企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ネゴシエーションスキル ネゴシエーションスキル

ネゴシエーション(交渉、折衝)とは合意や調整を目的とした議論のことで、これを成功させるための技術や手法を「ネゴシエーションスキル」と呼びます。日本語では、交渉術あるいは交渉力と訳されます。
(2013/5/27掲載)

ネゴシエーションスキルのケーススタディ

優れたネゴシエーションは対立ではなく協働
理論武装よりも当事者間の信頼と納得が重要

顧客との商談にかぎらず、取引先と契約条件をめぐって折衝したり、社内で予算配分やスケジュールを調整したり、あるいは上司や経営陣に待遇改善を願い出たりするなど、ビジネスの現場ではたえずさまざまなネゴシエーションが行われています。

一般にネゴシエーションというと、相手に対していかに自らの主張をのませるかという敵対的・競争的な“駆け引き”のイメージが強く、それを成功に導くためには、理詰めで説き伏せるロジカルなプレゼンテーションやときにはずる賢く相手を出し抜くテクニックが必要だと考えられがちです。しかし人は決して理屈だけで説得されるわけではありませんし、また議論の勝ち負けだけで交渉自体の成否が決まるわけでもありません。本来、すぐれたネゴシエーションとは勝ち負けを競うものではなく、交渉相手とともに課題を解決する建設的な協働のプロセスです。

米・ハーバード大学交渉学研究所のロジャー・フィッシャー所長とウィリアム・ユーリー副所長が著した『ハーバード流交渉術―イエスを言わせる方法』によると、ネゴシエーションスキルの適否を判断する基準は三つあると言います。すなわち、その交渉の方法が「賢明な合意をもたらすものであるかどうか」「効果的であるかどうか」そして「当事者間の関係を改善し、少なくともそれを損なわないものであるかどうか」の三点です。

勝ち負けを競う「ゼロ-サム型」ではなく、協働的で建設的な「WIN-WIN型」のネゴシエーションを成功させるためには、交渉に関わるすべての当事者間の人間関係の構築が最優先されなければなりません。確固たる相互信頼の上に成り立つコミュニケーションであれば、賢明な合意が、効果的かつ友好的に導き出される可能性は当然高まるはずです。逆に理論武装に終始し、自分の意見や立場の正当性を強硬に主張するだけでは当事者間の関係が緊迫し、交渉そのものが壊れてしまいかねません。

ネゴシエーションスキルとは交渉相手を説得するのではなく、お互いの納得感を高めるための技術と言い換えてもいいでしょう。自分側の主張の論理性だけでなく、受け止める相手側の心理・感情面まで深く考慮し、言葉の選択から言い回し、話し方、表情、態度、ボディーランゲージに至るまで、お互いの信頼関係や納得感を醸成するために必要な要素を幅広く網羅したコミュニケーション能力が問われます。

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

DESC法
「DESC法」とは、ポジティブなコミュニケーションを行うための方法で、率直で誠実な意見の伝え方を目指します。DESCは自分の意見を述べるための四つのプロセスの頭文字をとったもの。Dは「Describe」で客観的に事実を描写すること、Eは「Express」で自分の感情を率直に伝えること、Sは「Spec...
傾聴
耳を傾けて聴くと書く「傾聴」(けいちょう)。心理学などの分野では以前からよく聞かれる言葉でしたが、近年はビジネスの場でも重要視されるようになり、傾聴の技術を身に着けたいというビジネスパーソンが増えています。 (2012/1/16掲載)
アサーション
「アサーション」(assertion)とは、より良い人間関係を構築するためのコミュニケーションスキルの一つで、「人は誰でも自分の意見や要求を表明する権利がある」との立場に基づく適切な自己主張のことです。トレーニングを通じて、一方的に自分の意見を押し付けるのでも、我慢するのでもなく、お互いを尊重しな...

関連する記事

「年収交渉代理人」としての人材紹介会社 職務経歴書の添削に熱心な人材紹介会社
転職の目的が「年収アップ」であるケースは多い。また、目標自体は「キャリアアップ」であっても、これまでの経験を生かしてのキャリアアップなら、年収アップも含まれる…と考える人は少なくない。それほど大事な年収だが、転職の際、自分で企業と交渉するのはそう簡単ではない。...
2008/09/29掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
2. マネジメント・管理職に求められるスキル
管理職(マネジメント)に必要とされるスキルについて、ロバート・カッツが提唱している「カッツ・モデル」がある。マネジメントに必要なスキルを、「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」そして「コンセプチュアルスキル」の三つに分けて考える手法だ。
2012/10/24掲載よくわかる講座
1. コーチング研修とは
コーチング研修とは、部下がその気になり、意欲的に動くように促すためのスキルを習得するための研修だ。マネジャーが、部下と一緒に目標を設定し、達成へのステップを見守り、要所に応じて助言を与えていくコーチングスキルを身につけることで、人材が主体的に動く強い組織をつく...
2012/12/03掲載よくわかる講座

関連するQ&A

<紹介予定派遣>正社員登用後の条件面の交渉について
初歩的な質問で申し訳ございません。 来月より正社員登用予定の紹介予定派遣者がおります。 正社員後の条件面について交渉を行う際、 交渉は、派遣先を通じて本人と交渉するのが 正しいのでしょうか?(当社⇔派遣先⇔派遣者) もしくは当社⇔派遣者間である程度決定した上で、 その結果を派遣先に伝えるのは、法律...
社員の契約更新
社員の中に給与交渉、その結果等について書面(契約書のようなもの)を 半年もしくは1年で欲しいといっている者います。 私の認識では給与交渉等は評価後のフィードバックの時点、契約書は 毎年必要だとは思っておりません。 半年もしくは1年ごとにということであれば、契約社員の方がいいのではと 思っております。...
契約社員の組合加入について
お世話になっております。 契約社員が組合員になった場合、組合との団体交渉は契約社員1人ひとりごとに行う必要があるのでしょうか? 賃金改定等は、正社員の場合全体で交渉となりますが、契約社員はひとりずつ条件が違うため、一斉に交渉は出来ないと思います。 また、契約社員が組合員になることで、組合および会社に...
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 人材開発 ]

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


ウィズコロナ時代の働き方改革<br />
デジタルシフトで変わる!店舗が実施した非対面の人材開発、職場コミュニケーションとは

ウィズコロナ時代の働き方改革
デジタルシフトで変わる!店舗が実施した非対面の人材開発、職場コミュニケーションとは

新型コロナウイルスの感染拡大は、店舗事業者に甚大な影響をもたらした。さ...


強い企業ではなく、変化できる企業が生き残る。<br />
2020年以降を見据えたグローバル人材マネジメントの実現に向けて

強い企業ではなく、変化できる企業が生き残る。
2020年以降を見据えたグローバル人材マネジメントの実現に向けて

日本企業の海外売上比率が高まっているが、一方でグローバル人材の育成やマ...