「役員報酬サーベイ-2020 Executive Pay Survey」の結果を発表
世界最大級の組織・人事コンサルティング会社マーサーの日本法人であるマーサージャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO 草鹿 泰士)は、日本における役員報酬に関する市場調査「Executive Pay Survey(以下EPS)」の2020年版レポートを発表した。
マーサージャパン組織・人事変革コンサルティング部門の井上康晴は、次のように述べている。
「『日本再興戦略改訂2014』において、「コーポレートガバナンス改革」が成長戦略の最重要課題の一つとして位置づけられて以降、持続的な企業価値の向上にむけた改革が進んでいる。企業にとって、「稼ぐ力」を強化するため、コーポレートガバナンス改革の「形式から実質への転換」が課題となっている中、今回のサーベイには多くの企業に参加いただいており、政府の方針や市場の動向に対する関心の高さを表していると考えられる」
近年、日本ではコーポレートガバナンスに関する関心が年々高まっている。同部門の亀長尚尋は、以下のように付け加えた。
「2021年3月の改正会社法施行、2021年春以降のコーポレートガバナンス・コード改訂など、企業はコーポレートガバナンス改革に一層取り組むことが求められている。自社の取組・開示の検討に際しては、市場プラクティスや他社事例は非常に有用である。本サーベイでは、報酬データだけでなく、ガバナンスに関する企業の対応状況やサクセッションプラン(後継者計画)の策定・運用等、時流を踏まえて項目をアップデートしているので、是非ご活用いただきたい」
<調査結果ハイライト>
- 幅広い業界から473社の企業(日系+外資)がサーベイに参加
- 日系企業における社長の総直接報酬水準(基本報酬+短期インセンティブ+中長期インセンティブ)の中央値は6,027万円。役位では日本に拠点のある外資系企業の役員に比べ高額な傾向にある。一方、役割の大きさで比較した場合には、外資系企業より低い水準にある
- 日系企業は「役位」を基準に報酬水準を決定する傾向。今後、社外人材の登用やグローバルでの報酬ガバナンスを考慮した場合、「職務」や「役割の大きさ」を軸とした報酬水準設定が必要になると思われる
- 過半数の企業が各報酬レベルでターゲット水準ポリシーを定めており、さらにその約50%の企業がベンチマーク企業群における50%ileを自社の報酬水準のターゲットとして設定
- 日系企業の79%が中長期インセンティブ導入済み。ビークルとしては、譲渡制限付株式、自社株信託スキームの採用企業が多い
- 諮問委員会(報酬・指名)の設置状況は、報酬委員会が55%、指名委員会は52%。開催回数・委員数は増加傾向にあり、実質化が徐々に進展していると考えられる
- CEOサクセッションプランは、82%の企業が導入済み。今後は、CEO以外の重要ポジションを特定し、当該ポジションにおいてもサクセッションプランを開始することで、経営人材層をより厚くしていくことが求められる
- 海外子会社の報酬水準を管理・把握している日系企業は61%。経済産業省主導のコーポレート・ガバナンス・システム研究会において、『グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針』が取りまとめられたことを踏まえ、海外子会社の報酬水準の管理・把握はより一般的になっていくことが予想される
<マーサー役員報酬サーベイ(EPS)について>
- 2019年まで、MERG(Mercer Executive Remuneration Guides)との名称で実施していた役員報酬サーベイが、2020年からEPS(Executive Pay Survey)に変更
- 役員報酬サーベイは、欧米およびアジア各国で実施されており、日本では前身のMERGが2013年より調査を開始
- 役員報酬に必要なデータ(基本報酬・手当・短期インセンティブ・中長期インセンティブほか)を網羅的に提供
- 本調査はグローバル統一基準で設定されている調査項目に加え、日本独自の質問項目(任意の諮問委員会の設置状況、中長期インセンティブの動向、サクセッションプランの実施状況等)も設け、グローバル多国籍企業の報酬マネジメント、日本特有の役位等いずれにも対応
- 役位ベースでの比較に加えて、職務(CEO, CFOなど)や、役割の大きさを反映したグローバル共通のジョブザイズ(PC: Position Class)を用いた比較も可能
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(マーサージャパン株式会社 / 3月24日発表・同社プレスリリースより転載)