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人事の目線、偏ってませんか?~生存者バイアス克服のススメ~

「毎日〇時間勉強して、この参考書だけを繰り返し解きました」

難関大学に合格した受験生のこんな合格体験記を目にすることがあります。これを見た後輩たちが、「うん、それなら自分にもできる!」と思い込み、たった一人の体験記にもかかわらず、それを鵜呑みにしてしまうなんてことがあるかもしれません。少し極端な例かもしれませんが、人は何かを成し遂げようとするときに、成功した人の意見や行動ばかりに注目しがちです。

このように「失敗した事例には目を向けず、成功した一部の事例のみを着目し、自己の判断基準としてしまうこと」を生存者バイアスと言います。

新卒採用基準での生存者バイアス

これは、企業人事でも良くみられます。例えば、新卒採用で使う、営業職の判定基準を作る際、今働いている営業職に適性検査を受けてもらい、好業績者と低業績者の比較分析をすることがあります。しかし、その基準はあくまで、今働いている社員での分析であって、より正確に基準を作るのであれば、選考不合格者、内定辞退者、さらには退職者が、その後、就職先でどのような成果を上げたか追跡調査し分析に加えるべきでしょう。(実際は、そのようなデータはなかなか手に入らないので、難しいと思いますが)

成功者をモデルとしたキャリア開発

上記の例は、企業の残っている人と、いない人についての例でしたが、企業内における生存者バイアスの例もあります。例えば、キャリア開発研修。キャリア開発研修では、社内で成功した人、または一般的に活躍している人のパフォーマンスをモデル化し、研修に落とし込むことが多いように思います。そして、社内のロールモデルとなっている社員が、どのような価値観を持って仕事をし、どのような部署を経験して今の地位にあるかを明示し、あるべきキャリアステップとする場合もあります。これは、生存者バイアス、別の言い方をすれば、成功者バイアスといっても良いでしょう。

様々な属性の人たちの存在を大切にする!

数年前にこんな経験をしました。ある企業にキャリア研修を提供したときのこと、私は研修のサポートとして参加しました。休憩時間に、ある女性受講者にここまでの感想を聞くと、開口一番こんな答えが返ってきました。「私、いま、行き帰りの電車で本読むことがだけが楽しみなんですよ」と。よくよくお話を伺うと、小学生のお子さんと、保育園に通う3歳のお子さんがいらっしゃり、日中は時短勤務で限られた時間内に自分の仕事を素早くこなし、終業後、急いでお子さんを迎えに行き、家に帰ったら家事で大忙しという毎日。唯一、行き帰りの電車だけが癒しの時間とのことで、正直なところ、なかなか将来キャリアについて考えが及ばないとおっしゃっていました。

企業は、様々な雇用形態、属性、価値観を持つ人たちで構成さています。好業績者をモデルを軸に研修や人事施策を推し進めてしまうと、全体のモチベーションを下げていまうことにもなりかねない。さらに言えば、そのような施策ばかりだと、人手不足の中で採用候補者を惹きつけられず、人材獲得競争でも苦戦することになるでしょう。

人事が考えるべきポイント

生存者バイアスを避けるため、人事が考えていくべきポイントを三つ例として挙げてみます。

1)キャリア開発研修では、年齢、性別、雇用形態等、その企業に合ったカテゴリーに分け、研修コンテンツの最適化を図る。
例)今後増加するであろう定年後再雇用者向けのキャリア開発研修等

2)社員の仕事への動機付け要因は様々。社員がどのような動機で働いているか、適性検査を受検してもらい、全体の傾向を知る。
例)安定指向の社員が多い場合、納得性のある人事制度の設計が求めれる。

3)現場で仕事を見ているのは管理職。個々社員の課題を吸い上げるキーマンとしてマネジメントスキルの維持・向上を促進する。
例)部長職の1on1スキルを磨き、課長のマネジメント力向上を支援する。

業績偏重型施策からの脱皮

昨今の人事は、様々なテーマに取り組む必要があり、これまで以上に忙しいと言われています。効率的に仕事を進めようと「社長が気に入るか」といった視点で企画を考えようとすれば、無意識に生存者バイアスがかかってしまい、業績偏重型の施策になってしまうこともあります。人事の施策を検討する際は、生存者バイアスの存在を認識した上で、様々な属性の人たちを顔やニーズを思い浮かべながら関係者内で議論する時間を充分に取っていくことが大切です。それが、ひいては長期的な企業の発展に繋がっていくと考えます。

【参考文献】
情報文化研究所.認知バイアス辞典 行動経済学・統計学・情報学編.フォレスト出版株式会社, 2023年

このコラムを書いたプロフェッショナル

柿沼 昌吾

柿沼 昌吾
WillMap株式会社 代表取締役

人事と経営の両視点から29年。組織サーベイ等のHRデータ分析を通じて、持続可能な組織づくりと成果創出を支援しています。

人事と経営の両視点から29年。組織サーベイ等のHRデータ分析を通じて、持続可能な組織づくりと成果創出を支援しています。

得意分野 モチベーション・組織活性化、コーチング・ファシリテーション、チームビルディング、リスクマネジメント・情報管理
対応エリア 全国
所在地 大田区
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