ラクラス、多機能WebワークフローのASPサービス
「Lacrasio SaaS(ラクラスイオ・サース)」提供開始
人事情報受託管理のラクラス(東京都文京区、北原佳郎・社長)は、当社の開発した多機能Webワークフロー「Lacrasio(ラクラスイオ)」を、SaaS (Software as a Service : カスタマイズ可能なソフトウェアの期間貸し) として提供するサービスを開始いたしました。企業は、ハードウェアやソフトウェアに先行投資することなく、また社内システムエンジニアのリソースを使うこともなく、企業ごとに異なる諸規程に合致するようにカスタマイズされたWebワークフローを、3ヵ月で構築できます。
アプリケーションサービスの提供形態の一つとして注目されているSaaSは、プロバイダーが保守・管理するハードウェアに搭載されたソフトウェアを月極め料金で貸し出すサービスです。ソフトウェアの利用許諾権を販売するのではなく、サービスとして提供するという意味で、Software as a Service : SaaSいう呼び名が付けられています。
旧来のASP(Application Service Provider:ソフトウェアの期間貸し)とSaaSとの違いは、ソフトウェアを柔軟に迅速にカスタマイズできるという点にあります。Webワークフローで処理する書類の種類・フォーマット・承認経路などは、企業ごとに大きく異なります。ASPのように標準的なテンプレートを準備するだけでは、企業のさまざまな要求にすべて応じることは不可能です。
当社は柔軟で迅速なカスタマイズを実現するために、書類のフォーマットや承認経路を定義することで、プログラムを自動的に生成する「イベントモデラ」と呼ばれる機能を開発しました。ラクラスイオはこの機能を活用することで、あらゆる種類の書類を一元的に取り扱うことができるようになりました。
次に「Lacrasio(ラクラスイオ)」が取り扱う書類の一例を示します。これらは一例であり、イベントモデラによるカスタマイズにより、取り扱うことのできる書類の種類・フォーマット・承認経路などに制限はありません。
・ タイムカード
・ プロジェクト別工数管理
・ 勤怠関連申請書類(残業届、休日出勤届、休暇届など)
・ 身上関係申請申請(結婚届、家族異動届、住居異動届など)
・ 年末調整関係書類(扶養控除等申請書など)
・ 人事評価関連書類(目標管理シート、360度評価シートなど)
・ 出張旅費精算書
・ 稟議書
・ 社員向けアンケート調査など
SaaSとして提供されるソフトウェアを利用することで、導入企業にとって大きな利点が生まれます。
第一に、ハードやソフト等の固定資産の購入費用や、カスタマイズのためのコンサルティング費用といった先行投資がなくなります。購入したパッケージ・ソフトウェアが、当初の期待値通りに稼動する可能性は、一般的に50%程度と言われています。しかし、コストセンターである管理部門が動かないシステムを作ることは、企業としてとても許容できるものではありません。
SaaSでは、これらのハード、ソフト、セキュリティ等のインフラはプロバイダーが提供します。カスタマイズのためのコンサルティング費用は必要ですが、期待通り動かない限り、導入企業はこのコンサルティング費用を支払う必要はありません。金銭的なリスクを最小限に抑えてプロジェクトを開始できることが、導入企業にとって最大の利点です。
第二に導入企業では、システムのアップデートや法的要求の変更に対するメンテナンスが不要になります。固定資産を保有する必要もありません。人事関連のシステムであれば、税金や社会保険など、毎年さまざまな領域で法的な要求が変化します。オペレーション・システムやデータベース、あるいはウィルス対応ソフト等も日々更新されます。SaaSにおいては、これらの更新作業はプロバイダーが行います。セキュリティに万全を期すこともプロバイダーの役割です。メンテナンスフリーとなることは、導入企業にとって大きな利点です。
第三の利点は、社内のシステムエンジニアの工数を消費しないことです。ハードやソフトを買い揃えたとしても、これらを動くシステムに仕上げるためにはシステムエンジニアの工数が不可欠です。SaaSにおいては、カスタマイズに必要なエンジニアリング作業はプロバイダーが提供します。エンジニア不足という理由で導入を躊躇っていた企業も、SaaSであれば人事担当者だけでプロジェクトを開始することができます。
当社はこれまで、人事インフラが未整備の中堅企業(社員数500名以下)に対して、「Lacrasio(ラクラスイオ)」を用いた人事情報の受託管理業務を提供してきました。今回発表した「Lacrasio(ラクラスイオ)」のWebワークフローをSaaSとして提供するサービスは、既に人事情報データベースなどの人事インフラを保有している500名以上の企業を対象とし、代理店経由での販売も開始します。
料金は500人企業において、1アカウント月額1千円(月額50万円)、導入時のWebワークフローのカスタマイズとシステムのセットアップ費用は3百万円より(タイムカードおよび身上・勤怠・年末調整関連申請)となっております。お客様は、先行投資なし、固定資産なし、社内SEなしで、最先端のワークフローを3ヵ月以内に稼動させることができます。当社は、07年度に15社(売上:1億5千万円)、今後3年間に60社(売上:5億円)の導入を目指しております。
(ラクラス http://www.lacras.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・1月17日)