電通、「20代前半の『伝える力』は低くなっている」
首都圏の会社員800名を対象にした調査結果発表
株式会社電通(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:石井 直)「広告小学校」事務局は、書籍『広告小学校 CMづくりで、「伝える」を学ぼう。』刊行を契機に、首都圏の会社員800名を対象に「伝える力」に関するアンケート調査を行いました。
その結果、会社員が「仕事を上手に進めるために身につけたい力」の1位は『伝える力』ということが浮き彫りになりました。また、「伝える力」が高いと思う著名人を尋ねたところ、池上彰氏、北野武氏、枝野幸男氏などが上位に挙げられました。震災後メディア露出が多かった池上氏や枝野氏が上位となることは当然ですが、北野氏にも票が集まったことは、「伝える力」が、喋り方のテクニックによる“話しが上手・下手”ではなく、その人が誰かに伝えたい「考え」や「想い」を持っているかという視点でも捉えられている、ということを示す結果と考えられます。
【 アンケート調査の主な結果 】
● 会社員が「仕事を上手に進めるために身につけたい力」の1位は「伝える力」 57.9%
1位「相手と分かり合うために、考えていることを相手に『伝える力』」 57.9%
2位「相手の気持ちや場の空気などを『読む力』」 43.4%
3位「新しいアイデアを生み出す『発想力』」 40.5%
● 「伝える力」の自己評価 平均点は55.49点、20代の自己評価が低く、50代の自己評価が高い
・自分の「伝える力」が100点満点で何点か自己評価をしてもらったところ、全体の平均点は55.49点。
・年代別では、20代が最も低い50.65点。50代が最も高い60.17点。
・20代の自己評価と50代の自己評価に約10点の差がある理由は、年齢を重ねた人ほど経験が多く、「伝える力」に自信を持っているためだと考えられます。
● 「新入社員をはじめ20代前半の『伝える力』は低くなっていると思う」 30代から50代の過半数が認識
・「新入社員をはじめ20代前半の若者の『伝える力』は低くなっている」(「低くなっていると思う」および「どちらかと言えば低くなっていると思う」の合計)と、30代から50代の会社員の52.5%が回答。
・年代別では、「低くなっている」と答えた割合は、20代と年齢が近い30代が最多。
● 伝えること全般は50代が得意、20代が苦手。「メールやブログ、SNSなどで伝えること」は20代が得意
・「(自分の)伝える力」について、対象者や方法によって「上手くできるかどうか」を尋ねたところ、全体としてほとんどの項目では50代が「上手くできる」(「とても上手くできる」と「どちらかと言えば上手くできる」の合計)と答える割合が高く、20代が「上手くできる」と答える割合が低いことが分かりました。
・50代と20代の差が最も大きいのは、「一人の相手を動かす/説得するために、あなたの考えを伝えること」(25.0ポイント差)、次いで「面識がある人に対して、あなたの考えを伝えること」(20.5ポイント差)。
・唯一、20代が50代より「上手にできる」割合が高いのは、「メールやブログ、SNSなどであなたの考えを伝えること」。
・「初対面の人に対してあなたの考えを伝えること」は30代の「上手にできる」割合が最多。
● 「仕事の中で相手に意図が伝わらず困る」ことは45.5%が週に1回以上経験、20代の頻度の多さが際立つ
・週に1回以上の頻度を答えた人の割合は、全体では45.5%。
年代別では20代が64.5%と最も高い。30代から50代になるにつれて低くなり、50代では34.5%。
・20代の頻度の多さが際立っており、その理由は「伝える力」が他の世代より低いためだと考えられます。
● 伝える力を高める取り組み 53.4%の人が「気にしていながら何も取り組んでいない」
・75.1%は「伝える力」を高めることを気にしたことがあるものの、そのうち実際に何らかの取り組みをしたことがある人は28.9%(全体の21.7%)にすぎず、71.1%(全体の53.4%)人は何も取り組んでいません。
「伝える力」は必要だと認識されているものの、それを高める取り組みはほとんど着手されていません。
■ 調査概要
調査名 : 「広告小学校」アンケート調査
調査方法 : インターネット調査
調査期間 : 2011年4月2日(土)~4日(月)
調査対象 : (年代)20~50歳男女、(エリア)東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の一都三県に在住(職業)正社員、契約社員、派遣社員
有効回答者数 : 計800名
調査主体 : 株式会社電通 「広告小学校」事務局
株式会社電通 http://www.dentsu.co.jp/ /5月9日発表・同社プレスリリースより転載