企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】タメンヒョウカセイド 多面評価制度

人事評価の制度をより高めるために、上司だけでなく部下や同僚、顧客など複数の方位から評価を行う制度です。上司から部下への一方的な視点に立つのではなく、あらゆる方向からの評価であるため「360度評価」とも言われます。すでに一般の企業の1割以上で導入されており、今後もさらに広がりそうです。
(2004/12/6掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

多面評価制度のケーススタディ

実施方法は企業によって各社各様
評価者の選び方が重要なポイント

多面評価制度の実施方法は企業によってさまざまです。被評価者(対象者)1人に対して評価者が2人の場合もあれば、10人以上という場合もあります。また、被評価者の所属組織によって評価者数が増減する場合も少なくありません。たとえば2003年度から管理職層1万人を対象に「360度フィードバックプログラム」を導入している総合電機の日立製作所の場合、評価を行う上司、同僚、部下、後輩は7人以上10人以下を目安にしています。評価者を人事部が選んだり、質問項目や集計業務を専門業者に委託したりしているケースもあります。

評価する仕組みも企業によって各社各様です。オフィスサプライ大手のコクヨは、32項目を5段階で評価。項目の評価はコンピテンシー評価をベースに設定しています。一方、日立製作所は80項目の行動特性を5段階、16項目の必要とされる能力を7段階で評価する仕組みです。被評価者の強みや弱み、改善してほしい点などを自由に記入させるコメント欄を設けている企業もあります。

評価結果をどのように活用するかは、多面評価の実施目的によって違ってきます。昇進・昇格や賞与算定に反映させる企業が最も多いようです。そうした企業では、評価が低いと昇格を見送ったり、降格させたりするケースもめずらしくありません。一方、評価結果を人事考課にまったく反映させず、本人に「気付き」の機会を与え、能力開発や自己開発に活用しようとしている企業も増えています。後者の場合、結果を本人にしか明かさず、人事考課などに影響しないように、上司に見せないようにしているところもあるようです。

多面評価を実施する本来の目的は、あくまで人事評価の公正性・客観性の確保や人材育成にあります。そのために最も重要とされるのは、評価者の選定です。偏った人選を行うと偏ったデータになる可能性があるからです。被評価者と仕事上のかかわりが少ない人を選べば、有用な情報が得られない場合も少なくありません。誰に評価してもらうかを被評価者本人が決めている企業もあるようですが、本人に都合のよい人ばかりだと恣意的な評価に陥りやすいので、注意する必要があります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

水平的評価
上司が部下に評価を下す「垂直的評価」に対して、同等の組織階層に属する従業員相互が評価者、被評価者となって評価しあうことを「水平的評価」と呼びます。この手法を考課方式として単独で用いることは少なく、導入している企業などではあくまでも垂直的評価を補完するために、一人の被評価者を直属の上司だけでなく複数...
360度評価
パフォーマンスの高い組織をつくるスキームには、さまざまなものがあります。中でも、社員のモチベーションを高め、個々の人材が持つ能力を最大限に引き出す評価制度の設計は、人事担当者の腕の見せ所といってよいでしょう。従来採用されてきた上司から部下への一方向の評価体制の欠点を補う手法として、いま浸透しつつある...
垂直的評価
「垂直的評価」とは、上司と部下というタテの関係の中で行われる人事評価のことです。定義としては「部下が上司を評価する」意味も含まれますが、一般的には「上司が部下を評価する」ことを指します。多くの企業では、日常的・直接的に部下の指導監督にあたる直属の上司を第一次考課者として、一次考課者の監督者を第二次...

関連する記事

評価制度の実際
人事制度の方針を決定する上で重要な役割を持つ「評価制度」。その意義・目的と運用のポイントについて紹介する。
2017/06/30掲載よくわかる講座
人事評価への納得性を高めるための 目標設定・フィードバック面接と運用法
目標管理制度を導入する企業で、上司の評価と自己の評価の間にギャップを生じ、フィードバック面接などで不満を示す社員が増えているようです。本記事では、こうした問題を解消するための対策について、具体的な事例とともに、紹介します。
2012/03/19掲載人事・労務関連コラム
松井証券株式会社 社員の主体性が「人事評価」を決める
昨今は日本的な終身雇用や年功序列などを見直し、個人の能力や成果による評価を重視する企業も少なくない。社員の働く意欲をどのように高め、どう評価するかが今後重要なポイントとなってくるだろう。「年俸制」と「360度評価」を導入し、年齢に関係なく活躍できる仕組み作りを...
2007/02/19掲載となりの人事部

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

イクメン企業アワード2019エントリー募集中

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


2015年9月施行予定の「改正労働者派遣法」の狙いは何か?<br />
 改正により派遣先企業に求められる対応を考える

2015年9月施行予定の「改正労働者派遣法」の狙いは何か?
改正により派遣先企業に求められる対応を考える

2015年9月施行予定の「改正労働者派遣法」により、これまでの派遣労働...


帝人が実施した「睡眠力向上」のための実証実験結果を公開<br />
~実験結果から見えてきた企業の「休み方改革」とは~

帝人が実施した「睡眠力向上」のための実証実験結果を公開
~実験結果から見えてきた企業の「休み方改革」とは~

働き方改革と相まって話題になっている「健康経営」ですが、従業員の健康を...