イントラプレナー
イントラプレナーとは?
イントラプレナー(Intorepreneur)とは「社内起業家」のこと。企業内において新しいビジネスを立ち上げる際、その責務を担うリーダーとなる人材を一般の起業家を意味する「アントレプレナー」(entrepreneur)と区別してこう呼びます。起業家精神はもとより、経営管理能力や事業全般にかかわる実務能力が求められます。
社内の変革力を高めるために必要な人的資産
外部への流出を防ぐための仕組み作りが重要
インターネット広告代理店のサイバーエージェントでは、2004年から社内公募による新規事業プランコンテスト「ジギョつく」(「事業をつくろう」の略)を年に2回実施しています。自分で事業を立ち上げたいという創業意欲があれば、誰でもエントリーが可能。厳しい審査を通過した事業プランには予算がつき、その提案者は事業責任者として新しいビジネスを事業化することができます。
社内ベンチャー制度や社内公募制度などを導入して、イントラプレナーの発掘を進める企業が増えていますが、実際にいくつもの新規ビジネスを生み出してきた「ジギョつく」はその成功例のひとつといえるでしょう。
サイバーエージェントが同制度を構想したきっかけは、役員の間から「新事業をつくるパワーが落ちてきた」と危惧する意見が挙がったことだといいます。発想の陳腐化、意思決定の遅れ、無責任体質、リスク回避、モチベーションの低下――企業の成長とともに、組織には多かれ少なかれ「大企業病」の症状が現れるようになります。ベンチャーといわれる企業も例外ではありません。
イントラプレナーとは、企業が大企業病を克服し、社内の革新力を高めるために必要な人的資産。企業人、組織人であっても、創業者(アントレプレナー)に勝るとも劣らない起業家精神=イントラプレナーシップをもつ人材を見いだし、育成する仕組みを構築できれば、停滞しがちな事業経営や組織運営にブレイクスルーを起こすことができます。
また、イントラプレナーになりうるような人材は優秀であると同時に、そもそも自立心旺盛な“起業家予備軍”であることが多いもの。組織内である程度、自分のやりたいことがやれないとモチベーションを失い、退職して独立、あるいは社内起業に積極的な競合他社へ転職という道を選ぶことにもなりかねません。そうなれば企業としては大きな損失です。人材マネジメントの観点からも、イントラプレナーシップの開発は重要な経営課題として認識されるべきでしょう。
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