企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】オープン リーダーシップ オープン・リーダーシップ

「オープン・リーダーシップ」とは、従来の“垂直型”のリーダーシップのように職務上の権限で組織を統制するのではなく、尊敬と信頼、徹底的な情報共有と権限委譲を求心力にして、現場や一人ひとりの社員とオープンな関係を構築しようとする新しいリーダーシップのあり方です。ソーシャル・メディアの台頭などにともなう社会の透明化、オープン化が、マネジメントに求められる役割やあるべきリーダー像にも変化をもたらしているとされ、この新概念に注目が集まっています。
(2011/9/12掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

オープン・リーダーシップのケーススタディ

“透明性の時代”のリーダー論
情報を共有しコントロールを手放す

オープン・リーダーシップ」と呼ばれる新しいテーマが浮上した背景には、先に述べたとおり、インターネットやソーシャル・メディアの急激な発達とそれを自在に使いこなす世代の台頭がありました。2010年末から今年初めにかけて、チュニジア、エジプトの両国でfacebookやtwitterなどソーシャル・メディアを“ツール”とした民主化運動が高まり、政権打倒にまで至ったのは記憶に新しいところですが、こうした時流のうねりはすでに経済活動にも押し寄せています。

あらゆる情報が世界中の人々に一瞬で開示され、共有される透明性の時代にあっては、企業リーダーは、自らに都合の悪い事実を覆い隠すことができません。組織における情報統制が困難になり、自律的に社内外と交流しネットワークを形成する社員に対して、上意下達でコントロールするような、旧態依然のリーダーシップは通用しなくなっていくでしょう。それが「オープン・リーダーシップ」の前提となる問題意識です。

ビジネスの側面から見ても、経済のサービス化が進み、顧客接点である現場の重要性は高まるばかり。したがって必要な情報をオープンにするとともに、社員一人ひとりを信頼し、自律的な判断を尊重するマネジメントスタイルへとシフトしていくのは必然の流れといえます。これに逆らえば、優秀な人材のほうから組織に嫌気がさし、企業を離れていきかねません。

著書『Open Leadership』においてこの新概念を提唱した戦略コンサルタントのシャーリーン・リー氏は、「オープン・リーダーシップとは、謙虚に、かつ自信を持ってコントロールを手放すと同時に、コントロールを手放した相手から献身と責任感を引き出す能力を持つリーダーのあり方」と定義しています。そしてそうしたリーダーシップを実現し、フォロワーと新しい関係を構築するために、次の五つのルールを挙げています。

(1) 顧客や社員が持つパワーを尊重する
(2) 絶えず情報を共有して信頼関係を築く
(3) 好奇心を持ち、謙虚になる
(4) オープンであることに責任を持たせる
(5) 失敗を許す

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

ホリゾンタル・リーダーシップ
「ホリゾンタル・リーダーシップ」とは、タテの上下関係や指揮命令系統よりも、ヨコの連携や協力関係を重視するリーダーシップのあり方をいいます。組織・部署の壁を越えて多様な人材を連結し、ホリゾンタル(水平方向)なネットワークを機能させることで目標達成に取り組むのが特徴です。ホリゾンタル・リーダーシップにお...
リーダーシップ
企業の成長においてリーダーシップが重要な意味を持つことは、多くの人が認識しているでしょう。しかし、「リーダーシップとは何か」を問われても、明確に答えるのは難しいのではないでしょうか。ここでは、リーダーシップ論の変遷を紹介しながら、現在の日本の企業に必要とされるリーダーシップの要素および身につける方法...
コンティンジェンシー理論
「コンティンジェンシー理論」とは、いついかなる状況でも高い成果を発揮する唯一最善なリーダーシップは存在せず、外部環境の変化に応じて望ましいリーダーシップのスタイルも変化すべきだとする考え方を指します。コンティンジェンシー(contingency)とは偶然性や偶発性という意味。1940年頃までは、リー...

関連する記事

これからのビジネスに欠かせない「経済知力」とは?
変化のスピードが速い現代において、過去の“経験則”だけでは通用しないのがビジネスの難しいところ。そのため、数多い知識・情報の中から、本当に有用なコンテンツを見極め、活用していく能力が必要になる。
2009/05/28掲載注目の記事
中村和彦さん: 組織に関する問題を「人」「関係性」に働きかけることで解決 いま日本企業に必要な“組織開発”の理論と手法とは(後編)
組織開発をどのように進めていけばいいのか、また、その際に人事部はどう関わっていけばいいのかなどについて、組織開発の実践に取り組んでいる研究者の南山大学教授の中村和彦さんに具体的な話をうかがっていきます。
2015/09/11掲載キーパーソンが語る“人と組織”
日向野幹也さん: 権限、役職、カリスマ性がなくても発揮できる 職場と学校をつなぐ「リーダーシップ教育」の新しい潮流(後編)
金融論の研究者から、リーダーシップ教育の第一人者へ――日向野幹也・早稲田大学教授の思いがけないキャリアチェンジの物語は、そのまま日本の大学におけるリーダーシップ教育の歩みと重なります。インタビュー後編では、過去11年間にわたる大学でのリーダーシップ教育の成果を...
2016/07/28掲載キーパーソンが語る“人と組織”

関連するキーワード

ウェルビーイング経営を実現するソリューション特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

タレントパレット 高尾の森わくわくビレッジ

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ


ウェルビーイング経営を実現するソリューション特集

本特集では、『日本の人事部』が注目する、ウェルビーイング経営実現ための多彩なプログラムをご紹介。体験セミナーへの参加申込み、資料のダウンロードも可能ですので、 ぜひご利用ください。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


HR Techで人事が組織を変えていく<br />
~データやテクノロジーの活用と新しい人事の仕事~

HR Techで人事が組織を変えていく
~データやテクノロジーの活用と新しい人事の仕事~

人事や企業経営を大きく変えていくと言われる「HR Tech」や「ピープ...