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【ヨミ】アクティブリスニング

アクティブリスニング

「アクティブリスニング」(active listening)とは、カウンセリングにおけるコミュニケーション技法のひとつで、米国の臨床心理学者カール・ロジャースが提唱した、相手の言葉をすすんで“傾聴”する姿勢や態度、聴き方の技術を指します。日本語では「積極的傾聴」と訳されます。受容の精神と共感的理解をもって相手の話に耳を傾け、その言葉の中にある事実や感情を積極的につかもうとする聴き方のことです。アクティブリスニングにおいて、聴く側は話し手とともに感じ、考え、問題の本質を明確にしていくプロセスを共有することで、話し手が自ら解決できるように支援します。
(2014/8/25掲載)

ケーススタディ

共感と受容の精神に基づく話の“聴き方”
上司風を吹かせず、部下自らの解決を促す

アクティブリスニング」の概念が初めて発表されたのは1957年。“カウンセリングの父”と呼ばれる臨床心理学者のカール・ロジャース博士が、同名の論文によって提唱し、各方面から大きな反響を呼びました。日本には「積極的傾聴」または「積極的傾聴法」と訳され、紹介されています。

心理療法の対象者を患者ではなくクライアント(来談者)と呼び、面接の内容を記録・逐語化するなど、現在ではカウンセリングの常識として定着している手法を、最初に導入したのはロジャース博士です。博士の理論は、フロイトなどに見られるような悲観論とは対照的に、人間に対する楽観的・肯定的な見方にその特徴があるといわれます。すなわち、人間には誰しも自己実現する力が本能的に備わっており、クライアントの成長と可能性の実現を促す環境を整えるのがカウンセリングの使命であるという考え方です。アクティブリスニングもそのための聴き方の技法であり、コミュニケーションの姿勢に関する概念にほかなりません。

きき方には「聞く」と「聴く」がありますが、アクティブリスニングは、ただ受動的に聞き流すのではなく、話し手の言葉の中にある事実と感情をすすんで把握し、その本質を明確にしてあげることで、話し手が自分自身で問題解決できるように手助けする聴き方をいいます。それには聴き手の基本的な心構えとして、相手の考えや気持ちを相手の立場に立って理解する共感的理解と、自らの判断や評価の枠組みをいったん外し、相手の心情を全面的に受け入れる受容の精神が欠かせません。

アクティブリスニングは、企業でも管理・監督者に必須の能力として、研修などでよく取り上げられます。しかしそうした立場であればなおさら、部下とコミュニケーションをとる際に「忠告してやろう」「説得してやろう」といった思いに駆られやすいでしょう。上司風・先輩風を吹かせたい気持ちをあえて捨て去り、無の心境で相手に応対することがこの技法の大前提なのです。

具体的にアクティブリスニングを実践するには、次のような働きかけが求められます。

●話し手の言葉や態度、表情に集中し、自分が真剣に聴いていることを態度で示す

●言葉の奥にある気持ちや言葉には表れない真情をくみとりながら、
  相手の言わんとすることの意味全体をつかむようにする

●聴いた内容を相手にフィードバックする。意見は挟まず、「あなたはなぜ、そう思ったのですか」
 「それは○○という意味ですか」などと一歩突っ込んだ質問を投げかけたり、
 「そんなことがあったらつらいですね」と共感を示したりしながら、状況や感情の本質を明確化していく

そうした聴き方に徹することで相手はもっと心を開いて話したくなり、やがて自分から前向きな問題解決へとたどりついていく――それが、アクティブリスニングによる理想的なコミュニケーションの姿なのです。

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