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【ヨミ】アセスメントセンター アセスメントセンター

アセスメントセンター(assessment center)とは、実際の職務場面において個人の資質や能力がどのように発揮されるかを多面的・客観的に測定し、把握する人事アセスメント手法の一種です。アセスメントセンター方式とも呼ばれ、測定結果は採用、昇進・昇格、配置異動、能力開発などさまざまな人事処遇に活用されます。
(2009/7/17掲載)

アセスメントセンターのケーススタディ

職務場面を想定した演習で能力を測定
人材要件の変化にどう対応するか

1950年代、米国AT&T社で行われたダグラス・W・ブレイ博士らによる管理者成長研究(MPS:マネジメント・プログレス・スタディ)がアセスメントセンターの起源といわれます。日本には70年代に伝わり、人事考課を補完する評価システムとして、現在まで大手企業を中心に幅広く採用されてきました。

一般的なプログラムでは、評価や能力開発の対象となる人材を集合研修に参加させて、職務状況を想定した演習を実施、その過程で参加者の言動や態度などを「アセッサー」と呼ばれる専門の評価者が評価します。たとえば昇進・昇格などの審査に活用する場合は、そのポストに就けば当然遭遇するはずの職務場面を演習課題に設定することで、候補者が発揮する将来の成果を予測的に把握できるわけです。

したがってアセスメントセンターの精度を高めるためには、どのような役割を果たす人材が求められているのか――ターゲットとなる職務の内容とその職務を果たすために必要な能力を明確にしておくことが重要です。求められる能力要件が言動として表出するようなシミュレーションを演習課題として適切に設計することで、測定結果の納得性や妥当性が向上します。

国内ではじめてこの手法を紹介した株式会社マネジメントサービスセンターのエグゼクティブコンサルタント、竹村千里さんによると、 20年ほど前なら会社や業種が違っても管理職に求められる人材像や役割行動に大きな差異はなく、たとえば「イニシアティブ」「影響力」「説得力」「判断力」「実行計画力」などの能力要件が、多くのアセスメントセンターコースで汎用的に使われていました。ところが近年は、クライアント企業ごとに能力要件が異なり、しかも以前にはなかった要件――管理職クラスで「ビジョンリーダーシップ」「啓発・支援」「変革指向」など――を設定するケースが増えているといいます。

今日では、管理職が接する部下も正社員とは限りません。そのため、アルバイトや派遣社員と対面するシミュレーションが演習課題として設定されることも多くなっています。ビジネス環境の変化にともない、高度成長期や90年代とは明らかに異なる人材観が反映されるようになってきたといえます。

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