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【ヨミ】インテグリティ インテグリティ

「インテグリティ」(integrity)とは、誠実、真摯、高潔などの概念を意味する言葉。組織のリーダーやマネジメントに求められる最も重要な資質、価値観を示す表現として、特に欧米の企業社会でよく使われます。企業のインテグリティ(誠実さ)を最優先し、法令順守だけでなく、より幅広い社会的責任の遂行と企業倫理の実践を目指す広義のコンプライアンス経営を、インテグリティ・マネジメントと呼びます。
(2015/5/8掲載)

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インテグリティのケーススタディ

マネジメントの担い手に絶対不可欠の資質
高潔?真摯?ドラッカーでも定義は難しい

米国企業の経営方針や社員が守るべき行動規範を記した文面には、「インテグリティ」という言葉が頻繁に使われています。「人を雇うときは三つの資質を求めるべきだ。すなわち、高潔さ、知性、活力である。高潔さに欠ける人を雇うと、他の二つの資質が組織に大損害をもたらす」(スティーブ・シーボルト著『一流の人に学ぶ自分の磨き方』より)と語ったのは、世界一の投資家と呼ばれるウォーレン・バフェット氏。ここで「高潔さ」と訳されている概念がインテグリティです。インテグリティを伴わない知性や活力は危険でさえあり、それならばいっそ愚かで怠惰な人間を雇うほうがましだと、バフェット氏は主張しています。

この言葉を好んで用い、インテグリティこそが組織のマネジメントを担う人材にとって“決定的に重要な資質”だと喝破したのが、ピーター・ドラッカーでした。ドラッカーはたとえば著書『現代の経営』で、次のように語っています。

「経営管理者が学ぶことのできない資質、習得することができず、もともと持っていなければならない資質がある。(中略)それは、才能ではなく真摯さである」
「部下たちは、無能、無知、頼りなさ、不作法など、ほとんどのことは許す。しかし、真摯さの欠如だけは許さない」
「真摯さに欠けるものは、いかに知識があり才気があり仕事ができようとも、組織を腐敗させる」

三番目の言葉には、先述したバフェット氏の指摘との共通性も感じられます。とはいえ、「高潔さ」「真摯さ」といわれても、あまりに漠然としていて、いまひとつピンとこないのも事実でしょう。人を雇ったり、リーダーを選んだりする場合、要するに、インテグリティに優れた人とはどういう人のことなのか、具体像がつかみづらい。実はドラッカー本人でさえ、「インテグリティの定義は難しい」と語っています。ただし、“インテグリティの欠如”を定義するのは難しくないとも。ドラッカーは、インテグリティの欠如した人物の具体例を、先述の著書の中で次のように列挙しています。

人の強みではなく、弱みに焦点を合わせる者/冷笑家/「何が正しいか」よりも「誰が正しいか」に関心をもつ者/人格より頭脳を重視する者/有能な部下を恐れる者/自らの仕事に高い基準を定めない者――。マネジメントの担い手としてインテグリティに優れた人材を充てようと思ったら、逆に、このような“インテグリティの欠如”を物語る特徴にフォーカスして人を判別したほうが、結果として近道になるのかもしれません。

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