ソーシャル・ノーム
ソーシャル・ノームとは?
ソーシャル・ノームとは、組織内や社会の中で共有される規範のこと。職場におけるソーシャル・ノームは、会社の規則など明文化されたものと、従うことが期待される暗黙知のものの2種類があります。例えば、会議に遅刻することがどの程度許容されるか、会議で沈黙が続いた場合に誰が発言するか、会議中に電話に出ることが許されるかなど。これらの明文化されていないノームは、メンバーが日常的に行動をともにするなかで「この状況ではこうした行動を取るものだ」「人はこのような行動を取るのが当たり前だ」と形成されていきます。非公式な行動基準としてグループ内で共有され、機能している暗黙のノームは、職場にやっかいな影響を与えることもあります。
チーム内の不信感や不協和音を引き起こす
悪いソーシャル・ノームを一掃するためには
「朝礼で全員が互いの体調を気遣い合う」「新人が入ってきたら、一人にせずにおせっかいをやく」など、チーム全員が協力し合い、お互いを大切にするノームは良いソーシャル・ノームといえるでしょう。
一方で、「上司より先に帰ることが許されない」というノームがある場合は、労働時間外に残業することが当然になっています。また、「期間中であれば、好きな日程で夏休みを取得できることになっている。しかし、年長者の予定が決まるまで、若手は自分の都合で休暇を取ることができない」というノームがあれば、若手は自己主張ができなくなっています。
これらのノームはなくてもよい(ない方がよい)ソーシャル・ノームといえます。強制的に課せられることでストレスや不満がたまり、メンバー同士の不信感や不協和音を引き起こす恐れもあります。また、「雑談やプライベートの話をすることが禁止されている」などのノームがあれば、メンバー同士のコミュニケーションが阻害され、結果的にチームワークや業務の質が低下する可能性があります。
自分のチームにはどのようなソーシャル・ノームがあるのかを知るには、まずはチーム全員で職場のノームをすべて洗い出します。マネジャーや先輩、成果を出している社員への忖度(そんたく)がノームとして存在しているかもしれません。その場合は、忖度されている側がきちんと受け止め、「不必要」と言えることが重要です。
新入社員や若手社員が率先してアイデアを出し、古いノームを打破すると、より活性化された職場環境を実現することができます。
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