AIエージェント
AIエージェントとは?
「AIエージェント」とは、人間の介入なしに自律的に意思決定を行い、複雑なタスクを実行できる高度なAIシステムのこと。従来のAIが、人間の指示や定義されたルールに基づいて動作するのに対し、AIエージェントは自ら学習し、目的達成に向けて自ら行動を修正。人間は目標だけを設定し、その後の最適なアクションはAIエージェントが独自に選択します。人に代わって業務を遂行できる「AI社員」になるため、人材不足解消の手段としても注目されています。
ひときわ注目されている「AIエージェント」
生成AIとAIエージェントの違いとは?
「生成AI」のクオリティーは日に日に向上しています。「ChatGPT」や「Gemini」などの登場により、AIを活用する人の裾野は大きく広がりました。「いかにAIを活用するか」が、新たなビジネススキルになっています。
以前は企業にとって「業務効率化」の意味合いが強かったAIですが、現在はその役割が大きく変わろうとしています。特に注目されているのが「AIエージェント」と呼ばれる自律型のシステム。人間が介入しなくても自ら意思決定を行い、複雑かつ高度なタスクを遂行する点が特長です。人の代わりに業務を行う「AI社員」の実現さえ可能になります。
従来のAIシステムは、どちらかというと人間が定義したアルゴリズムやルールに沿って動作することが中心でした。チャットボットでは、質問に対する回答を学習データから導き出します。画像解析では、決められたラベルを付与する動作が得意です。しかし、複雑なシーンでは多くの場合、人間の意思決定が必要でした。一方、AIエージェントでは、人間が設定するのは目標だけです。目標達成までの戦略や実行プランなどは、すべてAIが担います。
生成AIとAIエージェントとの違いは、実行を伴う点。例えば、生成AIに「おすすめの旅行先」を聞くと、最適な旅行プランを提案してくれます。AIエージェントは、さらに実際に宿や交通手段の手配までしてくれるのです。
AIエージェントは、採用業務でどのように活用できるでしょうか。たとえば、ターゲット人材と採用目標人数を入力すると、AIエージェントがさまざまな環境下の情報を自律的に入手し、いつ、どの媒体を使ってどんな発信をすべきか、どのような採用フローを組むべきかを提案してくれます。さらに、テキストを作ったり、ターゲットにスカウトメールを送ったりと、実行まで担ってくれます。AIにアイデア出しを一任し、人間は決断に専念すれば、生産性の向上が期待できるでしょう。
ただし、AIエージェントの普及にはいくつかの課題があります。AIエージェントを実装するには、機械学習に関する高い専門性が必要であり、システム連携やセキュリティー対策なども重要です。大量のデータを取得することによるデータプライバシーの懸念や、人間の判断をどこまでAIエージェントに委ねるかといった倫理的・法的な課題もあります。
導入までに大きなハードルはあるものの、AIエージェントを自社に実装できれば、仕事の進め方や、価値創出のプロセスを刷新する大きなインパクトになることは間違いありません。これからの時代をビジネスパーソンとして生き抜くためには、AIエージェントの動向を注視する必要があるのです。
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