職場オストラシズム
職場オストラシズムとは?
職場オストラシズムとは、職場で意図的に無視されたり、仲間外れにされたりする現象のこと。オストラシズムは「排斥」を意味します。特定の個人がチームの活動から除外されたり、発言を無視されたりする状態は、精神的苦痛を与え、ハラスメントの一種と見なされることもあります。従業員の心身の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、組織全体の生産性やエンゲージメントの低下にもつながるため、注意が必要です。
「見えないいじめ」がもたらす影響とは?
職場オストラシズムの実態と対処法
職場オストラシズムは、身体的な暴力とは異なり、目に見えにくい形で従業員を苦しめます。例えば、会議で発言しても誰も反応しない、意見を求められない、ランチに誘われない、必要な情報が共有されない、といった状況が挙げられます。このような状況が続くと、被害者は孤独感や疎外感を強く感じ、自己肯定感の低下や精神的なストレスを抱えやすくなります。その結果、心身の健康を損ない、うつ病などの精神疾患につながるケースも少なくありません。
職場オストラシズムは、組織全体のパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。安心して働ける環境が損なわれることで、チームワークが悪くなったり、コミュニケーションが滞りがちになったりするからです。情報共有が不十分だと、業務効率が低下するほか、イノベーションを阻害することもあるでしょう。パフォーマンスの高い従業員がオストラシズムの対象となった場合、企業にとって大きな損失となり得ます。
職場オストラシズムが発生する理由は、さまざまです。例えば、個人の嫉妬や不満、組織内の競争意識、特定のグループによる排他的な行動、あるいはリーダーシップの欠如など。コミュニケーションが少ない、ハラスメントに対する意識が低い、といった企業文化がある場合も発生しやすくなります。被害者が「自分が悪い」と思い込み、外部に助けを求められない状態であれば、問題は深刻化します。
では、職場オストラシズムの発生をどうすれば防ぐことができるのでしょうか。まず、ハラスメント研修などを通じて、オストラシズムがハラスメントの一種だと従業員に周知することが重要です。次に、従業員が安心して相談できる窓口を設置し、匿名での報告も受け付ける体制を整えます。相談があった場合は、迅速かつ公平に事実確認を行い、適切な対応を取る必要があります。
オープンで心理的安全性の高い企業文化を醸成することも重要です。チームビルディング研修や1on1ミーティングを通じて、従業員同士が互いを尊重し、支え合う関係性を築くよう促します。評価制度の透明性を高め、不公平感や不満が募りにくい環境を整備することも、職場オストラシズムの抑制につながります。
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