社員研修の実態と本音調査
人事・社員研修に関する課題を分析
IT・DX研修の実施は26%にとどまり、企業のDX推進、デジタル人材育成遅れに懸念
教育事業を展開するヒューマンアカデミー株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:今堀健治、以下「当社」)は、政府が掲げる「人への投資」や、人的資本経営が注目されるなか、企業が実施している研修について、研修・人事担当者300名を対象に調査を実施しました。
この調査では、現在実施している、または今後強化したい研修テーマや、実施頻度、実施方法等について把握し、社員研修のトレンドや課題を明らかにすることを目的としています。
【本件のポイント】
・国によるDX推進が呼びかけられているなか、研修の中心はコミュニケーション研修
・IT/DX研修の必要性を感じている企業77%のうち、実際に実施している企業は26%にとどまる
・自社に必要なIT・DXスキルと教育の不明瞭さが課題となり、IT・DX研修の実施が困難な状況
【背景】
2023年3月期決算より、対象企業においては人的資本の情報開示が義務化され、政府が掲げる「新しい資本主義」の中核の1つが「人への投資」です。同時に、リスキリング(学び直し)や職業訓練によるスキルアップ支援が拡充されてきました。一方で、企業は、企業価値を生み出すため、人的資本への投資として社員研修や働く環境整備などエンゲージメントを高める施策を投じています。
当社では、社員研修の実態と課題を俯瞰的に把握することにより、より良い人材育成プログラムを提供し、企業と共に成長し豊かな社会創りに貢献したいと考えております。
【調査結果の概要】
今回の調査で、企業が実施する研修のなかでは「コミュニケーション研修」が62%で1位となりました。続いて伝え方の研修53%、リーダー研修51%と、人と人とのつながりや接し方を中心とした研修が重要視されていることがわかります。
一方で、政府が推進する「リスキリング」の一環として注目されるDX推進に関わるIT・DX研修については、77%の企業が必要性を感じながらも、実施している企業は26%、必要性を感じていない企業は14%となりました。
労働力人口の減少、大企業と中小企業の間のデジタル格差、デジタル人材不足といった多くの課題が叫ばれているなか、国と企業の間にはDX推進に関するギャップが存在し、デジタル化戦略や国際競争力向上への障害が懸念されます。
【調査結果】
実施している研修テーマはコミュニケーション研修が62%で1位。 IT・DX研修はわずか26%の実施率
研修テーマに関して、最も多いのはコミュニケーション研修62%、続いて伝え方の研修53%、リーダー研修51%となりました。テレワークの普及、働き方の多様性など、労働環境がますます複雑化し、人との関係性や適切なコミュニケーションが業務遂行において重要視されています。
一方で、政府が推進する「リスキリング」に関するIT・DX研修の実施は26%、また、2023年3月期決算から上場企業などを対象に人的資本の情報開示が義務化され、開示項目の7分野と関係するダイバーシティ・女性活躍推進研修の実施状況は25%にとどまっており、企業の取り組みとしては一部でしか実施されていない結果となっています。
IT・DX研修の実施は26%にとどまるも、77%の企業はIT・DX研修の必要性を実感
経済産業省は2018年に、DXレポート「~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」を発表しました。そのなかで、DXが実現できない場合は2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があると警鐘を鳴らしています。
しかしながら、研修の取り組みとしては、IT・DX研修の必要性を感じている企業は77%にのぼるも、実際に研修を実施している企業は26%、14%の企業は必要性を感じていない結果となっています。
理由として、42%の企業が自社に必要なIT・DXスキルが定まっていない、36%の企業がIT・DX人材の育成方法がわからないと答え、企業の手探り状態が続いています。
政府も促すDX推進、リスキリングによるデジタル人材の育成を支援するなか、IT・DX研修実施の低さが懸念されます。
<調査概要>
調査方法:WEBアンケート
調査期間:2024年2月29日~3月4日の計5日間
対象地域:全国
調査対象者:民間企業に勤める人事・研修担当者
回収件数:300件
回答者が勤務する会社の従業員数:1,000名未満44%、1000名以上56%
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ヒューマンアカデミー株式会社 / 4月9日発表・同社プレスリリースより転載)