教育訓練給付金
教育訓練給付金とは?
厚生労働大臣の指定する教育訓練(講座)を受講して修了した場合に、ハローワークから費用の一部として給付される補助金。働く人のビジネス能力を向上させ、雇用安定や再就職の促進を図るのが狙いです。
厚生労働省の指定講座に通えば
受講料が最大20万円戻ってくる
「教育訓練給付金」は働く人のスキルアップ支援を目的に1998年12月に創設されました。財源には、雇用保険料が充てられています。厚生労働省が指定する講座を受講すれば、雇用保険に5年以上加入していた人の場合、経費の40%が20万円を上限として支給される仕組みです。また、3年以上5年未満なら20%で支給額の上限は10万円となります。失業して現在は雇用保険に加入していない人でも、失業後1年以内に受講し始めれば、この制度を利用できます。
現在、厚生労働省が指定する講座数は約1万1000あります。その範囲は情報処理技術資格や社会保険労務士資格などを目指す講座から、ホワイトカラーの専門的知識や能力の向上に役立つ講座まで、幅広い分野に及んでいます。なかでも、最も人気が高いのが、簿記、外国語、OA機器操作、行政書士などの事務処理技能の分野で、2003年度の受給者数は約23万5000人、支給額は約536億円に上っています(厚生労働省調べ)。
この制度がスタートした当初は「実質的には自己負担なしで受講できる」「受講さえすれば給付金がもらえる」などと不正に勧誘する業者が相次ぎ、さらに受講生の名義を借りて実体のない講座の修了証を発行、給付金を騙し取る犯罪が続出しました。このため、それまで雇用保険加入5年以上を条件に経費の8割を支給、30万円を上限としていたのを、現在の給付水準に引き下げた経緯があります。また同時に、料理学校など趣味や教養色の濃い講座が指定対象から外されました。
個人の立場から言えば、利用できる制度は最大限活用すべきでしょう。ただ、雇用保険の本来の目的である失業給付の水準は欧米に比べて大きく見劣りしています。同じ雇用保険から捻出されている教育訓練給付金がどれだけの効果を上げているのか、具体的に検証する必要があるでしょう。
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