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【ヨミ】シンガタウツビョウ 新型うつ病

従来型の典型的なうつ病とは印象が違う、新しいタイプのうつ病のこと。仕事中だけうつで、職場を離れると活動的になるなど自己中心的に映るため、周囲が対応に苦慮する場合も少なくありません。
(2008/10/20掲載)
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新型うつ病のケーススタディ

職場ではうつでもプライベートでは活動的
わがまま”に思えても対応は慎重に

うつ病が社会に蔓延しています。厚生労働省の調べによると、うつ病、躁うつ病などの患者はここ10年ほどの間に2倍以上に急増。診療施設は増えているものの追いつかず、パンク寸前のクリニックも少なくありません。背景には、病気に対する啓発が進み精神科への抵抗が薄れたことや、企業のメンタルヘルス対策が普及したことなどがありますが、新型うつ病の患者が増えていることも一因だといわれています。

うつ病というと、周囲の状況に関係なく慢性的に気分が落ち込み、何事にも意欲が湧かないというのが主な症状。真面目で几帳面、すぐに自分を責めるような人がなりやすいと思われてきました。しかし2007年ごろから、20〜30代を中心に「職場ではつらいと感じるけれど、帰宅後や休日は活発に活動する」「自分を責めるのではなく、身近な人間や社会に対して攻撃的な態度をとる」といった患者が増えています。うつ病と診断されて休職中なのに、海外旅行に出かけたり、趣味に打ち込んだり……。そこで便宜上、新しいタイプのうつ病=「新型うつ病」と呼び、きまじめな従来型のうつ病と区別するようになったのです。専門的には「非定型・自己愛型うつ病」、あるいは「職場うつ」「未熟型」「逃避型」「現代型」とも呼ばれています。

もっとも「新しいタイプのうつ病」とはいうものの、本当に「うつ病」の範疇に入るのか、別の病気ではないのか、そもそも病気と呼べるものなのか――。専門家の間でも議論が分かれています。現在、うつ病の診断に用いられているアメリカ精神医学会の診断基準DSM-IVでは、9項目の主な症状がいくつあてはまるかで病気を定義しています。一定の症状があれば、新型と呼ばれるものも病名としては「うつ病」と診断されるわけです。

したがって社員が「うつ病」と診断されたら、いくら言動がわがままに思えても、労務管理上は主治医の指示を尊重して対応しなければなりません。

▼ 「新型うつ病」の解説記事はこちら
職場のメンタルヘルス最前線~増加する“新型うつ病社員”への対処法

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