年代とバイアスの関係について
20代は評価を気にしやすい?50代は情報の見せ方によって意思決定が変わる?データを分析した結果、年代別のバイアスの特徴が明らかに
「はたらいて、笑おう。」をビジョンに掲げるパーソルグループのミイダス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:後藤 喜悦)が運営する中途採用サービス『ミイダス』は、独自の可能性診断「バイアス診断ゲーム」の受検データから、年代とバイアスの関係について分析を実施しました。「年齢が上がると同じ情報でも見せ方によって違う判断をしてしまう?」「若い人ほど評価を気にしやすい?」といった日常で感じるような“あるある”が数値化され、年代によるバイアスの特徴が明らかになりました。
<調査サマリー>
・バイアス診断22項目中10項目において、バイアス診断の得点と年代の間で特徴的な傾向が見られた
・年代が上がるほど強くなるバイアス:他者への共感・同情・感情移入のしやすさを表す「共感性」など22項目中6項目が該当
・年代が上がるほど弱くなるバイアス:他者の評価を気にする「評価下落回避」など22項目中4項目が該当
・年代が上がるほどビジネスライクな人間関係への耐性がつく一方で、過去の多様な経験があるために慎重さや保守性が増し、物事を否定的に捉えやすくなるといった傾向も見られた
<調査詳細>
年代が上がるほど強くなるバイアス
■「99%が成功、1%が失敗」同じ内容の違う表現、どちらでも同じ判断ができる?年代が上がるほどフレーミング効果は強くなる
表現によって判断が変わりやすいかどうかを表す「フレーミング効果」は、年代が上がるほど強くなり、50代の平均点は20代よりも0.50点高い結果になりました。
年代が上がるほど経験に基づいて情報を処理する結果、情報そのものだけでなく、ポジティブまたはネガティブという表現方法の影響を受けやすくなっていると考えられます。
■実はあの人も共感してる?年代が上がるほど他者への共感が強くなる
他者への共感・同情・感情移入のしやすさを表す「共感性バイアス」は、年代が上がるほど高くなり、50代の平均点は20代よりも0.64点高いという結果になりました。
若い人からすると、一見上の世代が共感しているように感じられないかもしれませんが、人生経験の蓄積から、年代が上がるほど他者への理解や共感を高めているといえそうです。
■ネガティブに受け取るからこそ用意周到に?年代が上がるほど否定的感情は強くなる
物事に対するネガティブな感情の抱きやすさを表す「否定的感情バイアス」は、年代が上がるほど高くなり、50代の平均点は20代よりも0.50点高い結果になりました。
これは経験値が上がると共に、リスクや失敗に対しても敏感になる結果、否定的な感情を抱きやすくなると考えられます。
■自分にも他人にも流されない?年代が上がるほど感情・バイアスを制御して行動できるようになる
他者の評価や自分の好みを制御して意思決定ができるかを表す「感情・バイアスの制御」は、どちらも年代が上がるほど高くなる結果になりました。
これは若い年代ほど他者の評価や自分の好みを優先してしまう一方で、年代が上がると多様な局面を経験する人が増え、自身のバイアスに振り回されず冷静な意思決定ができるようになってくると推察されます。
年代が上がるほど弱くなるバイアス
■評価は気にするなと言われても・・・若い年代ほど他人の目を気にして意思決定する傾向がある
他者からの評価に対する感度「評価下落回避バイアス」は、年代が上がるほど弱くなり、20代の平均点は50代よりも1.12点高い結果になりました。
若い年代ほど、他人の目を意識し過ぎるあまり、本来の目的に焦点を当てずに他者からの評価を下げたくない感情を優先して意思決定する傾向にあるといえそうです。
■これだけ時間とお金をかけたから・・・!若い年代の方が「サンクコスト効果」が強くなり、そのまま続けてしまう
過去に投資したリソースの影響の受けやすさを表す「サンクコスト効果」は、年代が上がるほど弱くなり、20代の平均点は50代よりも0.72点高い結果になりました。
若い年代ほど経験の少なさから切り替えが難しく、一度投資した時間、お金、労力などへの感情に執着してしまい、損切りを決断できなくなってしまうと推察されます。
■損失を避けることが目的になっているかも?若い年代の方が「損失回避」が強くなる
損失に対する感度「損失回避バイアス」は、年代が上がるほど弱くなり、20代の平均点は50代よりも0.65点高い結果になりました。
数値が高いと「損をしたくない」という感情を優先して意思決定をする傾向があるため、若い年代ほど「損失を生まないこと」が目的にすり替わってしまっているかもしれません。
■労力回避が効率化につながる?若い年代の方が「労力回避」が強くなる
労力に対する感度「労力回避バイアス」は、年代が上がるほど弱くなり、20代の平均点は50代よりも0.86点高いという結果になりました。
これは年代が上がるほど労力よりも利益を優先し、労力をかけることに抵抗がない傾向にあるといえます。また若い世代にとっての労力回避は、仕事においては効率化を進める潜在的な意識になっているともいえそうです。
<まとめ>
誰でもバイアスは持っているもの。バイアスをうまくコントロールする方法を身に着けることで、意思決定の質を高めることができ、円滑な人間関係のポイントにも。
今回の結果では、バイアス診断22項目中10項目において、バイアス診断の得点と年代の間で特徴的な傾向が出ていることが明らかになりました。
年代が上がるほどビジネスライクな意思決定をする一方で、多様な経験を重ねることで、共感性が強くなることが分かりました。また、年代が下がると「サンクコスト効果」や「評価下落回避」が強く、若い年代ほど周囲の評価を気にする傾向や、利益よりも損失回避を優先してしまう傾向にあることが明らかになりました。職場など多様な年代の人が集まる場で、「なぜそんなことを言うんだろう」と疑問に思ったことがある人も多いはず。そういった時は、”バイアスが違うと同じ物事でも捉え方が変わる”ということを意識してみると、より円滑なコミュニケーションが期待できそうです。
最後に、バイアスは人によってあったりなかったりするものではなく、誰でも多かれ少なかれ持っているものです。まずは自分のバイアスの特徴を診断ゲームなどで知ることで、私生活や仕事など様々な場面で意思決定の質を高めることができるかもしれません。
◾️調査概要
・『ミイダス』の「バイアス診断ゲーム」の受検結果でわかる22項目について10段階の評価結果を分析
・2021年10月1日〜2023年9月30日の期間における『ミイダス』の「バイアス診断ゲーム」の受検データ※のうち、回帰分析で年代による傾向が見られた項目を抽出
※期間内に「バイアス診断ゲーム」を受検した、20歳以上59歳以下の43,245人のデータを使用。期間内の新規登録者数とは異なります
注:バイアスは個人差が大きく、あくまでも年代による傾向ということをあらかじめご了承ください
本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ミイダス株式会社/ 6月5日発表・同社プレスリリースより転載)