平成22年度 脳・心臓疾患および精神障害などの労災補償状況まとめ(厚生労働省)
~精神障害などの労災請求件数が2年連続で過去最高~
厚生労働省は14日、平成22年度の「脳・心臓疾患および精神障害などの労災補償状況」を取りまとめましたので、公表します。
くも膜下出血などの「脳血管疾患」や、心筋梗塞などの「心臓疾患」は、過重な仕事が原因で発症する場合があり、「過労死」とも呼ばれています。厚生労働省では、こうした過労死や、仕事のストレスによる精神障害の状況について、平成14年度から、労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を支給することとした「支給決定件数」(※)などを公表しています。
(※)「支給決定件数」は、平成22年度中に「業務上」と認定した件数で、平成22年度以前に請求があったものを含む。
1 「過労死」など、脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況(別添資料1のとおり)
(1) 労災補償の「請求件数」は802件で、前年度比35件の増。4年ぶりに増加に転じた。 【P3 表1-1】
(2) 労災補償の「支給決定件数」は285件(同8件の減)で、3年連続の減少。 【P3 表1-1】
(3) 業種別(大分類)では、請求件数、支給決定件数ともに、「運輸業、郵便業」(182件、78件)、「卸売・小売業」(132件、53件)、「製造業」(118件、35件)の順に多い。中分類では、請求件数、支給決定件数ともに「運輸業、郵便業」の「道路貨物運送業」(108件、57件)が最多。 【P4 表1-2、P5 表1-2-1、P6 表1-2-2】
(4) 職種別(大分類)では、請求件数は「輸送・機械運転従事者」(156件)、「事務従事者」(110件)、「サービス職業従事者」(85件)の順で多く、支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」(69件)、「事務従事者」(44件)、「専門的・技術的職業従事者」(40件)の順に多い。中分類では、請求件数、支給決定件数ともに「輸送・機械運転従事者」の「自動車運転従事者」(139件、65件)が最多。 【P7 表1-3、P8 表1-3-1、P9 表1-3-2】
(5) 年齢別では、請求件数、支給決定件数ともに「50~59歳」(279件、104件)、「40~49歳」(218件、96件)、「60歳以上」(203件、42件)の順に多い。 【P10 表1-4】
2 精神障害などに関する事案の労災補償状況(別添資料2のとおり)
(1) 労災補償の「請求件数」は1,181件(同45件の増)となり、2年連続で過去最高。 【P14 表2-1】
(2) 労災補償の「支給決定件数」は308件(同74件の増)で、過去最高。 【P14 表2-1】
(3) 業種別(大分類)では、請求件数、支給決定件数ともに、「製造業」(207件、50件)、「卸売・小売業」(198件、46件)、「医療、福祉」(170件、41件)の順に多い。中分類では、請求件数は「社会保険・社会福祉・介護事業」(85件)、支給決定件数は「社会保険・社会福祉・介護事業」および「医療業」(各20件)が最多。 【P15 表2-2、P16 表2-2-1、P17 表2-2-2】
(4) 職種別(大分類)では、請求件数は「事務従事者」(329件)、「専門的・技術的職業従事者」(273件)、「販売従事者」(148件)の順で多く、支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」(73件)、「事務従事者」(61件)、「販売従事者」(44件)の順に多い。中分類では、請求件数、支給決定件数ともに「一般事務従事者」(211件、36件)が最多。 【P18 表2-3、P19 表2-3-1、P20 表2-3-2】
(5) 年齢別では、請求件数、支給決定件数ともに「30~39歳」(390件、88件)、「40~49歳」(326件、76件)、「20~29歳」(225件、74件)の順に多い。 【P21 表2-4】
○ 別添資料1(PDF:146KB)
○ 別添資料2(PDF:192KB)
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/ /6月14日発表・報道発表より転載