学生が企業に求めるものとは?ポイントを解説

少子化や価値観の多様化が進み、企業の「新卒採用」は年々難易度が上がっています。
従来の母集団形成だけでは成果が出にくく、学生は“条件”よりも“共感”を重視するようになりました。
では、これからの採用担当者はどのように学生へアプローチすればよいのでしょうか。
本記事では、2025年卒以降の採用トレンドと、学生が企業に求める最新のポイントを解説します。
1. 新卒採用の環境変化で「採用広報」は経営課題に
近年の採用市場では、環境変化が企業・学生双方に大きな影響を与えています。
まず注目すべきは人口減少による人材の奪い合いです。
リクルートワークス研究所の調査によると、2025年卒の有効求人倍率はすでに1.7倍を超え、特に理系・情報系では採用競争が激化しています。企業は「採用したい学生」と出会うこと自体が難しくなっており、単なる求人情報の発信だけでは埋もれてしまう時代です。
また、オンライン採用の定着も大きな変化の一つです。
説明会・面接・座談会の多くがオンライン化し、学生は短時間で複数企業を比較できるようになりました。企業の第一印象は「Web上で決まる」と言っても過言ではありません。
そして、学生の価値観の変化も見逃せません。
マイナビ2025年卒意識調査では、「自分のやりたいことができる会社」が選社理由の1位に。
かつて重視されていた「安定性」や「大企業志向」よりも、“自分らしさを発揮できる職場”が選ばれる時代にシフトしています。
2. 学生が企業に求める3つのキーワード
(1)共感(ビジョンとリアルの一致)

学生は、企業の理念だけでなく“実際の社員の姿”を重視しています。
SNSや口コミサイトの普及により、表面的なブランディングでは信頼を得られません。
学生は「この会社で働く人の雰囲気」や「社長・社員の価値観のリアルさ」から、自分との相性を判断しています。
そのため、採用動画・社員インタビュー・社長メッセージ動画などで“本音の発信”を行うことが有効です。
理念やビジョンを一方的に語るのではなく、社員がどんな思いで働いているかを伝えることで、学生の共感を生み出せます。
(2)体験( 応募前から始まる“社員体験設計”)
「エントリーする前に、どんな職場か知りたい」というニーズが高まっています。
企業説明会の内容や資料だけでなく、オンライン座談会・職場見学動画・バーチャルオフィスツアーなど、入社前に“体験できるコンテンツ”を用意する企業が増えています。
このような仕組みは、「自分がここで働く姿を想像できるか」を判断する重要な材料になります。
いわば、採用活動にもカスタマージャーニーの発想が必要です。
企業が“どんな体験を提供するか”で、エントリー数や内定承諾率は大きく変わりますので、ユーザー目線を大事に、応募までの体験を考えて設計していきましょう。
(3)信頼(誠実なコミュニケーションとスピード感)
学生との接点において、“スピード”と“誠実さ”は信頼構築のカギです。
選考結果の連絡が遅れたり、返信が形式的だと、学生は「自分は大切にされていない」と感じてしまいます。
LINEやチャットツールを活用し、迅速かつ丁寧な対応を徹底することで、企業の印象は大きく変わります。
また、変化の激しい時代においては、トップの決断力や柔軟な行動も注目されます。
3. 採用ブランディングで成果を上げる3つの戦略
(1)「働く人」を主役にした採用コンテンツ
学生は、企業理念よりも“社員の表情”を見ています。
採用動画や1日密着ドキュメント、リアルな社員インタビューなど、「人の温度」が伝わる発信が効果的です。
表面的な“かっこよさ”よりも、社員同士の関係性や仕事のリアルが伝わる映像が共感を呼びます。
(2)採用情報の「見える化」
採用サイトや会社案内パンフレットでは、仕事内容・キャリアパス・福利厚生などを定量的な情報で明示することが重要です。
たとえば「若手が活躍中」という抽象的な言葉ではなく、「20代社員が約6割」「平均残業時間15時間」といった具体的データを提示することで、信頼感が生まれます。
(3)SNS・動画の活用で学生との接点を拡大
InstagramリールやTikTokなど、Z世代が日常的に見るプラットフォームで情報発信する企業も増えています。
日常風景やオフィスの雰囲気をライトに発信することで、学生に親しみを感じてもらいやすくなります。
公式SNS運用を通じて“ファン化”を促すことが、長期的な採用ブランド形成につながります。
4. まとめ(採用を「マーケティング」として設計する時代へ)
これからの新卒採用は、単に人材を確保するための活動ではなく、企業ブランドそのものを体験してもらう機会へと進化しています。
学生が企業に求めているのは、「共感できるビジョン」「自分を重ねられるリアルな体験」「誠実でスピーディな対応」という3つの要素です。
つまり、採用活動とは、企業と学生の間に“共感”と“信頼”を築くコミュニケーション設計に他なりません。
動画やSNS、採用サイト、パンフレットなど、あらゆる接点で一貫したメッセージを届けることが、企業の魅力を正しく伝え、学生に選ばれる企業へと導きます。
採用をマーケティングの一部として捉え、ブランド体験を設計することが、採用において必要となりますので、ぜひ意識して取り組んでみるのはいかがでしょうか。
とはいえ、採用サイトに掲載するためのコンテンツを自社のみで制作するのは難しい場合も多いかと思います。ホープンでは、採用サイトの制作から採用動画の制作、採用パンフレットの制作まで幅広くサポートできますのお気軽にご相談ください。
このコラムを書いたプロフェッショナル
澁沢 舞
株式会社ホープン 次長
営業・制作経験と人事目線を武器に採用・研修・社内広報をホープンはトータルでサポート。採用・教育・社内施策を実現し「人事の悩み」を企画力とクリエイティブで解決。採用担当のリアルも踏まえながらお客様の課題を解決すべく専門チームを作り提案します。

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得意分野 | 人材採用、コミュニケーション |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 世田谷区 |
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