企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】マインドセット マインドセット

「マインドセット」とは、経験や教育、その時代の空気、生まれ持った性質などから形成されるものの見方や考え方を指す言葉です。信念や心構え、価値観、判断基準、あるいは暗黙の了解や無意識の思い込み、陥りやすい思考回路といったものもこれに含まれます。
(2011/10/24掲載)

マインドセットのケーススタディ

日本に必要な“成長志向のマインドセット”
失敗をより柔軟に許容する企業風土の醸成を

日本人は自信を失い、社会や経済には閉塞感があふれている――そうした論調が定着した感のある昨今ですが、国外からは、日本企業は依然として他の追随を許さない強みを数多く持っているという意見が少なくありません。バブル経済崩壊を境にして、日本人の多くは硬直的なマインドセットに陥り、自らと自らの将来を過度に悲観してきた部分があるのではないかというのです。

2010年6月、東京都内でのシンポジウムに招かれた米国カリフォルニア大学・バークレー校のローラ・クレイ准教授は、「ものの見方によって、一人の人間としてあるいは組織の一員として成長や変化にどう貢献できるかが定まる。(中略)成長志向のマインドセットを奨励し、硬直化したマインドセットをぬぐい捨ててほしい。常に相手と話し合い、自分や他者の変化に注目し、フィードバックを与えてほしい。厳しい結果も受け入れ、失敗を恐れず、逆にこれはチャンスだと考えてほしい。決して回復できない惨たんたる悲劇などない。ミスの背景をちゃんと理解すれば良い。(中略)日本の企業にとって個人が発展し、成長する能力を持つためには成長志向のマインドセットが必要だ」と、日本のビジネスパーソンに檄を飛ばしました。

“成長志向のマインドセット”とは、どういうものか。たとえばリーダーシップについて問われたとき、凝り固まった考え方をする人なら、優れたリーダーの資質は生まれつきというかもしれないし、成長志向のマインドセットの持ち主は、努力すれば誰でもリーダーとして有効な働きができると答えるかもしれません。大切なのは、どちらが正しいかではないのです。硬直的なものの考え方をする人は、自分にそうした性質がないと思い込んでしまうと努力を放棄してしまいます。成長志向のマインドセットを持つ人は、努力すれば成長できる、成功できると信じているので、簡単にはあきらめません。

クレイ准教授によると、個人レベルでも組織レベルでも、成長する“信念”を持っているか否かが肝心のパフォーマンスを左右することが、さまざまな研究成果から明らかになっているとのこと。問題を効果的に解決できるか、シビアな交渉事や対立を粘り強く乗り越えられるか、そうした点で成長志向のマインドセットを持つ人のほうが勝っており、かつ倫理観が高いこともわかっています。

不祥事で破たんしたエンロンは、かつて全米で最も優秀なタレントを集める企業として名を馳せましたが、こうした手法は生まれつき優れた人材を集めさえすれば組織もうまくいくと考える、硬直的な思考回路の産物といえるかもしれません。しかしマインドセットは変えられます。GE(ゼネラル・エレクトリック)のジャック・ウェルチは、自ら人材育成に取り組み、従業員に成長志向のマインドセットを教育することに成功したのです。なぜでしょう――。クレイ准教授は「GEが組織として、またウェルチが個人的に常に成功していたわけではない。ただ、柔軟に失敗を受け入れる素地があった」と述べ、翻って日本の企業風土は「失敗に対する許容度が非常に低い」と語っています。

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

グロース・マインドセット
「グロース・マインドセット(Growth Mindset)」とは、自分の才能や能力は、経験や努力によって向上できるという考え方のこと。社会心理学、発達心理学を専門とするスタンフォード大学の心理学教授キャロル・ドゥエック氏によって提唱されました。グロース・マインドセットは、「成長マインドセット」や「し...
パフォーマンス・マネジメント
「パフォーマンス・マネジメント(Performance Management)」とは、従業員のパフォーマンス(行動のレベル・成果)を高めるため、一人ひとりの持つ能力やスキル、モチベーションを引き出すと同時に、上司が効果的なフィードバックを行い、目標達成を目指すマネジメント手法のこと。従業員を評価・マ...
ゼブラ企業
「ゼブラ企業」とは、「ユニコーン企業」へのアンチテーゼとして生まれた、急成長を優先せずに社会課題の解決と企業利益との両立を目指すスタートアップ企業のことを指します。企業評価額が10億ドル以上、起業10年以内のテクノロジー企業であるユニコーン企業は、圧倒的な急成長で社会にインパクトを与えてきましたが、...

関連する記事

人事マネジメント「解体新書」第42回 ベンチャー企業に学ぶ人材戦略(前編:解説) ~組織を“ベンチャー化”することで、人は成長していく
バブル崩壊後、日本を牽引してきた大企業が成長戦略を描き切れなくなっている。一方、成長著しいベンチャー企業は元気だ。何より、働く人のモチベーションと行動力が段違いだ。いったい、この違いを生むものは何なのか?
2010/10/25掲載人事マネジメント解体新書
1.研修・人材育成とは
人材育成のために、今、企業に求められていることは何か。企業における人材育成の現状について確認し、今後、どのような対策を行っていけばいいのか、進むべき方向性を整理した。
2012/10/12掲載よくわかる講座
白木 三秀さん:企業の海外展開の要諦 ――グローバル・リーダーに求められる「グローバル・マインドセット」を、いかに醸成していくのか
早稲田大学教授の白木三秀先生は、「グローバル・リーダーの育成には、グローバル・マインドセットを醸成し、資質のある人材を選抜することが重要」と仰います。それでは、日本企業は具体的に、どのようにして「グローバル・リーダー」を育成していけばいいのでしょうか、また、「...
2014/04/25掲載キーパーソンが語る“人と組織”

関連するQ&A

ヒューマンスキルの振返りをさせるには?
こんにちは。 送らばせながら、1年目社員の振返り面談をしています。 実務的な成長は彼らも振返ることができるようなのですが、 ヒューマンスキルの振返りをさせるためには どのような問いかけ、仕掛けをしたらよいでしょうか。 よろしくお願いいたします。
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 人材開発 ]

注目のキーワード解説をメールマガジンでお届け。

メンタル対応可能な産業医を紹介します POSITIVEの導入事例はこちら 「よくわかる人事労務の法改正」ガイドブック無料ダウンロード

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


企業が社員の「睡眠改善」に取り組む時代<br />
働くひとのための「眠り方改革」とは

企業が社員の「睡眠改善」に取り組む時代
働くひとのための「眠り方改革」とは

睡眠改善への取り組みが今、注目を集めています。健康への影響にとどまらず...