企業と従業員の健康課題への認識に関する調査
女性特有の健康課題が原因となり、キャリアを築く上で何かをあきらめた経験のある女性は21.4%。必要なサポートは「受診休暇が取りやすい制度」「部署内のサポート」などが挙がる
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、従業員100人以上の企業に勤務する全国の22-65歳の男女と、人事・労務・企業内の健康経営担当者を対象とした「企業と従業員の健康課題への認識に関する調査」の結果を発表しました。本調査では従業員の心身の不調による健康面への影響、女性特有の健康課題、それらがもたらす仕事への影響などが明らかになりました。
【TOPICS】
・従業員の約7割が健康に不安を抱えている一方、従業員の健康課題解決に取り組んでいない企業は半数
・従業員の約3人に1人がメンタル面で不調を感じており、その中で仕事への影響を感じている従業員は85.8%
・キャリアを築く上で、女性特有の健康課題や症状が原因となり何かをあきらめた経験のある女性は21.4%。「受診や休暇が取りやすい制度設計」、「上司や部署内のサポート」を期待
【調査概要】
従業員が自身の健康面で気になっていることは、「運動不足」が最多で39.9%。次いで「ストレス」が35.2%、「肥満」が24.2%となり「特に気になることはない」を除くと、約7割が何かしらの健康面に不安を抱えていることが分かる。一方で、企業側が行っている従業員の健康課題解決のための取り組みについて、50.0%の企業が「取り組んでいない」と回答。従業員の多くが健康課題を抱えている反面、課題解決に取り組む企業は多くない状況がうかがえる。
従業員にメンタル面で不調を感じることがあるか聞いたところ、「はい」と回答したのは33.4%で、そのうち仕事への影響を多少なりとも感じている人は85.8%だった。メンタル不調への対策について聞くと、「何もしていない」が最多で37.0%、次いで「ウェブで検索できることを調べた(25.6%)」「医療機関を受診(24.2%)」だった。メンタルヘルスに課題を感じながらも、自分自身で対策ができていない従業員も一定数いるようだ。
キャリアを築く上で、女性特有の健康課題や症状が原因で何かをあきらめた経験のある女性は21.4%。あきらめたことは「正社員として働くこと(8.1%)」が最多で、「出産・育児(5.3%)」「希望する職種で働くこと(4.5%)」「昇進・昇格(4.3%)」などが続いた。女性が健康課題を抱えながらキャリアを築くために必要と感じたサポートとして、「受診や休暇が取りやすい制度設計(50.4%)」「上司や部署内のサポート(29.7%)」「業務分担や人員配置の考慮(24.7%)」などが挙がった。
【総評】
本調査では、従業員が健康面で不安に感じていることや、その対策の現状が明らかになりました。従業員が心身ともに健康であることは、一人ひとりがいきいきと働ける社会をつくることだけではなく、企業の生産性向上や組織の活性化につながり、結果として業績や企業価値の向上が期待できます。従業員の健康課題が解決されない場合、企業イメージ低下や離職者の増加などのリスクがあり、企業は従業員の健康を守るための制度の見直しや、課題の早期発見ができる仕組みづくりが求められるでしょう。
また女性特有の健康課題については、キャリアを築くうえで障壁と感じている人もいるようです。企業においては働きやすい職場づくり、ライフイベントへの柔軟な対応をはじめ、女性特有の健康課題についての制度整備や、周囲の従業員のヘルスリテラシーの向上に努め、働きやすい職場づくりのサポートを行うことが重要となるでしょう。
マイナビ「企業と従業員の健康課題への認識に関する調査」
■ 調査期間:2023年3月13日(月)~2023年3月14日(火)
■ 調査方法:インターネット調査
■ 調査対象:従業員数100人以上の企業に勤務する全国の22-65歳男女、人事・労務・企業内の健康経営担当者
■ 調査機関:株式会社GMO
■ 有効回答数:1,076人(従業員100人以上の企業に勤務する全国在住の22-65歳の男女722人、人事・労務・企業内の健康経営担当者354人)
※グラフの内訳は端数四捨五入の関係で合計数値と合わない場合があります
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社マイナビ / 5月23日発表・同社プレスリリースより転載)