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【ヨミ】ボセイケンコウカンリソチ 母性健康管理措置

「母性健康管理措置」とは、女性労働者の妊娠・出産前後に、事業主が講じることを義務付けられている措置の一つです。男女雇用機会均等法により、企業は妊娠中および出産後1年以内の女性従業員に対して、必要な保健指導などを受けるための時間を確保し、医師などから指導を受けた場合は、女性従業員がその指導事項を守ることができるように勤務時間変更などの措置を実施しなければなりません。こうした女性労働者のための母性健康管理措置を講じず、是正の指導にも応じない企業は、企業名公表の対象となり、労使間に紛争が生じた場合、労働者は調停など紛争解決援助の申出を行うことができます。 (2015/3/10掲載)

母性健康管理措置のケーススタディ

職場で妊産婦を守る企業の法的義務
徹底されず、9時間以上労働の実態も

男女雇用機会均等法では、妊娠中および産後1年を経過しない、働く女性を対象とした「母性健康管理措置」として、次の二つの措置の実施を事業主に義務付けています。

(1)妊娠中または出産後の女性労働者が、母子保健法に定める保健指導・健康診査を受診するために必要な時間を確保するための措置(法第12条)

(2)妊娠中または出産後の女性労働者が、保健指導・健康診査で医師や助産師から指示された事項を守ることができるようにするための措置(法第13条)

具体的には(1)の場合、女性従業員が妊産婦のための保健指導・健康診査を受診する日について、通院や受診に必要な時間分の休暇を与えるなどの措置を講じる必要があります。受診に必要な時間を確保しなければならない回数は、妊娠23 週までは4 週に1回、妊娠24~35週までは2週に1回、妊娠36週から出産までは週1回が目安とされていますが、医師・助産師がこれと異なる指示をした場合は、その指示した回数が優先されます。産後についても、医師などの指示した回数に応じて必要な措置を講じなければなりません。

母性健康管理措置の(2)には、妊娠中の通勤緩和措置、妊娠中の休憩に関する措置、妊娠中および出産後の諸症状に対応するための措置の三つの措置が含まれます。たとえば通勤緩和措置とは、妊娠中の女性労働者が通勤の際にラッシュアワーを避けられるように時差出勤や時短などの措置をとることをいいます。また休憩に関する措置については、休憩の時間の延長、回数の増加、時間帯の変更などが該当します。

少子化に歯止めがかからない中、職場において女性の母性が尊重され、働きながら安心して子どもを産める環境を整備することはきわめて重要な課題です。母性健康管理措置の実施徹底がより一層求められるゆえんも、そこにあります。

しかし連合が、働きながら妊娠を経験したことのある女性の正社員、派遣社員を対象に行った調査によると、妊娠中の女性労働者の16.6%が、1日8時間の法定労働時間を超えて9時間以上働いていることがわかりました。正社員に限ると26.2%、実に四人に一人に上っています。また妊娠時のトラブルで早産になった人の24.6%、流産した人の20%が9時間以上働いており、必要な健康管理措置が講じられないことによる早産・流産のリスクも懸念されています。女性の活躍推進が叫ばれているにもかかわらず、調査結果には、働く女性を守り切れていない現実が表れていると言えるでしょう。

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