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【ヨミ】ジュニアボードセイ ジュニアボード制

ジュニアボードとは、若手・中堅クラスの社員が企業経営の諸施策に関して具体的提言を行う“擬似役員会”のこと。柔軟で斬新な発想を取り入れて企業変革を促す、若手・中堅社員の経営中枢への参画意識を高める、意思決定の経験を通じて次世代リーダーの育成をはかる…などの目的で導入されるマネジメント手法です。
(2009/5/25掲載)

ジュニアボード制のケーススタディ

“机上の空論”をいかに経営に反映させるか
成功のカギは「継続性」と「トップの姿勢」

現在、多くの企業で導入されているジュニアボード制は決して目新しい手法ではありません。起源は1930年代の米国にあり、香辛料で有名なマコーミック社において考案・実施されたのが最初だといわれています。1932年にC.P.マコーミックが36歳の若さで同社の新社長に就任した際、従業員の意見を経営に反映させるため、本来の役員会とは別に、従業員が参加する擬似役員会や各種の委員会を設置しました。この経営スタイルを、同社では「複合経営制(Multiple Management)」と呼び、設置された擬似役員会を「ジュニアボード(Junior Board of Directors)」と称したのです。(日本総研『「ジュニアボード・マネジメント」による企業変革』参照)

福利厚生のアウトソーシング事業大手のベネフィット・ワンは、2005年度からジュニアボード制度を導入しました。全社から選抜された10名前後の若手社員が社長直轄で経営課題に取り組み、発想力や判断力、経営感覚を養っています。取り組む課題は会社の現状に沿って年度ごとに変わり、メンバーも入れ替えられます。トップと意見交換を行いながら、具体的に改善プロジェクトを推進。08年度は企業規模の拡大にともなって希薄化しつつある社員間の繋がりを改善するために、ジュニアボード主導で社内報の発行を実現しました。

同制度の導入によって成果を上げるポイントは、「継続性」と制度に対する「トップの明確な姿勢」です。

企業に余力のあったバブル期には、多くの企業がこの制度を導入しましたが、必ずしもすべてがうまくいったわけではありません。その中には、若手を集めて一時的・短期的な経営戦略プロジェクトのような組織を設置し、実際にはたんなるガス抜きの場に利用していたというケースもあったようです。ジュニアボードは、そうした一過性のプロジェクトとは本質的に異なります。せっかく提言を行っても、本役員会で「しょせんは机上の空論」と一蹴されてしまっては若手社員のモチベーションが上がらず、制度の形がい化を招きかねません。

結果を急がず、たとえ現実の経営とかけはなれた発想であっても、そこに将来の革新につながる可能性を見出そうとするトップの前向きな姿勢が何よりも求められます。

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