企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】フォロワーシップ フォロワーシップ

上司のリーダーシップを補完する概念として、部下(フォロワー)が自主的な判断や行動で上司を支え、組織における成果の最大化をはかることを「フォロワーシップ」といいます。
(2008/11/17掲載)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォロワーシップのケーススタディ

リーダーだけに依存する組織は危ない
貢献と批判で上司を支える「部下力」が必要

「部下は上司を選べない」とよくいわれるように、組織とその構成員の命運は、上に立つリーダーの手腕次第と一般的には考えられています。たしかに企業が目標を達成するうえで、トップやマネジャーのリーダーシップは必要不可欠です。しかしフォロワーなしには、リーダーもまた存在できません。現に「組織における成果のうち、リーダーの影響力がおよぶ割合は2割程度にすぎず、残りの8割はフォロワーである部下の力に左右される」という研究結果もあり、米国では1990年代以降、旧来のリーダーシップ偏重の組織論を見直す動きが高まっています。そうした中で注目されているのが「フォロワーシップ」――部下が上司を動かすという概念です。

上述の研究結果を発表した米カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授によれば、「フォロワーシップを構成する要素は『貢献力』と『批判力』の2つ。上司の指示に従って目標達成にまい進する誠実な貢献と、その指示の妥当性を自分なりに判断し、必要な場合は諫言も辞さない批判的思考とを、高い次元でバランスさせている人材が良いフォロワーである」と同教授は指摘しています。

近年、多くの企業ではリストラに伴う組織のフラット化が進み、管理職ポストも以前に比べて大幅に削減されました。その結果、リーダーがリーダーとしてのキャリアを十分に積まないまま、プレイングマネジャー的な立場で多くの部下を抱えるという図式が広がりつつあります。こうした現状に、日本でいちはやくフォロワーシップに着目した三菱総合研究所の仲伏達也主任研究員は、「不確実性の高い現在の社会で、一人あるいは一部のリーダーに依存する組織は、リスクへの感度が悪く、危機にもろく、組織として発揮できるパフォーマンスにも限界がある」と警鐘を鳴らします。「貢献力」と「批判力」で上司を補完するフォロワーシップの必要性は、今後さらに高まると見ていいでしょう。

ベンチャー、飲食、アミューズメント業界に特化した人材ビジネスを展開するFaithホールディングス(東京・港区)は、組織を成功に導くプロフェッショナルフォロワーを育成する研修プログラム『Initia(イニシア=率先)』を開発、2008年2月より本格的なサービス提供を開始しました。前述の業界ではとりわけ、現場を支える部下一人ひとりの行動が業績に大きな影響をおよぼすといいます。同社では、リーダーシップとフォロワーシップを両輪と位置づけ、組織の成功のために上司を全力で支えられる人材の育成を支援しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

組織社会化
組織研究において、新しく組織に加わったメンバーが、組織の目標を達成するために求められる役割や知識、規範、価値観などを獲得して、組織に適応していくプロセスのことを「組織社会化」といいます。個人が組織に参入するときは、必ずこの組織社会化の過程を通過しなければならないと考えられています。 (2012/5...
ボスマネジメント
「ボスマネジメント」とは、ボスをマネジメントすること、つまり組織における一般的なマネジメントの概念とは逆に、部下が仕事の目的を達成するために上司を動かす、という考え方を表す言葉です。部下が上司に対し能動的かつ戦略的に働き掛けることで、自らが仕事を進めやすいように上司をうまくコントロールしたり、相手か...
組織市民行動
「組織市民行動」とは、企業や団体の従業員が自分の職務の範囲外の仕事をする「役割外行動」の一種で、英語ではOCB(Organizational Citizenship Behavior)と呼ばれます。 この概念を提唱した米・インディアナ大学のデニス・オーガン教授らによると、組織市民行動は「従業員の行動...

関連する記事

中村和彦さん: 組織に関する問題を「人」「関係性」に働きかけることで解決 いま日本企業に必要な“組織開発”の理論と手法とは(後編)
組織開発をどのように進めていけばいいのか、また、その際に人事部はどう関わっていけばいいのかなどについて、組織開発の実践に取り組んでいる研究者の南山大学教授の中村和彦さんに具体的な話をうかがっていきます。
2015/09/11掲載キーパーソンが語る“人と組織”
~管理職・マネージャーに必要なコミュニケーション~
近年、企業を取り巻くさまざまな環境変化により、組織内における上司と部下の関係性、何よりもコミュニケーションのあり方が大きく変わってきた。問題は、そのことに対して上司があまり“自覚的”でない点である。その結果、“想定外”のコミュニケーションギャップが発生し、マネ...
2007/08/29掲載注目の記事
中村和彦さん: 組織に関する問題を「人」「関係性」に働きかけることで解決 いま日本企業に必要な“組織開発”の理論と手法とは(前編)
なぜ組織開発が近年注目されているのか?日本企業がどのように組織開発を進めていけばよいのか?組織開発の実践に取り組んでいる研究者の南山大学教授の中村和彦さんに、詳しいお話を伺いました。
2015/09/04掲載キーパーソンが語る“人と組織”

関連するQ&A

これからの組織のあり方
マネジメント 組織論の質問です。 自律型組織、ティール型組織などへの志向が一つのメインストリームとしてあると思いますが、一方で従来型の軍隊式組織、官僚型組織もその有効性は完全には否定出来ないと思います。 自律型、軍隊型それぞれの組織が有効に機能するのは、それぞれ一定の条件下によると思いますが、この点...
人事考課について
当社は現在人事考課を行っておりますが、今現在使用しているものが古く、新しく作り変えようと考えております。今は、上司が部下を評価するだけではなく、部下が上司を評価する考課システムもあるようですが、どういったものがあるのか教えていただければ幸いです。また、このような考課制度を実施するにあたってなにか注意...
今どきの人事部の組織図とは
最近、旧来の人事部で使われていた組織名称が少なくなり、カタカナ、英語表示のものが多くなってきているように思います。 日本の社員数1000名以上の会社で、イケてる人事部の組織図、組織名称のトレンドをできれば旧来の名称と比較する感じで教えて頂ければ幸いです。
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

テレワーク特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

3,650社が活用!業界唯一の統合型eラーニング ジョブ・カード制度 総合サイト

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


テレワーク特集

「テレワーク」のメリット・デメリットを整理するとともに、導入プロセスや環境整備に必要となるシステム・ツール、ソリューションをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


「見える化」による効果検証で テレワーク導入をスムーズに実現<br />
西部ガスが取り組む“業務・ワークスタイル改革”とは

「見える化」による効果検証で テレワーク導入をスムーズに実現
西部ガスが取り組む“業務・ワークスタイル改革”とは

福岡市に本社を構える西部ガス株式会社は、「働き方改革」の一環としてテレ...


「グロービス学び放題」導入で公募研修の受講者が増加<br />
“自発的に学ぶ”企業文化を醸成

「グロービス学び放題」導入で公募研修の受講者が増加
“自発的に学ぶ”企業文化を醸成

急速に変化する市場環境の中で競争力を維持・向上させていくためには、人材...


会社の新しい挑戦を支えるために<br />
人事戦略のよりどころとなる総合的な人材データベースを構築

会社の新しい挑戦を支えるために
人事戦略のよりどころとなる総合的な人材データベースを構築

第一三共株式会社は2025年ビジョン「がんに強みを持つ先進的グルーバル...