デレゲーション
デレゲーションとは?
「デレゲーション(Delegation)」とは、上司が部下に権限移譲し、仕事の一部を任せること。「デリゲーション」と表記されることもあります。組織が成長し、拡大していくためには、リーダーが育たなければなりません。部下は一段階上の仕事を任せられることによって、新たな視点や責任感が芽生え、成長できます。上司は、デレゲーションを行うことで必要な業務に集中することができます。デレゲーションは、部下の成長と上司のマネジメントの効率化につながる手法です。
約9割の管理職がプレイングマネージャー
部下に仕事を任せる際のポイントは?
あなたは、もしくはあなたの上司は、プレイングマネージャーですか。2019年にリクルートワークス研究所が実施した調査によると、87.3%の管理職がプレーヤーとして業務を担いながら、チームのマネジメントをしていることがわかりました。プレーヤーとして業務を行う理由(複数回答)は、「業務量が多く、自分もプレーヤー として加わる必要があるため」が最多で57.3%、次いで「部下の力量が不足しており、自分もプレーヤーとして加わる必要があるため(37.3%)」と続きました。
デレゲーションの苦手なマネージャーは多く、「自分でやったほうが早い」「部下は自分ほど成果を上げられない」と、膨大な業務を一人で引き受けてしまうことがよくあります。そんなとき、「能力は役割が作る」ということを覚えておくことが重要です。
デレゲーションは「丸投げ」ではなく、「権限移譲」です。部下に役割を与え、必要があればアドバイスをし、一度任せた後は見守ります。ポイントは、やり方ではなく結果を重視すること。人それぞれ目的達成の手段は違うかもしれませんが、目的が達成されれば、手段に正解はありません。一挙手一投足に口を出してしまっては、せっかく役割を与えても部下の自主性や自律性は育ちません。部下が自分で考え、行動することを繰り返すなかで新たな視点が育まれ、成長へとつながっていくのです。
短期的に見れば、業務を教えたり引き継いだりするための時間が必要であり、工数がかかると感じるかもしれません。しかし、中長期的に見れば業務の一部が手離れすることで、上司は業務の「選択と集中」を行うことができます。
よく似た言葉に「エンパワーメント」があります。どちらも権限移譲を意味しますが、エンパワーメントは不利な立場に置かれていたマイノリティなどを対象に、社会の中で主体的に活躍できるよう力を与えるというニュアンスがあります。デレゲーションは仕事を任せることそのものを指し、組織が持続的に成長するためのマネジメント手法として使われることの多い用語です。
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