。会議では「問題提示者」が中心となり、他のメンバーは質問役に徹します。またファシリテーターとしてアクションラーニング(AL)コーチが1人参加します。問題提示者は、解決したい問題の内容を簡潔に説明します。たとえば「部下が主体的に仕事に取り組もうとしない」といった問題が提示されたとすると、他の参加者はこれに対して、「その部下とコミュニケーションをとる頻度は1日にどれくらいですか?」「これまでにどういうアドバイスをしましたか?」といった質問をして、問題提示者が回答するというやりとりを繰り返します。建設的でない質問や質問以外の意見、尋問、詰問、糾弾などは禁止。そういう発言に対してはALコーチが目を光らせ、必要があれば介入し、会議がルール通りに進行されるように促します。

質問がひと通り出たら、ALコーチが質疑応答の「振り返り」を要求し、問題提示者はその場で、問題の本質がどこにあるのかを整理する「問題の再定義」を行います。〈質疑応答→振り返り→問題の再定義〉というプロセスを経ることで、問題提示者を含む参加者全員に、深い内省と気づきが生まれやすくなるのです。そして再定義された問題に対し、解決のための目標を設定し、行動計画を立てるなどして会議は終わります。

質問会議では「平等、尊重、傾聴」が鉄則。“声の大きさ”に関係なく、誰にでも発言機会が均等にあるため、決定事項に対する納得感も高まりやすくなります。すでにトヨタ自動車、キリンビール、富士ゼロックス、NEC、日本ベーリンガーインゲルハイムなどの大手企業で導入され、問題解決やモチベーションアップに効果を上げています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

立ち会議
「立ち会議」とは、文字どおり、参加者が立って行う短時間の会議や打ち合わせのこと。「スタンディング会議」「スタンドアップ・ミーティング」とも呼ばれます。あらかじめ会議室などを確保してメンバーを招集するやり方ではなく、必要な関係者が必要に応じてオフィスの一角に集まり、起立したまま時間を区切って、必要な要...
ファシリテーション
「ファシリテーション」(facilitation)とは、集団や組織において、対立しがちで相互理解や合意形成の難しい問題の解決を支援し、参加者の協働や活性化を促すことにより、事がうまく運ぶように舵取りをすることをいいます。狭義には「会議を効果的・効率的に運営するための働きかけ」と解釈され、ビジネスシー...
アクションラーニング
アクションラーニングとは、現実に起きている課題を題材に、グループディスカッションを通じて解決策を考え、そのプランの実施とリフレクション(内省)により、個人やグループ・組織が学習するプロセスをいいます。

関連する記事

「人口減少」と「団塊の世代の大量定年」は、企業の人事戦略にどのような影響を与えるか?
国立社会保障・人口問題研究所の2002年1月の推計では、日本の総人口は「2006年をピークに減少していく」と見込まれています。しかし昨年8月に発表された厚生労働省の「人口動態推計」(2005年上半期)では、統計開始以来、初めて減少を示し、もうすでに日本の人口が...
2006/03/13掲載人事・労務実態調査
8割を超える企業が「戦略人事」の重要性を認識しているが、実践できている企業は3割に満たない
「戦略人事」が重要であるかを聞いたところ、「当てはまる」(54.5%)、「どちらかというと当てはまる」(30.3%)を合わせて84.8%と、8割を超える企業が戦略人事の重要性を認識している。一方実践できているかどうかを聞いたところ、「当てはまる」は7.3%と少...
2019/07/08掲載人事白書 調査レポート
9割近くの企業が「戦略人事」の重要性を認識しているが、実際に「戦略人事」として機能できている企業は約3割
9割近くが「戦略人事」の重要性を認識。市況よりも良い企業では、「当てはまる」が68.9%に。「戦略人事」を実践できている企業は31.6%にとどまる。戦略人事が機能していない理由は「人事部門のリソースの問題」が54.6%と過半数。
2018/07/12掲載人事白書 調査レポート

関連するQ&A

管理職適性検査で
先日、社内で100名ほど適性検査を行いました。結果が思わしくなかった者はまた来年受検なのですが、次回のために個人で問題を購入しようとしている人がいるのです。問題のタイトルを覚えていて、ネットで簡単に買えるからと・・・お恥ずかしい話ですが、本人を説得しましたが止めても聞きそうにありません。本当にこれを...
1日の勤務のあり方について
1日の勤務のあり方について質問します。 朝9時に出勤し12時まで勤務。一旦、開放され16時から21時まで再度勤務するというような勤務は法的に何か問題がありますか。 問題がある場合、回避する方法はありますか。 問題がない場合、何か配慮することはありますか。
派遣労働者・2009年問題に関するセミナー
「派遣労働者・2009年問題」に関する既設セミナーもしくはセミナー講師を探しています。
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
人事・労務のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

「エンゲージメント」を高めるためのポイントやソリューション

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

POSITIVE最新版にAI搭載

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


次世代リーダー育成特集

さまざまな取り組み方がある「リーダーシップ育成」について手法や外部ソリューションをご紹介します。
コンテンツトップバナー



「エンゲージメント 」を高めるソリューション特集

「従業員エンゲージメント」を高めるために押さえておきたいポイントや具体的な施策、ソリューションをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


優秀な人材の流出を未然に防ぐ ~リテンション・マネジメントの最新技術とは~

優秀な人材の流出を未然に防ぐ ~リテンション・マネジメントの最新技術とは~

「日本は雇用の流動性が低い」とよく言われます。「流動性が低いことは問題...