日本精神科産業医協会、 12月1日から実施の「ストレスチェック制度」に向けて “産業医の検査実施支援”のためのデータ処理など新サービスを開始
一般社団法人日本精神科産業医協会(所在地:東京都港区、代表理事:黒木 宣夫/渡辺 洋一郎)は、2015年12月1日から実施となる「ストレスチェック制度」に向けて、社内のストレスチェック検査に関するデータ処理を低価格で提供する新サービスを開始いたします。さらに、産業医の支援、あるいは企業のメンタルヘルス管理体制の構築に対しても専門的な支援を行っていきます。
■新サービス提供の背景
<“ストレスチェック制度”に対する誤解が蔓延>
ストレスチェック制度とは、メンタルヘルスに関する医療の分野であり、医師による面接指導が中心的課題です。検査自体は、その後の面接やフォローにつなげるためのツールであるにも関わらず、現状では、非医療系の業者がストレスチェック検査のみをビジネスとして扱っているため、本制度が検査の実施とデータ処理が全てと誤解されているようです。産業医の先生方も、検査のデータ処理が困難なため、外部の業者の手を借りざるを得ないと思われているようです。
<精神科産業医のスペシャリストが産業医をサポート>
上記の現状を受け、当協会がストレスチェック検査のデータ処理を請負い、産業医の先生がストレスチェック検査を簡易に自ら行えるようにし、“医療の制度は医療関係者の手で”との考えのもと、新たなサービスを提供することになりました。
また、本制度における面接指導には精神医学的な見識が必要ですが、一般的に産業医の先生は精神科医ではありませんので、産業医の先生に実施者としてストレスチェック制度の面接指導も引き受けていただけるよう、当協会の専門医が支援・指導を行います。
当協会の代表理事は2名とも、厚生労働省の要請によりストレスチェック制度の作成に深く携わってきました。ストレスチェック制度に関する委員会における精神科医の委員は、代表理事の黒木と渡辺、そして理事の中村の3名です。
■新サービスについて
1.ストレスチェック検査におけるデータ処理
従業員1,000人以下の事業場の産業医が簡単・低価格でストレスチェックを実施できる仕組みを提供します。
企業の産業医が、当協会にストレスチェック検査を依頼し企業の事務担当者が従業員データを当協会に送っていただきますと、産業医を通じてストレスチェック検査の準備と検査結果の作成及び返却をいたします。
従業員1,000人以上の事業場においては、別途、個別に相談にのります。
【サービスの流れ】実際の流れは協会サイトにてビデオでご覧いただけます。
(1) 産業医が顧問企業のストレスチェック制度の実施者になり、当協会に電話で従業員数を伝え検査を依頼。
(2) 協会から当該企業の事務担当者に連絡し、従業員名簿(従業員番号、氏名、性別、所属)を協会へ送付してもらう。
(3) 協会から人数分のマークシート方式の調査票を産業医に送付。
(4) 企業にて調査票を従業員に配布し、記載が終わったら調査票を回収し協会に郵送。
(5) 返送された調査票から協会にて個人結果を作成し産業医に返送。
2. 産業医が対応に苦慮するケースに対して専門家としての助言・指導
地区医師会などが窓口となり、所属の医師会員が産業医をしている企業で実施するストレスチェック検査において、地区医師会との契約を行なうなどして、専門家としての立場から助言・指導を行う仕組みを作ります(現在日本医師会と検討中)。
3.好事例を作る取り組み
ストレスチェック制度を契機として、職場における労働者のメンタルヘルス管理体制のさらなる充実を目指す企業様におきましては、当協会の法人賛助会員になっていただいた上で、産業メンタルヘルス分野でわが国を代表する当協会主要メンバーが嘱託産業医として人事担当者への助言、管理職研修、セルフ研修などを実施し、企業におけるメンタルヘルス体制作りのモデルケースを作る取り組みを行う予定です。(対象企業の選定には審査があります)
■ストレスチェック制度とは
ストレスに関する質問票(選択回答)に労働者が回答し、それを集計・分析することで、労働者個人のストレス状況と職場環境がどのような状態にあるのかを調べる検査です。労働者が50人以上いる事業場では、2015年12月から、毎年1回、この検査を全ての労働者(※)に対して実施することが義務付けられました。
(※) 契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(一般社団法人日本精神科産業医協会 http://www.jaohp.or.jp/ /11月26日発表・同協会プレスリリースより転載)