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【ヨミ】ラインケア

ラインケア

「ラインケア」とは、企業などの職場のメンタルヘルス対策において、部長・課長などの管理監督者が直属の部下にあたる労働者へ、個別の指導・相談や職場環境改善を行う取り組みのことです。組織内で指示命令を出す相手=部下を持つ管理監督者は、部下の状況を日常的に把握し、具体的なストレス要因の評価やその改善を図ることが可能な立場にあるため、職場環境の把握と改善、働く人からの相談への対応といった行動が求められます。ラインケアは、企業などにおけるメンタルヘルスケアの要であり、事業者は管理監督者がこれを適切に実行できるよう、教育・研修、情報提供を行う必要があります。
(2016/8/30掲載)

ケーススタディ

上司と部下の関係こそが強いストレス要因
だからこそ管理職がメンタルヘルス対策の要に

厚生労働省が2006年に発表した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の中で、職場におけるメンタルヘルスケアを推進するために、“四つのケア”が重要であることが指摘されました。“四つのケア”とは、働く人自身、そして周囲の管理職や専門家がストレスを気づき、ケアを行う体制や取り組みのことで、働く人本人がストレスに気づき対処する「セルフケア」、管理職などが職場環境等の改善や個別の指導・相談を行う「ラインケア」、組織内の衛生管理者などによる「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」、組織外の専門家や相談機関を活用する「事業場外資源によるケア」の四つがあります。

労働契約法」は「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」(労働契約法第5条)と、使用者の安全配慮義務を定めています。使用者には、社員など働く人に対し、業務を定めて遂行させるにあたり、疲労や心理的負荷が過度に蓄積して、働く人の心身の健康を損なうことがないよう配慮することが求められているのです。社員などが仕事を理由に、メンタルヘルス不調に陥った場合、企業がこの安全配慮義務に違反していたと判断される可能性は少なくありません。組織のリスクマネジメントという観点からも、職場の状況を日常的に把握できる立場にある管理職を要として、企業全体でラインケアの構築と実施に取り組む必要があるわけです。

管理職がラインケアとして実施すべきことは大きく、(1)職場環境の把握と改善、(2)部下からの相談への対応の二つに分かれます。(1)については、部下が置かれている職場環境や勤務形態、職場組織が適切に機能しているかを把握、評価し、必要に応じた見直しを図ることが求められます。部下の勤務状況を日常的に把握するのはもちろん、本人から随時、仕事に関する課題を聞き取るなどして職場のストレス要因を把握しておくべきでしょう。部下一人ひとりに対し、過度な長時間労働や過重な疲労、心理的負荷・責任などが生じないように、個々の能力や適性、職務内容に合わせた配慮を行うことも求められます。

また、(2)については、“部下からの相談への対応”といっても、相談を受けてから対応するという姿勢では効果的なケアとはいえません。管理職として、日頃から部下に対する観察、気づき、声かけが必要です。長時間労働で疲労の蓄積が認められる部下や、強度の心理的負荷を伴う悩みやトラブルを抱えている部下など、個別の配慮が必要な場合には、まず管理職から歩み寄り、相談を受ける機会を設けて、じっくり話を聴くように心がけるべきでしょう。

そもそも部下である社員にとっては、上司と部下の関係、つまりラインという指揮命令系統そのものが強いストレスの要因になりがち。上司はそのことを理解し、自覚した上で、個々の部下との接し方に気を配る必要があります。職場のメンタルヘルス対策において、ラインケアが最も重要視されるゆえんです。

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