「治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会」
報告書取りまとめ(厚生労働省)
厚生労働省では、このたび、「治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会」(座長:今野浩一郎 学習院大学経済学部経営学科教授)の報告書を取りまとめましたので公表します。
労働環境の変化による脳・心臓疾患や精神疾患等の作業関連疾患の増加や、近年の医療技術の進歩を背景に、治療を受けながら就労する労働者が存在し、また、高齢化の急速な進展により、今後、支援を要する労働者も増加することが考えられます。
一方、一部の企業や医療機関では、両立支援に関する取組が進められていますが、労働者や企業、産業医・産業保健スタッフ、医療機関といった関係者の取組・連携が必ずしも十分ではない状況にあります。
本検討会では、労働者の円滑な職場復帰や治療と職業生活の両立のために、関係者がどのように対応し、連携を図るべきか、また、それを促進するための支援策の在り方について、平成24年2月から7回にわたって検討を行ってきました。
【支援の在り方に関する主な内容】
(1) 関係者が取るべき対応、連携の在り方
<企業(人事労務担当者)>
・労働安全衛生法上の措置を徹底し、疾病の早期発見・早期治療、重症化防止に努める。
・治療と職業生活の両立に理解のある職場風土形成のため、労働者・管理監督者の教育に努める。
・時間単位の有給休暇制度や短時間勤務制度の導入など、柔軟な雇用管理の取組を進める。
<産業医・産業保健スタッフ>
・人事労務担当者と協力し、治療開始の促しなど定期健康診断後のフォローアップを実施する。
<医療機関>
・職場復帰や、復帰後の治療と職業生活の両立に関する相談体制を整備するよう努める。
・患者の就業状況を把握した上で、治療方針決定に際し、仕事を休まずに治療を受けられるよう配慮する。
<労働者>
・日頃からの疾病の予防、早期発見、重症化防止に努める。
・積極的な情報収集や、両立促進のための企業と医療機関の情報共有・連携に協力する。
(2) 行政の役割
・両立支援についての社会的な認識の向上。
・支援を必要とする労働者の規模やニーズ、関係者の取組状況などの実態把握。
・企業や労働者からの相談に対する支援体制の整備。
・関係者が取り組むべき方法を示したガイドラインやマニュアルの作成。
・好事例の収集を通じた企業の自発的な取組の促進。
○ 報告書(PDF:327KB)
○ 報告書概要(PDF:121KB)
○ 参考資料集(PDF:732KB)
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/ /8月8日発表・報道発表より転載)