ブルシット・ジョブ
ブルシット・ジョブとは?
「ブルシット・ジョブ(Bullshit Jobs)」は、人類学者デヴィッド・グレーバーが提唱した概念です。働いている本人さえ必要がないと感じていて、世の中や社会に何の貢献もしない仕事のことを指します。組織の生産性を著しく下げる原因となるため、人事やマネジメント層は、その存在を認識し、対策を講じる必要があります。
ブルシット・ジョブが生まれる理由と、組織に潜むその兆候
二つ目は、脅し屋(Goons)。主に他社との競争、あるいは自社内の対立を前提として生まれる仕事です。たとえば、競合他社が新製品を発表した際に、攻撃的なキャンペーンを仕掛けるなど。社会全体から見れば、お互いの足を引っ張り合うだけの不毛な作業となりがちです。
四つ目は、書類穴埋め人(Box-tickers)。形式的な手続きや報告書作成に終始する仕事です。目的は成果を出すことではなく、決められた通りに書類を埋めることです。
五つ目は、タスクマスター(Taskmasters)。他人にブルシット・ジョブを押し付ける仕事です。自身も無意味な仕事をしていると感じていますが、自分の存在意義を守るために、部下に不必要なタスクを与え続けます。
なぜブルシット・ジョブは現代社会にはびこっているのでしょうか。その背景には、仕事の成果を可視化しにくい中で、管理者が部下からの過小評価を避けるため、無意味なタスクを次々と与えてしまう構造があります。また、権威や地位を維持するため、あるいは組織の規模を大きく見せる目的で、不必要な役職や部署が作られることも理由の一つです。
これらの仕事を放置すると、社員は自らの仕事に意味を見いだせず、無力感や燃え尽き症候群に陥りやすくなります。人事担当者は、定期的な職務内容の見直しや業務の自動化・効率化を進めることで、社員が本当に価値ある仕事に集中できる環境を整える必要があります。社員が仕事の意義を語り合える場を設けたり、組織への貢献度を可視化する仕組みを導入したりすることも、有効な対策といえるでしょう。
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