職場コンシェルジュ
職場コンシェルジュとは?
「職場コンシェルジュ」とは、社内に常駐して従業員の周辺雑務などを支援するサービス全般を指し、大きく二つに分けられます。一つは、業務の中で発生する雑務を外部サービスに委託することで生産性の向上を目指すもの。もう一つは、平日にしかできない役所への問い合わせや、子どもの習い事のリサーチ、旅行の計画など、プライベートを充実させるためのもの。働き方改革が進む中で、より充実した生活を送るための職場環境改善プログラムとして注目されているサービスです。
雑務にかけている時間は約15%。
生産性を高め、幸福度を上げる新たなサービス
頼まれた資料を人数分印刷し、かかってきた電話に対応していたら、自分の作業に取り掛かる前に午前中が終わっていた……ということは珍しくないでしょう。スケジュールに入っていなかった雑務に予想外に時間がかかると、その後の予定が大きく狂ってしまいます。リクルートワークス研究所が2017年に行った「全国就業実態パネル調査」によると、雇用者は仕事時間の14.7%を周辺雑務に費やしていたことが分かりました。
そこで最近注目されているのが、周辺雑務やプライベートを充実させるためのリサーチなどを支援してくれる「職場コンシェルジュ」。休日を過ごすのにふさわしい場所のリサーチや、資産運用のための情報収集など、プライベートで起こるさまざまなリサーチタスクを代行してくれるサービスも登場。導入する企業も増えつつあります。
PR会社の株式会社サニーサイドアップでは、2018年8月に社内コンシェルジュの運用を開始。コンシェルジュが育児相談や介護相談に乗ってくれるほか、ベビーシッター会社や家事代行業者の紹介、懇親会やケータリング、手土産の手配まで行ってくれる仕組みを導入しています。また、コンシェルジュを通じて社員のリクエストなどに合わせたワークショップやイベントも開催。メンバー同士の交流や自己啓発につなげる方針です。同社では、あえて「仕事」と「プライベート」を切り分けず、包括的に支援することで、仕事にもプライベートにも全力投球できる環境づくりを進めるといいます。
コンシェルジュが従業員と顔を合わせ、対話をかさねながら、ベストな解決策を考えていくことで、違った事情を持つ一人ひとりに対応できるようになります。社内にいるコンシェルジュは「ちょっとしたことを相談できる存在」として、従業員にとって心強い存在といえるでしょう。
働き方改革が進む中で、残業時間の削減が多くの企業の課題となっています。とはいえ、やらなければならない仕事が減るわけではありません。企業は社内コンシェルジュのようなサービスを活用することで、従業員が本来の業務に集中できる環境を整え、生産性向上と従業員の幸福度を支援することができるのです。
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