ミック経済研究所、
「DR(ディザスタリカバリ)ソリューション市場の現状と展望 2011」を発表
DR(ディザスタリカバリ)ソリューションの市場規模は、
2010年度 1,583億円、2011年度は前年度比111.2%の1,760億円と予想。
ユーザーの危機管理や事業継続に対する意識の高まりにより、
年率10%増で推移し、2016年度には2,800億円市場に
情報・通信分野専門の市場調査機関である株式会社ミック経済研究所(本社:東京都港区、社長:有賀 章)は、東日本大震災の影響から需要が増し、企業の事業継続の観点からも改めてその重要性が叫ばれているDR(ディザスタリカバリ)ソリューション市場の実態を捉えたマーケティング資料
◆ DR(ディザスタリカバリ)ソリューション市場の現状と展望 2011
を発刊し、調査結果を発表しました(調査期間2011年5月~7月)。同マーケティング資料では、国内のITベンダ、SIer、データセンター事業者等、合計45社の売上高や動向、各種戦略などについて調査。その個別企業の実態をベースに市場全体の規模や動向を集計・分析しています。
■ 本調査におけるDRソリューションの定義
本調査におけるDRソリューションとは、自然災害などのリスクに備え、ITシステム及びデータのバックアップ環境を、プライマリシステムとは別施設(拠点)に準備するソリューションとしている。
また、DRソリューションを、ユーザー企業が自前のDR環境を構築する(1)「SI構築型DRソリューション」と、ユーザー企業がDR環境としてデータセンターサービスを利用する(2)「DC提供型DRソリューション」に分け、(1)と(2)の合計をDRソリューション総市場と定義している。
(1) ユーザー企業が自前のDR環境を構築する
「SI構築型DRソリューション」
(2) ユーザー企業がDR環境としてデータセンターサービスを利用する
「DC提供型DRソリューション」
■ 調査結果
<DRソリューション市場>
2010年度のDRソリューション総市場規模は1,583億円であった。2011年度は、2011年3月に発生した東日本大震災の影響から、需要が増し、前年度比111.2%の1,760億円の市場規模になると見込まれる。2012年度以降の市場動向は、震災をきっかけとしたユーザーの危機管理や事業継続に対する意識の高まりにより、年10%前後と高い伸び率で推移し、2016年度には、2,818億円の市場規模になると予測される。
2010年度のSI構築型DRソリューション市場規模は563億円、DC提供型DRソリューション市場規模は1,020億円であった。DRソリューション総市場に占める売上構成比は、2010年度、SI構築型(35.6%)、DC提供型(64.4%)となっている。堅牢性、セキュリティ面などで評価が浸透しているデータセンターサービスを提供しているDC提供型が高い構成比となった。
2011年度は、SI構築型が前年度比107.3%の604億円、DC提供型が前年度比113.3%の1,156億円の市場規模になると見込まれる。
<SI構築型DRソリューション市場>
SI構築型市場は、2010年度以前から成熟傾向にあった。しかしながら、震災を契機とした需要の増加が押し上げ要因となり、2012年度から2013年度まで好調に推移する見込みである。しかしながらその後は、伸び率が低迷し、DC提供型に更にシフトしていくと予測する。
震災後のSI構築型のDRは、データのバックアップのみの対応などであれば、早期の案件受注に結びつくが、本格的なスタンバイシステムを構築するとなると1年以上かかるケースもある。その為、震災後の需要増がベンダの業績に大きく反映されるのは2012年度から2013年度にかけてであると考えられる。
<DC提供型DRソリューション市場>
DC提供型のDRは、データセンターの堅牢性と安全性が、今回の震災で改めて実証されたことから、引き合いが急増している。データセンターサービスは、ユーザーがDR環境を自前で構築するのと比べると、早期の導入が可能である為、2011年度から高い業績の伸びが見込まれる。
今後の市場動向としては、今回の震災を契機にユーザーの自前主義の見直しが進み、SI構築型の伸びは徐々に鈍化し、DC提供型に需要はシフトしていくと考えられる。特にDC提供型はクラウドサービスの浸透が市場の伸びを牽引する。これまでクラウドサービス普及に向けての1つの障害となっていたのが、自社外部にITリソースを置くことによるデータ漏洩、流出への不安であった。それが、今回の震災を経た現在では、ITリソースそのものを失うリスクの方が大きいという認識になってきている。以上のことから、2011年度以降、DC提供型が年平均成長率11.4%と、SI構築型の7.5%に比べ高い伸びを示し市場を牽引する。2016年度の市場売上構成比は、DC提供型が69.2%と約7割を占めるまでになると予測される。
尚、同マーケティング資料の体裁は、A4版(ファイル製本)で、全399頁。価格はハードコピー版199,500円、CD-ROM版399,000円、ハードコピー版とCD-ROM版のセット567,000円(いずれも消費税込み)です。
◆ 本リリースの詳細はこちらをご覧下さい。
(株式会社ミック経済研究所 http://www.mic-r.co.jp /8月8日発表・同社プレスリリースより転載)