『駐在妻の再就職アンケート』調査
配偶者の転勤により海外に住む「駐在妻」のための情報・交流サイト『駐妻カフェ』を運営する、グローバルライフデザイン(東京都大田区、代表:飯沼ミチエ)は、「駐在妻の再就職」に関するアンケート調査を実施しました。
【調査概要】
調査名称:「駐在妻の再就職に関するアンケート」
調査時期:2021年3月15日~2021年4月4日
調査対象:再就職活動を経て本帰国後に再就職(業務委託など対企業フリーランス含む)した元駐在妻
調査方法:インターネット調査
回答数:114名
【調査結果のポイント】
- 配偶者の海外赴任同行により離職期間(以下、本文中ではブランクと記載)が生じ、年齢に即した実務経験を積むことが難しく、再就職市場ではハンディキャップを負わざるをえない
- 再就職にあたって駐在妻が感じる主な課題は「ブランク」「年齢」「育児との両立」「(配偶者の人事異動等により)今後の見通しが不透明」
- 保育所の確保・家庭との両立が再就職にあたって大きな壁に
- 仕事選びの基準として、最も重視するのは「働き方の柔軟性」
- 正社員雇用比率は78%→再就職後は29%まで減少、パート・アルバイトが最多層になり、待遇も下がるケースが多い
【回答者の属性および再就職時の状況について】
回答者の属性として、再就職時の年齢が30代後半~40代前半と答えた方が約60%と過半数を占めました。一方、アンケート回答者のそれまでの実務経験年数は10年未満が58.8%という結果でした。多くの駐在妻は、30代後半~40代前半というキャリア形成において重要な時期にブランクが生じることで、年齢相応の実務経験年数を積みにくいことが分かります。
【再就職活動について】
再就職活動をする上で感じた不安・不満・課題については、「ブランクの長さ」「育児との両立」「年齢」「保育所確保」と続いています。育児関連の声を上げる方が多く、「保育所の確保が再就職活動よりも大変だった」というコメントもありました。また配偶者の人事異動がどうなるか分からないといった「今後の見通しが不透明」であることも、多くの方が課題として挙げています。再就職先を決める上で重視する点として「働き方の柔軟性」を挙げる声が最多となったのは、このような家庭状況が背景にあると考えられます。
【前職と再就職先の比較】
雇用形態における大きな変化は正社員比率の低下です。前職で78%の方が正社員として雇用されていたのに対し、再就職先では正社員比率が29%まで低下しています。再就職先では70%以上が非正規雇用、中でもパート・アルバイトが31.9%で最多層という結果になりました。
再就職後は待遇が悪くなるケースがほとんどという結果でした。中でも特徴的なのは月収10万円未満が3.5%から約30%にまで増えている点です。これはパート・アルバイトでの雇用が31.9%まで増加したという、雇用形態の変化が反映されていることが伺えます。
採用にあたって評価されたと思われる点については、「過去の実務経験・キャリア実績」を挙げる方が圧倒的に多い結果となりました。年齢相応の実務経験を積みにくい駐在妻が不利に置かれてしまう実態がわかります。
【駐在妻の再就職アンケート結果を踏まえた提言】
<駐在妻側への提言>
・ブランクを抱えながらも評価される人材となる為に何をしていくべきか、戦略的に考え、自ら行動を起こしていく
・雇用形態や企業規模にとらわれず、自分のキャリアビジョンに向かってまずはファーストステップを踏み、経験値を積む
<企業側への提言>
・ライフイベントの変化でキャリアの中断を受け入れざるを得なかった女性に対して、「年齢=キャリア年数」といった一律的な評価軸ではなく、より柔軟な採用基準で評価する
・テレワークやフレックスタイム制など、柔軟な勤務形態の拡大
・(駐在員を派遣する側の企業において)ジョブ型海外赴任制度の導入
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(グローバルライフデザイン / 6月17日発表・同社プレスリリースより転載)