【前編】人事制度の浸透・定着施策こそ、 企業成長のカギを握る
【前編】人事制度の浸透・定着施策こそ、企業成長のカギを握る
「人事制度の改定は無事終わったけど、この改定が本当に自社の戦略実現や中長期的な成長に寄与するかな?」
「現場はこの制度で期待通りに運用をしてくれるだろうか?」
「そもそも、新しい人事制度を社員は前向きに捉えてくれているのだろうか?」
社内では表に出せないものの、本音では上記のような不安を感じる人事担当の方も多いのではないだろうか。
ビジネス環境の変化や中長期戦略の実現を踏まえ、人事制度を改定する大手企業は増えている。日本の人事部が発行している人事白書2024によると、従業員数5001人以上の大手企業において、2020年度以降に評価制度を見直した企業は全体の73.1%、賃金・報酬制度では76.9%、昇進・昇格制度では69.2%といずれも7割近い企業が改定に取り組んでいる。
新人事制度の導入は企業変革のゴールにあらず
特に大手企業において人事制度改定は一大イベントであり、経営層との合意や労働組合との交渉、社員の移行措置など多くの検討や交渉・合意を乗り越える必要があり、改定を無事迎えられただけでも一安心であろう。
勿論、外部環境や自社の目指す姿などを踏まえ、人事制度を作りこむことは重要である。一方、人事制度改定の目的が自社の中長期的な成長や、ありたき姿の実現なのであれば、新しい人事制度を導入することがゴールではない。人事制度という仕組みを用い、運用する中で、社員一人一人が人事制度に関する理解を深め、日々の意識・行動が変わっていき、その結果組織全体に変化が生まれ、自社の成長やありたき姿が実現されていく。これこそが企業が目指すべきゴールである。
上記のゴールに照らすと、人事制度の設計・導入は中長期的な企業変革に向けた一つのマイルストーンに過ぎず、その後の人事制度の浸透・定着こそが企業成長の岐路になると考えられる。実際、人事制度の浸透・定着を軽視してしまうことで人事制度改定の意図が社員へ誤って伝わってしまい、優秀社員の離反を招いてしまうケースがメディアでもしばしば取り上げられている。逆に、人事制度の浸透・定着施策へ真剣に取り組む企業は、社員の人事制度に対する理解や現場の運用状況を正しく把握でき、必要に応じ人事制度や運用ルールの見直しを行っていくことで、企業成長に向けた自社独自の人事制度や運用が理想形に近づいていく。
人事制度の浸透・定着は会社独自の長い取り組みが必要
人事制度の浸透・定着は企業変革そのものであり、自社の歴史や特徴を踏まえながら、長い時間軸で自社独自のプロセスを設計し実行していく必要がある。このプロセスに一律の正解はないものの、エッグフォワードが人事制度の設計のみならず、その後の運用・定着支援にもその会社ならではの仕掛けや取り組みをご一緒させていただく中で、各社共通して重要となる以下の観点やポイントがあると筆者は考えている。
1.企業変革に向けた経営層のコミットメント
2.早期の好事例創出・社内波及
3.ボトムアップによる管理職の変容促進
4.浸透・定着の効果測定
具体的な内容については、後編で紹介していきたい。
このコラムを書いたプロフェッショナル
関根彰彦
エッグフォワード株式会社 企業変革事業部 マネージャー
組織設計・人事制度設計といった仕組み面のアプローチと、組織風土改革・研修といった運用面のアプローチを併用しながら、社員の意識・行動変容を起こし、波及させていくことで、クライアント企業様の真の企業変革を実現します。

関根彰彦
エッグフォワード株式会社 企業変革事業部 マネージャー
組織設計・人事制度設計といった仕組み面のアプローチと、組織風土改革・研修といった運用面のアプローチを併用しながら、社員の意識・行動変容を起こし、波及させていくことで、クライアント企業様の真の企業変革を実現します。
組織設計・人事制度設計といった仕組み面のアプローチと、組織風土改革・研修といった運用面のアプローチを併用しながら、社員の意識・行動変容を起こし、波及させていくことで、クライアント企業様の真の企業変革を実現します。
得意分野 | 経営戦略・経営管理、労務・賃金、人事考課・目標管理、ロジカルシンキング・課題解決 |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 渋谷区 |
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