LLP
LLPとは?
Limited Liability Partnershipの略。民法上の任意組合と株式会社のそれぞれの長所を取り入れた、会社でもなく組合でもない新しい有限責任事業組合のことです。
貢献度に応じて利益配分ができて
税金が抑えられるメリット
2005年8月に「有限責任事業組合契約に関する法律」が施行され、一般市民や民間企業、大学関係者などさまざまな人が集まり、利益を目指す組織としてLLPを設立することができるようになりました。
LLPの最大のメリットは、法人格がないため、どんなに黒字を出しても法人税がかからないという点です。利益が出れば出資者が貢献度に応じて配分でき、これを各出資者の所得として申告することになります。また、合名会社や民法組合では損害はその全額を負担しなければなりませんが、LLPは出資金額の範囲で責任を負えばよく、取締役会や株主総会といった機関も特に必要ないので、迅速な事業運営が可能になります。
経済産業省によると2005年11月時点で全国のLLPの設立件数は270件に達し、その後も設立はハイペースで進んでいるといいます。たとえば札幌では、市民3000人が「さっぽろ雪まつり」を盛り上げるためのLLPを立ち上げました。また福井では、ブログを活用して若手経営者を支援する建設関連のLLPが産声を上げ、大阪では中小企業が連携してLLPを設立、営業や製品開発に乗り出しています。このようにLLPは街おこしから中小企業どうしの連携、大企業どうしの共同研究開発、産学提携、ITや金融の専門技能を持つ人材による共同事業、新産業の創造など、幅広い分野での活用が期待されています。
そもそもLLP制度は英国で始まったもので、米国やシンガポールなどでも導入されています。ただ、日本では導入されて日が浅いため、この先、債権者や被雇用者に不当な不利益が生じたり、課税を逃れるために悪用されたりするケースがないとはいえません。このため、政府はLLP制度の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な見直しを行うことも視野に入れています。
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