企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】フューチャーセンター フューチャーセンター

「フューチャーセンター」とは、立場や所属組織の異なる多様なステークホルダー(利害関係者)が集まり、未来志向の創造的な対話によって中長期的な課題解決を目指す協業の取り組み、あるいはその取り組みを支える施設を指す言葉です。知識経済を志向する欧州発祥の考え方で、扱われる課題は政策立案などの行政分野から、事業戦略策定や製品開発などの民間分野まで多岐にわたります。欧州では、約15年前から各国の企業や政府機関、自治体などが相次いでフューチャーセンターを開設。近年は日本でも、企業や研究機関のオープン・イノベーションの場として、あるいは市民参加によるまちづくりの場として、徐々に認知が広がりつつあります。
(2013/6/24掲載)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フューチャーセンターのケーススタディ

“いつもと同じ”メンバーに未来はない
複雑高度な課題を解決する創造的対話の場

フューチャーセンター」の先進地であるヨーロッパでは、1996年にスウェーデンの保険会社スカンディアがストックホルム郊外に開設したのを皮切りに、重電機メーカーのABBやオランダ政府、デンマーク政府などがフューチャーセンターを導入、現在までに計20ヵ所以上の施設が稼働しています。日本では、2007年に富士ゼロックスが知識創造のための専用スペースとして東京・港区のオフィス内に開設しました。NTTデータ、コクヨ、東急電鉄、東京海上日動システムズの各社も社内にフューチャーセンターを設け、組織改革やブランディング、CSR(企業の社会的責任)活動などさまざまな分野に活用し始めています。

なぜいま、フューチャーセンターが注目されるのか――その背景には、企業の直面する問題が、立場や分野を同じくする人々の集まりだけでは解決できないほど複雑性を増し、高度化している現実があります。例えば、業種・業界の枠組みを超えたイノベーションの創出や地球環境問題への対応といったテーマに取り組む際、同じ組織に所属するいつもと同じメンバーが、いつもと同じ場所で顔を合わせて議論を繰り返しても、解決に向かう可能性は低いでしょう。そうした複雑で高度な課題を解決し、未来を切り開くためには、過去にない斬新な発想やアイデア、組織の論理やしがらみにとらわれない実行力や突破力が求められるからです。

フューチャーセンターでは、ときには一般の市民や研究者、社会起業家などの外部人材も交えながら、立場や所属組織の異なる多様なメンバーを集めます。異質な人材同士を意識的につなぐことによって、通常の組織内では決して構築されることのない関係性を形成し、問題解決に結びつく新たな発想や創造的な対話を促すのがねらいです。

開かれた、良質の対話を行うには、参加者がリラックスできるような「場」の雰囲気や空間づくりも大切です。企業のフューチャーセンターでは多くの場合、対話の場を自社のオフィス内に設置することになりますが、従来型の事務的で堅い雰囲気の会議スペースは望ましくありません。既存のフューチャーセンターの空間デザインには、人々を日常的な感覚から解放する“遊び”の要素や、多様なテーマに対応するために柔軟なレイアウトを採り入れるなどの工夫がみられます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

トランザクティブ・メモリー
「トランザクティブ・メモリー」(Transactive memory)とは、1980年代半ばに米ハーバード大学の社会心理学者、ダニエル・ウェグナ―が唱えた組織学習に関する概念で、日本語では「交換記憶」あるいは「対人交流的記憶」「越境する記憶」などと訳されます。組織学習の一つの側面である組織の記憶力(...
組織再社会化
組織研究において、組織に新しく参入した個人がその成員となるために、組織の価値観や規範を受け入れ、職務遂行に必要な技能を獲得し、組織の人間関係に適応していく過程を組織社会化といいます。これに対し「組織再社会化」とは、すでにある組織の一員として組織社会化され仕事を行ってきた人が、転職などの組織間移動に...
組織社会化
組織研究において、新しく組織に加わったメンバーが、組織の目標を達成するために求められる役割や知識、規範、価値観などを獲得して、組織に適応していくプロセスのことを「組織社会化」といいます。個人が組織に参入するときは、必ずこの組織社会化の過程を通過しなければならないと考えられています。 (2012/5...

関連する記事

中村和彦さん: 組織に関する問題を「人」「関係性」に働きかけることで解決 いま日本企業に必要な“組織開発”の理論と手法とは(後編)
組織開発をどのように進めていけばいいのか、また、その際に人事部はどう関わっていけばいいのかなどについて、組織開発の実践に取り組んでいる研究者の南山大学教授の中村和彦さんに具体的な話をうかがっていきます。
2015/09/11掲載キーパーソンが語る“人と組織”
中村和彦さん: 組織に関する問題を「人」「関係性」に働きかけることで解決 いま日本企業に必要な“組織開発”の理論と手法とは(前編)
なぜ組織開発が近年注目されているのか?日本企業がどのように組織開発を進めていけばよいのか?組織開発の実践に取り組んでいる研究者の南山大学教授の中村和彦さんに、詳しいお話を伺いました。
2015/09/04掲載キーパーソンが語る“人と組織”
人事マネジメント「解体新書」第59回 「対話(ダイアローグ)」が求められる時代(前編) ~信頼に基づく話し合いが、組織を活性化する~
チームとして成果を出すために、人々をまとめ、鼓舞し、組織の活力を高めていく手法である「対話(ダイアローグ)」が注目されている。ただし、これは従来型の以心伝心によるコミュニケーションではない。対話とは、創造的なコミュニケーションであり、単なる雑談や議論とは異なる...
2012/08/27掲載人事マネジメント解体新書

関連するキーワード

テレワーク特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

ジョブ・カード制度 総合サイト 3,650社が活用!業界唯一の統合型eラーニング

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


テレワーク特集

「テレワーク」のメリット・デメリットを整理するとともに、導入プロセスや環境整備に必要となるシステム・ツール、ソリューションをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


会社の新しい挑戦を支えるために<br />
人事戦略のよりどころとなる総合的な人材データベースを構築

会社の新しい挑戦を支えるために
人事戦略のよりどころとなる総合的な人材データベースを構築

第一三共株式会社は2025年ビジョン「がんに強みを持つ先進的グルーバル...


「見える化」による効果検証で テレワーク導入をスムーズに実現<br />
西部ガスが取り組む“業務・ワークスタイル改革”とは

「見える化」による効果検証で テレワーク導入をスムーズに実現
西部ガスが取り組む“業務・ワークスタイル改革”とは

福岡市に本社を構える西部ガス株式会社は、「働き方改革」の一環としてテレ...