ランスタッド・ワークモニター
世界のワークライフバランス事情を調査
総合人材サービス企業のランスタッド・ホールディング(本社:オランダ)が、世界主要25ヵ国で労働者に対する意識調査「ランスタッド・ワークモニ ター(Randstad Workmonitor)」を行いました。結果として、世界各地の主要マーケットの労働者は、業務の量は増加しているものの、仕事とプライベートのバラン スをとることに成功しており、取得できる休暇の数に満足していることが分かりました。また、休暇の直後は著しく業務効率が改善すると回答した労働者が大半 でした。
しかしながら、ワークライフバランスが取れてはいるものの、調査の結果、3分の1以上の回答者が、休暇中に電話もしくはメールでの業務連絡をうけているなど、多くの労働者が休暇と仕事を切り離せていない現実も浮き彫りになりました。
■ 労働者の転職先を見つける自信は堅調な推移
調査の結果、労働者の新しい転職先を見つける自信は、3ヵ月前と比較し堅調なレベルを推移しました。また、向こう半年以内に失職をする可能性も同様でし た。現在と同じ条件にこだわった場合は64%、その他の可能性も検討する場合は74%の確率で容易に転職が可能であるとの回答結果が得られました。ノルウェーやチェコ共和国ではそれぞれ87%、84%が新しい職に就ける可能性を楽観視しており、また中国では9割を超える労働者が現在と同じ条件での転職に自信があると回答しました。日本では、前回調査と比較し、現職と同じ条件での転職が可能との回答が約10%の伸びを見せました。
■ 若い世代の不安定さが突出
ベルギー、イタリア、カナダ、インドでは前回調査と比較し、より多くの労働者が転職をする予定があると回答しました。特に、18歳〜24歳という若い世代での数値が突出しており、カナダでは前回調査92であった転職の可能性を示す数値が、125と大幅な伸びをみせました。日本でも同様に、前回調査と比較し て世代間の格差が広がり、年齢層が下がるにつれて転職の可能性は反比例するように増加しています(18歳〜24歳:109、25〜34歳:101、 35〜44歳:99、45〜54歳:90、55〜64歳:87)。国を問わず、若い世代の雇用の不安定さが浮き彫りとなりました。
■ 職場満足度はグローバルで高水準、日本は前回より悪化
グローバル平均で約70%の労働者が、現在の職場に満足(非常に満足を含む)をしていると回答しました。特にデンマーク(84%)、ノルウェー(82%) では、高い数値が見られましたが、日本、中国、ハンガリーでは満足度は低いことが確認されました。特に日本は、非常に満足しているとの回答が4%と、前回 の7%を下回り、非常に不満(9%)の半分以下という結果となりました。
■ キャリアアップ意欲は上昇傾向
キャリアアップや転職への意欲は景気回復基調と連動し、各国で高まりを見せています。特にキャリアアップの意欲が高い国は、インド(89%)、メキシコ (84%)、イタリア(77%)であることが分かりました。日本の労働者のキャリアアップの意欲は、前回よりやや増加したものの、インドの半分程度に留まりました。職場に対する不安が多いにも関わらず、キャリアアップを望まない日本の労働者の多くは、更なる景気の回復を待つ傾向にあるようです。
なお、ランスタッド・ワークモニター詳細のレポートに関しましては、弊社ウェブサイトリリースページをご覧ください。
【 ランスタッド・ワークモニターについて 】
ランスタッド・ワークモニターは、2003年ランスタッドの本社のあるオランダでスタートし、現在は欧州、アジアパシフィック、アメリカ大陸の世界25ヵ国で行われています。ワークモニターは年4回実施され、労働市場の動向に関するグローバルトレンドを調査しています。本調査はオンライン上で行われ、18〜65歳の週24時間以上の勤務をする労働者を対象にしています(自営業を除く)。各国の最低調査人数は400名(日本は808名)。2010年5月7日〜5月18日の期間に調査が行われました。
ランスタッド http://www.randstad.co.jp/ /同研究所の調査結果より抜粋・6月25日