残業時間が100時間を超えると、高ストレス者の割合が約2倍に。高ストレス者は「上司、家族・友人からのサポート」「将来への期待」等が低い~『義務化2年目のストレスチェックの分析結果』:ヒューマネージ・保健同人社
株式会社保健同人社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:古川弘和、以下保健同人社)と株式会社ヒューマネージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:齋藤亮三、以下ヒューマネージ)は、企業で実施されたストレスチェックの分析結果を発表しました。今回、分析対象としたデータは、ストレスチェック義務化2年目に実施されたもので、データ件数は51万件を超える大規模な分析となります。
<分析対象>
実施期間:2016年12月~2017年11月(ストレスチェック義務化2年目)
実施検査:ストレスチェック『Co-Labo』
(『Co-Labo 57』『Co-Labo 57+』『Co-Labo 78』)
対象者数:510,208名
従業員のストレスチェック受検率は、88.0%。
9割以上が受検した企業が約6割を占め、昨年同様、高い水準。
2015年12月に施行された「ストレスチェック制度」(労働安全衛生法の一部を改正する法律)では、企業はストレスチェックの実施が義務化されている一方、従業員はストレスチェックを受けないことを選択できます。
義務化2年目のストレスチェック受検率(ストレスチェック実施対象者のうち、受検した人の割合)の平均は、88.0%(前年比0.4pt減)。従業員の9割以上が受検した企業(受検率90%以上)が約6割を占め、昨年同様、高い水準となりました。
残業時間が「100時間」を超えると高ストレス者の割合は、約2倍に。
「ストレスチェック制度」は、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)が主な目的です。その取り組みのひとつとして、「職場におけるストレスの高い者を早期に発見し、医師による面接指導につなげること」があり、企業は、ストレスチェック実施に際して、高ストレス者の判断基準を設ける必要があります。高ストレス者の判定基準は、医師や保健師等(実施者)の意見および衛生委員会での調査審議を経て決められますが、厚生労働省が公表している「ストレスチェック制度実施マニュアル」では、ストレスチェックを受けた従業員の10%程度が高ストレス者となるよう設計されています。
今回、分析対象とした企業における高ストレス者の割合は、約12%。高ストレス者の割合を、残業時間(アンケートによる自己申告)別にみると、残業時間が増えることと比例して高ストレス者の割合が増加しており、残業時間が「100時間」を超えると、高ストレス者の割合が約2倍になっていることがわかりました。
高ストレス者は、非・高ストレス者に比べ、「職場の対人関係でのストレス」を感じ
「上司、家族・友人からのサポート」が少ない傾向。
高ストレス者の特徴をさらに確認するために、職業性ストレス簡易調査票(57項目)にストレス対処(コーピング)、周囲のサポートを加えた、ストレスチェック『Co-Labo 57+』のデータを用いて、「高ストレス者」「非・高ストレス者」の結果を比較しました。
特に大きな差が見られたのは、以下の項目となっており、高ストレス者は、非・高ストレス者に比べ
・職場の対人関係でのストレスを感じ、
・上司からのサポート、家族・友人からのサポートが少なく、
・ポジティブ思考、将来への期待、他者への期待といった、“認知によるストレスの原因への対処”が低いことがわかりました。
TEAMSEAPコンサルタントの考察
ストレスチェック義務化2年目、「とにかく、まず実施する」という初年度と異なり、受検率が下がることが懸念されましたが、ストレスチェック『Co-Labo』ご利用企業様の受検率は、昨年同様、高い水準となりました。
長時間労働がメンタルヘルスに及ぼす影響については、既に広く知られていますが、今回の分析結果でも改めて確認できました。同時に、長時間労働だけでなく、「対人関係」や「周囲からのサポート」「認知によるストレスの原因への対処」にも明らかな差が見られます。各社にて“働き方改革”の取り組みが進められていますが、メンタルヘルス不調を未然に防ぎ、職場の生産性を向上させるためには、長時間労働への取り組みと並行して、これらの要素へのアプローチも欠かせないと思われます。
実際に、職場改善に効果を上げられている企業様では、「業務整理、指示の出し方の見直しを実行。その結果、ストレスチェックの『上司からのサポート』の数値が改善」「従業員に対し、ストレスの原因への対処に関する研修を実施。その結果、ストレスチェックの『ストレスの原因への対処』の数値が改善」など、具体的かつきめ細かい対策を講じ、PDCAを回して、粘り強い取り組みをされています。
ストレスチェックは、「とにかく、まず実施する」フェーズから、「実施した結果をいかに組織改善につなげるか」というフェーズに移行しています。実施後の活用(集団分析結果を活用した組織改善等)が、ますます注目されるものと考えられます。
<本件に関するお問い合わせ>
株式会社保健同人社 業務グループ 広報 担当:内藤(ないとう)・藤木(ふじき)
e-mail:pm_info@hokendohjin.co.jp tel:03-3234-6111 fax:03-3234-6110
株式会社ヒューマネージ 広報グループ 担当:山口(やまぐち)
e-mail:info@humanage.co.jp tel:03-5212-7170 fax:03-5212-7180
◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社ヒューマネージ http://www.humanage.co.jp/・株式会社保健同人社 http://www.hokendohjin.co.jp// 1月15日発表・同社プレスリリースより転載)