【ヨミ】カクレトウサン 隠れ倒産

「隠れ倒産」とは、統計上の「倒産」にはカウントされないものの、限りなく倒産に近い企業の休・廃業や解散を意味する言葉です。主に資産が負債を上回る資産超過の状態で、経営の余力を残しているにもかかわらず、会社清算に追い込まれることを指します。法的整理や私的整理の倒産に該当せず、倒産件数の数字には含まれませんが、事業継続を断念せざるを得なかったことにかわりはないため、「隠れ倒産」と呼ばれます。近年は、人材不足や後継者難、人件費高騰など“人”に関する要因で、休・廃業や解散にいたる「隠れ倒産」が増加。日本経済の大きな懸念材料として浮上しています。
(2014/8/8掲載)
 

隠れ倒産のケーススタディ

倒産が減る一方、休・廃業や解散は増加
景気回復の副作用“人手不足”が要因に

一般に倒産とは、企業が債務超過などに陥り、経済活動を継続したくてもできなくなる事態をいいます。これに対し、資産が債務を上回っているにもかかわらず、経営の余力を残したまま、自ら事業継続を断念するのが「隠れ倒産」にあたる休業や廃業・解散です。隠れ倒産は、債務返済や社員への退職金支払いなどを考慮し、倒産に追い込まれる前に、あくまで自主的に事業を辞めるという形式。したがって統計上の倒産に分類されず、民間調査会社などが集計する倒産件数にもカウントされませんが、いずれにせよ、会社が消滅してしまうことに変わりはありません。

東京商工リサーチの調査では、2013年に銀行の取引停止を受けたり、民事再生法の適用を申請したりした企業の倒産件数は11,000件を割り込み、22年ぶりの低水準となりました。一方で経営の余力を残しながら、休・廃業や解散に至った隠れ倒産の件数は約29,000件。倒産件数の実に2.6倍にのぼり、過去10年で最悪の数字となっています。景気回復で統計上の倒産件数が減少するなか、休・廃業や解散はむしろ年々増加しているのです。

なぜ隠れ倒産が拡大しているのか。財務状況に問題がないのに、なぜ廃業という決断を選ぶしかないのか。最大のリスク要因は、景気回復の“副作用”である人手不足だといわれています。上記の休・廃業および解散の件数を産業別にみると、最も多いのは建設業(8,535件)で、人手不足や建築資材高騰などが休・廃業、解散の理由に挙げられています。次に多いのが飲食業・宿泊業(6,497件)です。

人口減少が進む一方で、東日本大震災からの復興需要やアベノミクスに伴う公共投資の拡大をうけて、求人が急増。特に建設業や外食産業で、人手不足や人件費高騰が深刻化しています。採用にかかる費用は上昇しているのに、それでも必要な人員を確保できずにビジネスの機会を逃がし、収益低下から倒産に追い込まれたり、後継者に恵まれず、事業継続を断念したりする中小企業も後を絶ちません。人材不足に起因する隠れ倒産リスクを軽減するためには、パートの正社員化などの対策を進めて現有戦力の離職を防ぐとともに、採用・育成を経営の根幹に据え、徹底的な戦略見直しを図る必要があります。その成否が企業の存亡を分けるといっても過言ではありません。

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

会員登録はこちら

既に日本の人事部会員の方は、ここからログイン

この記事をおススメ

(情報未登録)さんのオススメとして、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)が公開されます。
※コメント入力は任意です。

おススメ
コメント
(任意)
■コメント投稿に関するご注意
以下に定めるご注意をご承諾の上、コメントを投稿してください。

1.
記載されている記事や回答の内容に関係のないコメントは、ご遠慮ください。
2.
以下の内容を含んだコメントの投稿を禁止します。『日本の人事部』事務局が禁止行為に該当すると判断した場合には、投稿者に通知することなく、コメントを削除または修正することもございます。予めご了承ください。
・第三者の名誉または信用を毀損するもの
・第三者を誹謗・中傷するもの
・第三者の名誉、信用、プライバシーを侵害するもの
・第三者の著作権等の知的財産権を侵害するもの
・第三者の権利または利益を侵害するもの
・公序良俗に反する内容を含んだもの
・政治活動、宗教、思想に関する記載があるもの
・法令に違反する、または違反のおそれがある記載のあるもの
・差別につながるもの
・事実に反する情報を記載するもの
・営利目的の宣伝・広告を含んだもの
・その他、内容が不適切と判断されるもの
3.
氏名・住所・電話番号などの個人情報を記載すると、トラブルに繋がる可能性があります。絶対に記載することのないよう、ご注意ください。
4.
掲載されたコメントにより発生したトラブルに関しては、いかなる場合も『日本の人事部』事務局では責任を負いかねますので、ご了承ください。
5.
ご投稿いただきましたコメントは、『日本の人事部』や、当社が運営するウェブサイト、発行物(メールマガジン、印刷物)などに転載させていただく場合がございますので、ご了承下さい。

コメントを書く

(情報未登録)さんのオススメとして、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)が公開されます。

コメント
■コメント投稿に関するご注意
以下に定めるご注意をご承諾の上、コメントを投稿してください。

1.
記載されている記事や回答の内容に関係のないコメントは、ご遠慮ください。
2.
以下の内容を含んだコメントの投稿を禁止します。『日本の人事部』事務局が禁止行為に該当すると判断した場合には、投稿者に通知することなく、コメントを削除または修正することもございます。予めご了承ください。
・第三者の名誉または信用を毀損するもの
・第三者を誹謗・中傷するもの
・第三者の名誉、信用、プライバシーを侵害するもの
・第三者の著作権等の知的財産権を侵害するもの
・第三者の権利または利益を侵害するもの
・公序良俗に反する内容を含んだもの
・政治活動、宗教、思想に関する記載があるもの
・法令に違反する、または違反のおそれがある記載のあるもの
・差別につながるもの
・事実に反する情報を記載するもの
・営利目的の宣伝・広告を含んだもの
・その他、内容が不適切と判断されるもの
3.
氏名・住所・電話番号などの個人情報を記載すると、トラブルに繋がる可能性があります。絶対に記載することのないよう、ご注意ください。
4.
掲載されたコメントにより発生したトラブルに関しては、いかなる場合も『日本の人事部』事務局では責任を負いかねますので、ご了承ください。
5.
ご投稿いただきましたコメントは、『日本の人事部』や、当社が運営するウェブサイト、発行物(メールマガジン、印刷物)などに転載させていただく場合がございますので、ご了承下さい。

問題を報告

ご報告ありがとうございます。
『日本の人事部』事務局にて内容を確認させていただきます。

報告内容
問題点

【ご注意】
・このご報告に、事務局から個別にご返信することはありません。
・ご報告いただいた内容が、弊社以外の第三者に伝わることはありません。
・ご報告をいただいても、対応を行わない場合もございます。

あわせて読みたい

関連する記事

関連するQ&A

関連するキーワード