2007年問題
2007年問題とは?
2007年から団塊の世代が相次いで60歳定年を迎えることに伴う退職金負担、労働力不足、消費への影響など、企業や社会に及ぼす影響を指します。日本の人口が減少に転じる時期と重なるため、政府も対応策の検討に乗り出しています。
まもなく定年を向かえる団塊世代
退職金50兆円が経営を圧迫する?
団塊の世代と呼ばれるのは1947〜49年に生まれた805万7000人。2000年の国勢調査でも688万6000人、全人口の5.4%にあたります。彼らの定年が2007年問題として最初に意識されたのはコンピューター業界でした。大型汎用機の基幹システムを開発・保守してきた団塊の世代のベテラン技術者が大挙定年退職することで、システムの維持管理に支障をきたしかねないと危機感が広がったのです。
団塊の世代の大量定年問題は技術の継承にとどまりません。彼らを含む2007〜11年の5年間の退職者に支払う退職一時金は約50兆円にのぼるという試算もあり、一斉退職が経営を圧迫することも心配されています。さらに2007〜09年に約105万人の雇用者減少が見込まれるとされ、これに備え新規採用計画をたてる企業も増えています。
企業に対する直接の影響だけでなく、年金、介護保険などに与える影響も大きく、退職後の生活スタイルによっては、預貯金の取り崩しにより個人貯蓄が減少し、消費だけでなく、金融市場にも影響を与えるのではという懸念さえ出ています。
また少子化の進行で日本の人口は2006年をピークに減少し始め、労働力不足が深刻化してきます。厚生労働省も高齢者の活用、女性の仕事と家庭の両立、若者の能力向上など労働力維持の施策検討を始めました。10代のころから何かと社会の注目を浴びてきた団塊の世代ですが、リタイア後も彼らの動向から目を離すことはできないようです。
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