企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】オーナーシップ オーナーシップ

「オーナーシップ」とは、個人と組織、個人と仕事との関係を示す概念で、担当する仕事を“自分自身の課題”と主体的に捉え、強い情熱と責任感を持って取り組む姿勢のこと。与えられた職務やミッションに対する自発性、経営に対する当事者意識、参画意識などがオーナーシップを形成する要素です。
(2012/2/13掲載)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

オーナーシップのケーススタディ

オーナーシップを引き出すリーダーシップ
徹底した権限委譲と情報共有がカギに

全体のパフォーマンスが低迷している組織や、一定の成果は出ていてもメンバーがメンタルヘルスに問題を抱えているような疲弊した現場では、社員が上司からの指示・命令に「やらされ感」を感じていて、自身がいわゆる「組織の歯車」ではないかと悩んでいることが多いようです。歯車は、他に代わりが利くものです。実際、組織のメンバーそれぞれが自分の存在価値を組織の歯車としか実感できず、「この仕事は自分でなくてもできる」「自分の代わりは誰にでも務まる」といった心理状態に陥ってしまったら、現場のモチベーションやモラールは低下してしまうでしょう。仕事に対するオーナーシップは、これとは真逆の発想。「自分がやらなければ他に誰もやる人はいない」というくらいの強い覚悟に裏打ちされた価値観です。

これからの“勝つ組織”“強い組織”は、自らの判断でビジネスに新しいチャレンジやイノベーションを起こすことのできる、自発性と機動性に富んだ個の集まりであることが求められます。チャレンジやイノベーションの本質が変化である以上、仮に業務プロセスを改善する程度の変化であっても、それを実行するには過去の成功体験を否定するところから始めなければなりません。実際に担当する人の心理としては当然、不安が伴います。その不安を乗り越える源泉こそが、与えられた機会や課題を前向きに捉える姿勢。つまり仕事に対するオーナーシップというわけです。したがって企業理念や社員の行動指針に、オーナーシップを掲げる企業も少なくありません。

組織が社員一人ひとりのオーナーシップを推進力にして成長しようとするならば、現場を実質的にマネジメントする部・課長らミドル層に求められる役割も変わっていきます。指示・命令で管理を徹底するだけでも、明確なゴールやビジョンを示して組織の一体感を高めるだけでも足りない――スタッフ全員のオーナーシップを十分に引き出すことこそが、これからの新しいリーダーシップの中核かもしれません。

社員のオーナーシップを引き出すためには、「エンパワーメント」(責任に応じた権限委譲と徹底した情報共有)による信頼の醸成が前提となります。もちろん部・課長個人の力量だけに、エンパワーメントの具体的な取り組みをゆだねるわけにはいきません。人事部門としても、個人への権限委譲のあり方やマネジメントによるフォローのしくみなどを制度化し、組織的に支援する必要があります。企業によっては、自社の経営に対する社員の当事者意識・参画意識を促す目的で、従業員持ち株制度やストックオプション制度などインセンティブ報酬の導入を図るケースも見られます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

組織社会化
組織研究において、新しく組織に加わったメンバーが、組織の目標を達成するために求められる役割や知識、規範、価値観などを獲得して、組織に適応していくプロセスのことを「組織社会化」といいます。個人が組織に参入するときは、必ずこの組織社会化の過程を通過しなければならないと考えられています。 (2012/5...
組織市民行動
「組織市民行動」とは、企業や団体の従業員が自分の職務の範囲外の仕事をする「役割外行動」の一種で、英語ではOCB(Organizational Citizenship Behavior)と呼ばれます。 この概念を提唱した米・インディアナ大学のデニス・オーガン教授らによると、組織市民行動は「従業員の行動...
組織再社会化
組織研究において、組織に新しく参入した個人がその成員となるために、組織の価値観や規範を受け入れ、職務遂行に必要な技能を獲得し、組織の人間関係に適応していく過程を組織社会化といいます。これに対し「組織再社会化」とは、すでにある組織の一員として組織社会化され仕事を行ってきた人が、転職などの組織間移動に...

関連する記事

中村和彦さん: 組織に関する問題を「人」「関係性」に働きかけることで解決 いま日本企業に必要な“組織開発”の理論と手法とは(後編)
組織開発をどのように進めていけばいいのか、また、その際に人事部はどう関わっていけばいいのかなどについて、組織開発の実践に取り組んでいる研究者の南山大学教授の中村和彦さんに具体的な話をうかがっていきます。
2015/09/11掲載キーパーソンが語る“人と組織”
中村和彦さん: 組織に関する問題を「人」「関係性」に働きかけることで解決 いま日本企業に必要な“組織開発”の理論と手法とは(前編)
なぜ組織開発が近年注目されているのか?日本企業がどのように組織開発を進めていけばよいのか?組織開発の実践に取り組んでいる研究者の南山大学教授の中村和彦さんに、詳しいお話を伺いました。
2015/09/04掲載キーパーソンが語る“人と組織”
太田 肇さん: 本当のIT革命を生き抜く「個人尊重の組織論」とは(後編) “やってもやらなくても変わらない”社会と組織を変えるために
日本の組織と個人をめぐる太田先生のお話は、個人をきちんと表に出す成果主義の本来のあり方から新しいチームワーク論へと広がっていきます。そして提言されたのは、企業と社員との“ホンネの関係”。誰もがおのずとやる気が出て、むだな「がんばり」がなくなる――そんな組織づく...
2015/03/27掲載キーパーソンが語る“人と組織”

関連するQ&A

これからの組織のあり方
マネジメント 組織論の質問です。 自律型組織、ティール型組織などへの志向が一つのメインストリームとしてあると思いますが、一方で従来型の軍隊式組織、官僚型組織もその有効性は完全には否定出来ないと思います。 自律型、軍隊型それぞれの組織が有効に機能するのは、それぞれ一定の条件下によると思いますが、この点...
社員紹介制度の報奨金
他の方の質問にありましたが、そもそもどうして報奨金を社員に支払うことが違法なのでしょうか。
組織マネジメントの評価項目
お世話になっております。 人事考課の評価項目の一つに、管理職者に対して、組織マネジメントの評価を考えております。 一般的な組織マネジメント能力に関する評価項目をご教授いただけますでしょうか。 宜しくお願い致します。
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 人材開発 ]
次世代リーダー育成特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

POSITIVE最新版にAI搭載 研修費ゼロの人材育成

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


次世代リーダー育成特集

さまざまな取り組み方がある「リーダーシップ育成」について手法や外部ソリューションをご紹介します。
コンテンツトップバナー


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


人事システムが人材マネジメントの基盤を作る! <br />
~常陽銀行の「POSITIVE」導入に見る、人材力「可視化」の狙い

人事システムが人材マネジメントの基盤を作る!
~常陽銀行の「POSITIVE」導入に見る、人材力「可視化」の狙い

地方の企業は厳しい経営環境にあります。地域経済をけん引する地方銀行では...